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Bring Em Out

Bring Em Out

水は濁っているけど・・・

キリング フィールドからそのままトンレサップ湖へと向かう。
ここへ着く道のりもかなり激しい(最終日に行ったプノン・クレーン)に比べるとかなりマシなのだが・・・

湖までは、たった1本の道が続く。周りは湿地帯で水牛が草を食べている。ジャイアンが「CHINITO見ろよ。」「うわーーーー鳥がついてきてるぅー。おいで、おいでぇー。 一緒にいこー」
1羽の黒い鳥がバイクの脇を一緒に走る。 あーーーーカンボジアがますます好きになりそうだ。

横をトゥクトゥクに乗った旅行者が通り過ぎる。「ここにトゥクトゥクなんで間抜けのすることだよ。」途中で故障したトゥクトゥクを見る。2人で爆笑する。 なんてひどい奴ら。 ジャイアンはほんとにユニークな男の子だった。

そんなバカ騒ぎをしながらやがて船着場に到着する。
私は1艘の船にたった1人で乗る。そして、運転するのはまだ中学生になるのだろうか?本当に幼い少年Fだった。けして小さい船ではない。その船を一生懸命1本の竹で操りエンジンをかけ、舵を回すのだ・・・圧巻だった。
「Fはどこに住んでいるの?」「僕はここ。一人で住んでいるの。家族はいないよ。」・・・言葉が出てこない。
濁った湖は何が沈んでいるか全然わからない。お願いですから、Fのこのけして立派じゃない船がいつまでもいつまでも壊れないように、神さまお願いします。Fがいつまでも元気で船を運転できますように・・・心の中で祈った。
沖にでて辺りを眺める。 青空がどこまでも続き、一面が茶色の水で覆われる。ここは海の上なんじゃないか?そう思うほど壮大な湖。
「泳ぐ?」「いや。遠慮しまーす。」この質問マジなのか??一瞬戸惑う。彼は全然ふざけた様子じゃないんだもん。

自分がこんなに悲しむのが申し訳なくも感じる。 チップを渡し「元気でいてね」とお別れする。いつか又会えますように。


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