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【国内感染】新型コロナ 9人死亡 4万6199人感染 3日連続最多20日は午後8時30分までに全国で4万6199人の感染が発表され、3日連続で過去最多を更新しました。また、三重県で1人、兵庫県で1人、大阪府で1人、奈良県で1人、岐阜県で1人、熊本県で1人、石川県で1人、神奈川県で1人、福岡県で1人の合わせて9人の死亡の発表がありました。国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め202万5848人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて202万6560人となっています。亡くなった人は、国内で感染が確認された人が1万8470人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万8483人です。転載元:NHK NEWS WEB 2022年1月20日死者数だけでは比較できない 新型コロナとインフルエンザの違い 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは、どちらもウイルスを介した呼吸器感染症で初期症状も似ているためか、よく比較されます。2020年初頭、まだ中国の武漢から断片的な情報しかなかったころは、新型コロナはインフルエンザ程度の感染症ではないか、という楽観論もありました。武漢での致死率(感染者中の死亡者の割合)は高かったのですが、重症例の感染だけが診断される一方で軽症例は診断されないまま見逃されていたと考えれば矛盾はしません。 しかし、ほぼ全例が検査されているダイヤモンド・プリンセス号でも新型コロナの致死率は2%ほどでした。季節性インフルエンザの致死率は、いろんな推計がありますが、ざっと0.1%ほどです。ダイヤモンド・プリンセス号の患者さんに高齢者が多かったことを差し引いても、新型コロナの致死率がインフルエンザよりも高いことが明らかになりました。 新型コロナの公衆衛生に与えるインパクトは皆さまよくご承知のことだと思います。今は新型コロナの流行は落ち着いていますが、第5波では重症化しても入院できず自宅療養せざるを得ない患者さんが出るほどでした。季節性インフルエンザでは流行のピーク時でもこのような医療需要の逼迫(ひっぱく)は起こりません。 「新型コロナはただの風邪だ。インフルエンザよりもたいしたことない病気だ」と主張している人も一部にいます。その根拠の一つが「季節性インフルエンザでも毎年数千人から1万人が亡くなっていた」というものです。日本の新型コロナの累計死亡者数は現時点で1万8千人ほどで、昨年の春からの数字だと考えると、毎年のインフルエンザの死亡者数とそれほど変わらないように見えるかもしれません。 しかし、単純に死亡者数を比較するには条件が違いすぎます。例年のインフルエンザによる死亡の多くは高齢者、それもかなり弱った方々によるものです。若くて健康な人でもインフルエンザで重症の肺炎や脳炎を起こし死亡することはありますが、きわめてまれで新型コロナよりずっと確率は小さいです。 また、病原性だけではなく感染力も新型コロナのほうが高いです。昨年の春から現在にかけて、数回の緊急事態宣言をはじめとして強い感染対策を行ってきました。その間、季節性インフルエンザはほとんど流行していません。にもかかわらず、新型コロナはピーク時には医療の逼迫が起きるほど流行しました。 新型コロナの病原性を過小評価したい動機には、経済的なダメージが大きい緊急事態宣言が本当に必要だったのか、いまでも自粛を続けなければならないのかについての疑問があるようです。経済的なダメージでも人は死にますので強い自粛の必要性について批判的に検証する必要はあるでしょう。ただ、それはあくまでも新型コロナの感染力や病原性についても正確に評価した上でのことです。 新型コロナの感染力や病原性が高い理由の一つは、集団の中で免疫を持つ人がいなかったからです。いまでは、ワクチン接種が進み、または自然に感染して免疫を持つ人も増えました。また、効果的な治療薬も利用できるようになってきました。将来、新型コロナはインフルエンザと同じような感染症に変化していくかもしれません。(酒井健司)転載元:朝日新聞デジタル 2021年11月29日Q2. 過去におこったインフルエンザ・パンデミックにはどのようなものがありますか?○ スペインインフルエンザ(1918-1919) 第一次世界大戦中の1918年に始まったスペインインフルエンザのパンデミック(俗に「スペインかぜ」と呼ばれる)は、被害の大きさできわだっています。世界的な患者数、死亡者数についての推定は難しいのですが、患者数は世界人口の25-30%(WHO)、あるいは、世界人口の3分の1(Frost WH,1920)、約5億人(Clark E.1942.)で、致死率(感染して病気になった場合に死亡する確率)は2.5%以上(Marks G, Beatty WK, 1976; Rosenau MJ, Last JM, 1980.)、死亡者数は全世界で4,000万人(WHO)、5,000万人(Crosby A, 1989; Patterson KD, Pyle GF, 1991; Johnson NPAS, Mueller J, 2002.)、一説には1億人(Johnson NPAS, Mueller J, 2002.)ともいわれています。日本の内務省統計では日本で約2300万人の患者と約38万人の死亡者が出たと報告されていますが、歴史人口学的手法を用いた死亡45万人(速水、2006.)という推計もあります。転載元:感染症情報センタ―・パンデミックQ&A