カテゴリ:看護
7月10日(日)奈良県のホスピスとがん医療をすすめる会主催のホスピス講演会に行きました。
「余命18日をどう生きるか ~絆のなかで自分らしさを~」 淀川キリスト教病院ホスピス主任看護課長 がん看護専門看護師 田村恵子さんのお話です。今年もすすめる会の会長さんから、会報に載せる講演会の感想を依頼されたので、書いています 講演会では、思いがけずに1年生の学生が二人、声をかけてくれました。NHKのプロフェッショナルをみて田村さんを知ったとのこと。緩和ケアにも興味があると話すので、嬉しくなりました。 3年生にも講演会に来れなかった学生にもシェアしたいので、途中までをブログにアップします。つづきは、また明日にアップできるように頑張って書きますね。 講演会のアウトラインは、「がん医療における緩和ケアとは?」と、「死に向かう人を支える」でした。今日は、まず、「がん医療における緩和ケアとは?」について書きます。 2007年4月にがん対策基本法ができ、がんの早期発見と治療の均てん化、患者の自己決定を促すことが国策として行われるようになりました。治療の初期段階からの緩和ケアの実施と放射線、化学療法の推進、これを専門的に行う医療者の育成は、全ての患者、家族の安心であり、死亡率の低下や苦痛の緩和、QOLの向上になります。二人に一人ががんになります。他人の問題ではなく、私の問題として考えてゆかなくてはなりません。 緩和ケアは、WHOで、1989年に治癒を目指した治療が有効でなくなった人を対象にしていましたが、2002年には、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族のQOLを改善するアプロ-チと緩和ケアの定義をしています。 ホスピスとは、「親切であたたかくもてなすこと」を意味しており、近代社会において、ホスピスは、「自分の死に直面するという最も難しい旅において患者の安全を守り、安楽を提供する」特別なケアの理念を意味しています。(Shirley Ann Smith:Hospice Concepts) 「がんを治すための治療が難しい」その時に余命の長さかQOLのどちらかを選択しなければならなくなった時、何を大事にしたいのかよく考えておく必要があります。 清水哲郎氏(東京大学大学院人文社会系研究科)の臨床倫理の考え方 ・苦しくてもより長く=延命優先→「徒な延命医療」への批判 ・短くても過ごし易く=QOL優先→死期が早まるような治療をどう考えるか 両者は決して延命か死かの違いではなく、死生をめぐる心の中にある価値観の違いであり、延命優先からQOL(緩和)優先を大事にする考え方に変化しています。 がん病変の治療と痛みの治療(全人的苦痛の緩和)は同時に行われるものです。がんと診断されたときから、化学療法の副作用への症状緩和へ緩和ケアチームが関わります。緩和ケア外来通院や緩和ケア病棟に入院、在宅での往診や訪問看護での緩和ケアと継続しています。そして、看取のあとの遺族のためのケアも含まれています。緩和ケアは患者とその家族を支えるケアだからです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月14日 20時25分51秒
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