テーマ:ナイチンゲール(11)
カテゴリ:看護
戴帽式でした。看護学生が入学して、基礎看護の知識、技術、を履修し、これから、臨床に出てゆくパスポートのようなナースキャップを頭に載せて、それぞれがナイチンゲールの『心の灯』をいただいて、新たな決意をもって看護を職業として志すセレモニーです。入学式、卒業式に並び看護教育では、大切にしているセレモニーです。
『心の灯』は、ナイチンゲールがクリミヤ戦争で、傷ついた兵士を看るために暗い病舎を灯したろうそくです。看護学校には、ナイチンゲールの像があります。その手に持っている大きなろうそくから、『心の灯』を戴帽をした看護学生はいただくのです。 日ごろは、ガラスケースの箱入りナイチンゲールさんですが、一年に一度だけ外に出ます。それが、この戴帽式の日です。 新しいナースキャップを頭に載せ、ろうそくを手にした学生が真っ暗な中に一人一人と増えて並んでゆくのは、とても幻想的です。オルガンの生演奏での『ナイチンゲール賛歌』も素敵です。 私の戴帽式は30年以上も前になります。変わらないのは、『ナイチンゲール誓詞』 われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わんーーー わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。 われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、 悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。 われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。 わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、 わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。 われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん。 『ナイチンゲール誓詞』は、1893年、アメリカ・デトロイトの看護婦学校長夫人を委員長とする委員会が、「ヒポクラテスの誓い」にならって作成したものです。ナイチンゲールが実際に言ったものではないのです。 終わりに『ナイチンゲール賛歌』を歌いました。私は、教員になるまで知りませんでした。たぶん、私の戴帽式では歌っていないと思います。讃美歌のようなメロディで、私は二番の歌詞が気に入っています。 愛にうるめる星の下(もと) ああ南欧のフローレンス 優しき乙女ごころこそ 露を帯たる紅薔薇(べにそうび) 蝶よ花よと深窓に 育ちながらも洵情の 看護(みとり)の業を学びては 地には平和よ人に愛 白衣の聖女と仰がれて 齢(よわい)かさねて九十一 世界の範(はん)と葬られ 愛の天使は永劫(とわ)に生く ナースキャップをつけた一年生は、キラキラとしてとても輝いていました。この輝きを曇らせないようにはじめの一歩を踏み出してほしいです。 そんな願いを込めて、野菊を一輪添えてみました。 私の書いた『はじめの一歩』をみんなが一番、目につく階段の踊り場に置かせていただきました。 戴帽式おめでとう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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