5028261 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ちずらぼのちずらぶ

ちずらぼのちずらぶ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

ちずらぼ

ちずらぼ

Calendar

Category

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12

Comments

ガーゴイル@ どこのドイツ 大森駅と東急線の蒲田駅の間の桜プロムナ…
人間辛抱@ Re:広島呉道路無料化の明暗(02/14) テーマから外れてしまいますが、 初めまし…
ガーゴイル@ どこのドイツ 三好寿の調査した比較すると低い方が春帆…
Jeraldanact@ Проститутки метро Звёздная Брат замминистра инфраструктуры Украины…
NBBrett@ От этого источника вы будете в восторге интернет сайт под ключ - https://web-th…

Freepage List

2007.05.09
XML
カテゴリ:GIS
世の中がどんどん便利になっていけばいくほど犠牲になるものもある。

人間は進化の過程で多くの機能(能力)を失ってきた。
もちろん、そのことは必ずしも否定されるものではなく、
むしろそれでこそ現在の人間があり、この世の中が成立しているのである。
ただ、合理性には常に犠牲が伴うというだけの話だ。

ITの登場で地図は大きな進化を遂げた。
現実社会を抽象化することに腐心していた古きよき時代から、
より現実に近いヴィジュアリゼーションが可能になってきた現代。
地図をつくる人間も、そして受け入れる人間も確かに変化している。

GISは地図の進化の象徴であろう。
専門的な解析はもとより、様々なプレゼンテーションが可能になったことで、
人々が地理空間情報を受け入れることはかつてに比べると容易になっている。

しかし反面、失われつつあるのが地図リテラシーではないか。

確かに便利になった。
ロードマップはカーナビゲーションに取って代わり、
電車に乗るにも時刻表を読める必要はなくなり、
駅を降りてから目的地までの道順も含めて携帯電話が案内してくれる。
もはや地図を意識しなくともどこへでも行けるユビキタス社会が保障されている。

こうした(間接的な)地図の需要が増えるほどに、リテラシーは犠牲になっていく。

教育の現場ではさらに深刻だろう。
GISを授業に導入することで生徒たちの地理への興味が高まることが期待できる反面、
自分の頭の中で様々なレイヤを重ね合わせる「脳内GIS」の機能は衰えていくことになる。

もっとも地理教育の本質が定量的空間解析にあるとすれば
地図リテラシーが犠牲になるのは小さな問題なのかもしれないが。。。


では我々地図屋はどうだろう。

GIS、特にユビキタスマップが普及すればするほど、
「地図を読める」人は少なくなってくる可能性がある。
しかし、ユビキタスマップの需要が高まるほどに
地図屋には大きなビジネスチャンスであるとも言えるのである。

こうした現実にどう向き合っていくべきだろうか。


自分はかつて地理学を学んだ。
そこで学んだものは紛れもなく地理学的思考であり、
それは極めて定性的なものであったはずである。
もちろん、その過程で直面する課題をひとつひとつ
定量的に解決していくためのツールとしてのGISが有用であることに疑いはない。

しかし、現在では立場が逆転しているとは言えまいか。

定量的・実証主義的なGISが地理学を凌駕する勢いで空間情報科学を形成している。


もちろん、この結果として地図リテラシーや地理学的思考という
人間本来が持つ優れた能力が退化しなければ杞憂に終わるのだが。。。


「クリティカルGIS」などという言葉が妙に新鮮に聞こえる今日この頃である。



          








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.05.10 00:53:34
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.