2063258 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【ログイン】

ちずらぼのちずらぶ

PR

Rakuten Profile


ちずらぼさん

ライター。地図のこと色々。ツイッター:@chizulabo

フォローする


■ 趣味・関心キーワード
地図  地理  防災  減災 

Calendar

Category

Archives

Comments

ちずらぼ@ Re[1]:ミサイルの軌道を示す地図の問題(08/29) せがわさんへ ご指摘ありがとうございます…
せがわ@ Re:ミサイルの軌道を示す地図の問題(08/29) スマホの地図が一般的になったとはいえ、…
ちずらぼ@ Re[1]:「津航路」(津―中部空港)の利用客が増加(05/24) APA津沢さん ありがとうございます。 霞ヶ…
APA津沢@ Re:「津航路」(津―中部空港)の利用客が増加(05/24) ちずらぼさん、こんばんは。 地図を眺める…
ちずらぼ@ Re[1]:京王線の個性(02/27) takagawaさん ありがとうございます!

Freepage List

2012.03.29
XML
カテゴリ:災害・防災
午後から首都大学東京で行われた日本地理学会公開シンポジウム「東日本大震災と地理学~ハザードマップを再考する~」を聴講。
東日本大震災関連の地理学会の提言的なものがまとまる期待感もあり、会場は立ち見が出る状況。

まずはオーガナイザーの趣旨説明として専修大熊木さんの話。
ハザードマップ作成.・利用の問題点、事後対応も含めたマッピングの意義がひとつのテーマ。

続いて国土地理院の宇根さん。
我孫子市布佐など内陸部の液状化被害とかつての沼地の一致が見られてにもかかわらず、液状化予測図には反映されていなかった点を指摘。
液状化予測図のソースは地形分類図。盛土の読み替えに問題あり。
メッシュの分解能の問題にも言及して、「地域のリアリティを失わせる」結果とした。

地形分類図を読み替えて単純化した際に、盛土地を切土と一色単に「人工改変地」としてしまったことで対象外になった。
これはちょっと信じ難い事実。

山形大村山さん。仙台市の丘陵造成地の盛土部の被害と復旧支援。
盛土分布図を作ればハザードマップ的に使えたのではないか。
この問題は何度となく指摘されながらなかなか改善されない。
丘陵地の新興住宅地では谷埋盛土の問題が全国にあり、状況の把握と公開は急務だろう。

東北学院大宮城さん。
自らも津波で被災、何とか近くのマンションに駆け上がって難を逃れたそうだ。
助かったのは運、そして地域を知っていたこと、というのが宮城さんの認識。

自主防災組織の取組についても紹介した。
GISによる対話型の防災地図作り、そして訓練を行っていたことで、防災マップ自体は限界も露呈したが、想定にとらわれない適切な避難で地域の方は全員助かった。
マップを作っていない地区では犠牲もあったという。
マップ作りが自主的な行動をうながした好例。

これはやはり地域を知ることが重要ということを示唆しており、共助の強みはそこにある。
また、「防災マップを持って逃げた人はいない」とも語ったように、地図化はむしろ地域理解のツールとして有効だった。
GISについては、使い勝手から一般の人には厳しいとも。

そして千葉大近藤さんの放射能汚染と地理学について。
放射能汚染はハザードとして想定しにくく、むしろリスクとどう向き合うのかが重要と指摘。

放射能汚染は空間・時間軸、場の多様性など様々な要素を持ち、多くの研究者が地図化したが、住民との共有はできなかった点を指摘した。
読むべきは土地の性質との関係、環境要素の違いによる影響。空間線量率は土地被覆により不連続に変わる。

放射能汚染マップのカスタマイズの話は興味深かった。
暮らしのスケール=流域単位という考え。
ハザードマップとしての放射能汚染図は地理学の知識による主題の読み替えという認識だという。

埼玉大の谷さんは人文地理学の立場から地図・資料の作成・公開と課題について話した。
地図の作成と公開での参加し、ブログやツイッターから誘導など検索のための効果的な手法も検証する結果になった。
作成する地図は時間と共に変化するという指摘も。

休憩をはさんで国際航業塚本さんから、ハザードマップ作成に携わる立場からのコメントがあった。
ハザードマップが合わない理由は想定規模の違いももちろんだが、現地の条件の捉え方もあるとのこと。
住民にいかに意味を伝えるかが重要とも。

衝撃的だったのは我孫子市の液状化について、古いハザードマップは当たっていたということ。
当時はマニュアルはなく、技術と経験で作っていた。
マニュアル化の弊害の典型例だろう。

続いて名古屋大鈴木さんのコメントがあった。
想定外には未知、非想定、未周知があり、昨年の震災は非想定というのにはうなづいた。
今後は予測水準と責任を明確化すべきとも。
レベル2(低頻度・国際規模災害)への対応の中で地理学の役割は重要としめた。

その後の総合討論では絶え間なく意見が出された。
学会内部では提言をまとめて地理学の重要性をアピールすることが重要とする一方、静岡大の牛山さんが述べた「提言だけで世の中はうごかない。組織として、必要とされる研究分野にならなければならない。」という言葉に説得力があった。

ハザードマップの分解能を高めるべき、との話も出たが、個人的にはこれには反対。
分解能が高まればむしろ現在以上に曲解の可能性も高まるのでは。
ハザードマップの目的はピンポイントで当てることではない。

内容的には中身が詰まったシンポジウムだったと思うが、今後の課題をどう克服するのかというあたりは方向性は見えなかった印象が残った。

http://togetter.com/li/279979






Last updated  2012.03.29 01:48:34
コメント(0) | コメントを書く

Copyright (c) 1997-2017 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.