4940740 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ちずらぼのちずらぶ

ちずらぼのちずらぶ

PR

Profile

ちずらぼ

ちずらぼ

Calendar

Category

Archives

2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08

Comments

ガーゴイル@ どこのドイツ 大森駅と東急線の蒲田駅の間の桜プロムナ…
人間辛抱@ Re:広島呉道路無料化の明暗(02/14) テーマから外れてしまいますが、 初めまし…
ガーゴイル@ どこのドイツ 三好寿の調査した比較すると低い方が春帆…
Jeraldanact@ Проститутки метро Звёздная Брат замминистра инфраструктуры Украины…
NBBrett@ От этого источника вы будете в восторге интернет сайт под ключ - https://web-th…

Freepage List

2012.08.24
XML
カテゴリ:災害・防災
日本国際地図学会でのシンポジウム「減災のための地図のあり方を考える」が終了。

まずは進行の不敵際をお詫びしなければならない。
運営との事前の打合せ不足によりタイムキーパーが不在となり、結果的に進行が乱れ、ディスカッションがほとんどできなかったこと、大変申し訳ありませんでした。

パネリストの皆さんの話そのものはどれも素晴らしく、勉強になるものばかりだった。

静大防災センター・牛山さんの話は分かりやすい上、データに基づいた説得力も十分で、ハザードマップも含めて「わかりやすい防災」が必ずしも被害軽減に直結しないことを示した。

直接的効果の高いハード防災に比べて、ソフト防災は仕組みが完成してもそれを「理解・利用」するという利用者にとっての不可があって初めて成り立つという難しさは大いに共感させられるものだった。
理想論に終始しないリアルな防災の現実は普段なかなか知ることが出来ないもので、現在の防災に対する風刺も散りばめられており、勉強させてもらいつつ、しっかり反省もさせられたような。

横浜市政策支援センター・石黒さんの話は横浜市の戦災、そして関東大震災の際の被害状況を地図を使って分かりやすく示した。
特に関東大震災の火災の延焼状況や熱旋風の発生状況など、3次元GISで時系列で見せる手法は圧巻だった。

時間とともに風向きが変る様子は、今後の災害発生時にも十分に起こり得ること。
そして、全体の火災が一旦沈静化してから熱旋風が発生しているのも初めて知った。
また、軍事的な理由で地図が欠けている部分などを見ると、戦時体制下の災害については、完全な履歴を再現することの難しさも感じさせた。

防災科研・井口さんの話は、まさに既往災害履歴の重要性を示してくれた。
ご自身のライフワークともいうべき地すべり地形分布図の話はもちろん、既往斜面災害DBや災害事例DBなど、過去の災害のアーカイブ化はいずれも大変な労力がかかる取り組みだけに、まさに防災科研ならでは。
牛山さんが言われた「きちんと整備しても使う人は少数」という現実を受け止めつつ、使うべき人がしっかりと使うことで効果を生み出したい。

日建設計・羽鳥さんの「逃げ地図」はある意味この日の目玉。
地理や地図、地球科学や防災といった分野とは一見無縁の世界から、地図をツールとして減災のための街づくりの提案するアプローチは、斬新かつ分かりやすいもの。
地図による視覚化は住民の合意形成のステージでは非常に実践的な手法といえる。

ワークショップによりみんなで考える街づくり、そして避難のあり方。
他のソフト防災の前提となる街づくりが可能になるだけに、今後東日本大震災の被災地での復興へ大きく貢献する技術であると思う。

ディスカッションの時間が足りなかったので、パネリストの皆さんには懇親会でも色々と話を聞かせてもらった。
GISばかりでなく、地図への造詣が深い石黒さんはもちろん、牛山さんも実は大変な地図オタクであったり、意外な一面も知ることができた。
井口さんや羽鳥さんはツイッターを通じて参加をお願いするなど、日常的にオンラインでのやりとりをしながらお互いの考え方を知り、シンポジウムにつなげることができたのはこれまでになかったことだ。

今回のシンポジウムは地図学会にとっても(パネリストにとっても?)唐突感があったとは思っている。
地図学会の会員の皆さんには、今日のパネリストの話をどうしても聴いて欲しかったし、パネリストの皆さんには地図学会やカートグラフィーそのもののアイデンティティを知って欲しかった。
なので(進行の不手際以外にも)色々と違和感はあったかも知れないが、これは一つの実験であり、今後へ向けてのトリガーだと考えている。

また次のステップへとつなげていければいい。
そしてつなげていかなければならないだろう。






Last updated  2012.08.24 01:39:00
コメント(2) | コメントを書く
[災害・防災] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.