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2014.09.25
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カテゴリ:災害記録帳
1974年(昭和49年)8月31日から9月1日にかけて、台風16号の接近に伴い、関東地方は激しい雨に見舞われた。上流域の集中豪雨で多摩川が増水し、狛江市で堤防が決壊、19戸の民家が濁流に飲まれた。いわゆる多摩川水害(狛江水害)だ。


暴れ川だった多摩川

現在の姿からは想像がつかないが、多摩川は古くから暴れ川として知られる。
河川延長が138kmと短いにも関わらず、水源の標高が1953mと高く、勾配が急であるため、古くから氾濫が絶えなかった。洪水の度に流路は変わり、沿岸にあった村が川により隔てられてしまうことも珍しくなかった。
現在に近い流路になったのは1590年の大洪水といわれており、その際に分断された丸子や等々力、野毛、瀬田、宇奈根、布田、押立、石田といった村々は、その後堤防の整備が行われてそれぞれ別の市町村に取り込まれてしまう。その名残が現在では川を挟んだ両側に同地名が残されている。

東京都大田区に「下丸子」があるのに対して、川崎市中原区に「中丸子」「上丸子」、同じく大田区と中原区のどちらにも「等々力」がある。東京都世田谷区と川崎市高津区には「宇奈根」があり、世田谷区に野毛・上野毛があるのに対して高津区に下野毛がある。「瀬田」が世田谷区と高津区にある他、「中和泉」「元和泉」「東和泉」が世田谷区に、和泉が川崎市多摩区にある。「布田」は東京都調布市と川崎市多摩区に、「押立町」は東京都府中市と稲城しに、「石田」は国立市と日野市にある。いずれも川を挟んだ同地名で、多摩川の暴れ川時代の名残ともいえる。

多摩川は江戸時代以降も何度となく堤防を決壊させ、氾濫を繰り返してきた。1910年(明治43年)の関東大水害では多摩川も未曾有の被害に見舞われ、1913年(大正2年)にも氾濫すると住民の陳情を受けて河川改修が始まる。しかし改修後も1947年(昭和22年)、1949年(昭和24年)と度々決壊は繰り返されていた。


流失するマイホーム

8月31日から多摩川上流は記録的な豪雨となり、多摩川は増水を続けた。狛江市では9月1日の「防災の日」に予定していた防災訓練を天候悪化で中止にしたが、まさか予定されていた訓練が実戦になるとは予想していなかっただろう。

9月1日には多摩川は警戒水位を越え、多くの市民がこの様子を見に集まっていた。狛江市では河川敷内にある施設の撤去を行った。
昼頃、二ヶ領宿河原堰左岸河川敷にあった堰堤取付部の小堤防が決壊する。この堤防は、古い堤防を補強しただけのもので、強度が足りなかったとされる。木流しや土のう積みなど市職員、消防署、消防団の人力による水防活動が懸命に行われたものの、この破堤をきっかけに激しい迂回流が発生、夜には本堤防が数百mにわたってえぐり取られ、住宅地に濁流が流れ込んだ。

2日未明には民家がついに倒壊、2軒、3軒と濁流にのみ込まれ、最終的には19戸が流失する。その模様はテレビで中継されており、全国の人が目の当たりにすることとなった。

被害拡大を食い止めるため狛江市は自衛隊の派遣を要請する。自衛隊は本流の流れを遮っている堰堤の爆破を試みたが、付近の民家のガラス窓を損傷しただけで堰堤はびくともせず失敗。4日になって建設省(現国土交通省)が堰堤中央部の爆破に成功したことで、破壊口に流量をり向けながら、ようやく迂回流の締め切り作業が行われた。

toki20.gif
<決壊当時の様子(狛江市HPより)>

komae.jpg
<決壊前後の地形図。左が昭和42年、右は昭和51年(今昔マップon the webより)>


水害の傷跡

堤防の復旧後、国は流失した住宅地を補修し、爆発時に生じた二次災害の補償は行ったものの、流失家屋などについては補償の対象とはならなかった。このため被災住民は、多摩川を管理する国に対し、国家賠償を求めて提訴する。
この狛江水害訴訟は1976年(昭和51年)から1992年(平成4年)まで16年間にわたって争われ、一審から差戻し控訴審まで計4回判決が出された。最終的には、管理者が予見可能であったのに対策を講じなかった人災であるとし、国に5億9000万円余りの損害賠償を求める判決が確定した。

この災害で家のほかにアルバムを失ったことがショックだったという被災住民の話から脚本家山田太一が、「岸辺のアルバム」を新聞に連載し、1977年(昭和52年)にはテレビドラマ化された。ドラマの最終回は洪水によって家が流される報道映像で終わっている。

多摩川の破堤はこの1974年多摩川水害以降起こっていない。しかし堤防は常に私たちを守ってくれるわけではない。
現在、当時最初に決壊した堤防の跡には「多摩川決壊の碑」が建てられている。
あれから40年、住民の世代交代も進む中で碑の意味はいったいどれだけ伝わっているのだろうか。

picture278.jpg
<多摩川決壊の碑(多摩川散歩より)>

komae2.jpg
komae3.jpg
<決壊後(上)と現在(下)の空中写真(地理院地図より)>





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Last updated  2016.03.06 14:27:23
コメント(16) | コメントを書く


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Re:1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   ウーテイス さん
強烈な記憶でした。近くに住んでいました。35歳でした。決壊場所は散歩コースでした。家が流される様子は、テレビで見て川沿いの危険さ認識しました。台風の後は、子供と岸辺て鯉を掬いにいきました、流の緩い場所に、鯉も避難しているのでした。。。。
30年間近く住んでいた多摩市でした。自然災害の多い国が日本ですね、残念ですが。。。。、
●丁寧な記事に頭が下がりました、感謝いたします。

まだ他に書きたいことがありますが、関連です。
浅間山の爆発と、水害 くい止めるために、竜神を宥める為に少女が犠牲に捧げられた。江戸時代。
その少女は身内が居なかった。
その詳しい動画があります。
現代に少女は転生してきて、40代後半、退行催眠で、前世を思い出して、失神状態になる。。。。
強烈でした。ツマリ人は転生する事実。
そのお方は、主婦でしたが。過去の少女は、現代でも女に生まれ変わってきたんですね。。。。

生まれ変わりの、証拠の一部と見てよいように思います。。。。

人生は一回生じゃないんですね。

余計な話でした。。。。
今朝のブログネタに します。。。。

写真の一部お借りしてよろしいでしょうか?
この記事は 紹介させて頂きます。。。’’’’
。 (2015.07.11 06:09:21)

Re:1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   daimoto1 さん
当時のことは鮮明に覚えています。
僕は川崎市多摩区(現場の対岸)に住んでおり、当時4歳でした。親父が言うには「堰を爆破したコンクリの粒が降ってきた」そうです(僕の記憶にはありませんが)。
対岸で次々と家が土台ごと流されていくのを僕ら野次馬たちは言葉もなくただ見守るだけでした。
家を新築したばかりだった親父は他人事とは思えなかったはずです(単なる野次馬根性で子連れで見に行ったのではない…と信じたい)。
その家も立派なボロ家に成り下がり、建て直し中。時の流れを感じずにはいられません。

(2015.07.11 08:09:46)

Re[1]:1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   ちずらぼ さん
ウーテイスさん
コメントありがとうございます。
そうですか、お近くでしたか…私は当時小学6年生で、テレビの画面を食い入るように見ていたのを覚えています。
母の実家が四国だったので台風のすさまじさは知っていましたが、テレビ中継とはいえ災害の過酷さを初めて目の当たりにした場面でした。
自然への生贄みたいなことが昔の災害ではありました。
今は科学の時代ですが、本来あるべき「自然への畏れ」が失われていることは危惧しています。
ブログのご紹介ありがとうございます。写真は私も借りものですので出典が明記されていれば問題ないと思います。
今後ともよろしくお願いします。 (2015.07.11 11:02:55)

Re[1]:1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   ちずらぼ さん
daimoto1さん
ありがとうございます。
「堰を爆破したコンクリの粒が降ってきた」というのは貴重な証言ですね。
この水害は治水のための堰が災いした例ですが、こういったことは今後も起こり得る話です。
現場となった場所は今も住宅が建ち並んでいますね。
堤防をはじめ治水の技術は進んでいますが、それでも自然が本気を出せばひとたまりもないことは東日本大震災からも明らかです。
ご指摘のように月日は流れ、若い人は多摩川水害のことを知らないと思います。
過去にこの場所、特に身近な多摩川でこういう水害があった(つまりまた起こり得る)ということを認識しておくことが重要かも知れません。 (2015.07.11 11:08:20)

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Re:【災害記録帳】1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   狛江のトム さん
記述の「中和泉」「元和泉」「東和泉」は狛江市です (2021.02.06 23:53:42)

Re:【災害記録帳】1974年多摩川水害~目の前で濁流に飲まれたマイホーム~(09/25)   YUNO(ゆの) さん
テレビドラマ「岸辺のアルバム」についてです。最終回は洪水によって家が流される報道映像で終わり、ではありませんでした。
家が流されるシーンは1時間あった最終回のちょうど中間あたりで、後半の30分間は家を流された後の家族の様子が描かれていました。
なにしろ昔のことで、同様の誤解がだいぶ広まっているようなので、訂正させていただきました。 (2021.06.08 07:48:07)


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