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2016.02.13
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カテゴリ:交通
東京大学駒場第2キャンパスで開催された「交通ジオメディアサミット~IT×公共交通 2020年とその先の未来を考える~」を聴講してきた。
今「きている」テーマでもあり、人選も素晴らしかった。加えて全体構成や最後のディスカッションへの繋ぎ方も見事。加えて会場は超満員。まずは会を企画し、仕切った東京大学の伊藤昌毅先生に敬意を表したい。

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会はまずその伊藤先生の趣旨説明から始まった。
もともと交通とITはマルスやICカードなど古くから縁があるが、スマホとビッグデータの時代になってさらなる社会貢献ができるのではないかという論旨。「いつか黒船が来る」として、Uberの次にバス革命が起きると予測した。

続いて国土交通省政策局公共交通政策部の吉木務氏による「公共交通政策とITの活用」。
いわゆる概論。地方の公共交通は危機的状況に触れ、コミュニティバスの台頭やインバウンド政策の状況等について報告し、ITの公共交通への関与への期待を示した。
とりわけ検索においてバス路線が弱いことから、ベーシックな情報も含めてバスの情報を上手く流す事の必要性を訴えた。

JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所の日高洋祐氏は「JR東日本におけるスマートフォン向け情報提供サービスの研究開発 ~リアルタイム列車位置情報、駅構内ナビゲーションシステム、公共交通連携~」と題して、人気の高い「JR東日本アプリ」開発の経緯や、リアルタイム列車位置情報の利用やその情報構造などを解説。ビーコンによる駅構内ナビへの取組など今後の展望にも触れ、公共交通情報連携の重要性やクラウド決済システムによるマルチモーダルな情報システム等の必要性について持論を展開した。

バイタルリードの森山昌幸氏は島根からの参加。「地方公共交通再生に向けた3つの見える化」と題して、利用促進につながる情報提供のあり方を示した。
森山氏は電話帳データからメッシュデータを作って、人口分布と路線のミスマッチ等について分析を行っている。
今後の対策を考える上で、乗降調査がほとんどなされていない現状をへの危機感と常時計測が必要性を訴え、地方においえてバスに代わる選択肢としてタクシーの利用(とりわけ観光2次交通にタクシーを活用する件)を提示し、そのマッチングのためにもITの活用が不可欠という見方を示した。

ここで飛び入り。
バスの世界でその名を知られる、宇野バスのバスロケで採用されているダイヤ編成支援システム「その筋屋」の中の人。素晴らしかった。ぐうの音も出ない。この内容にしてフリーウェア?しかもサクサク動く。
マニアもよろこぶ車両番号での検索も可能という。バスロケはタブレットのカメラを利用することで画像を蓄積して、遅延原因も観測することもできる。などなど。いやはや凄い。

この後はコンテンツプロバイダー(以下CP)の講演が続いた。普段はライバル関係にある企業が顔を揃える貴重な機会でもあった(今回は駅探が参加していないのが残念だったが)。

まずはジョルダンの井上佳国氏の「誰もが使う「乗換案内」というツールと“バス検索の歩み”と未来像」。
バスはメディアであり、社会の縮図であるとした上で、徹底したデータ収集にこだわる同社の展開を説明した。
バスをめぐる現状の課題への同社の方向性として、統一されていない提供資料と頻繁な改正への対応や入力させない検索をめざす姿勢を見せた。

ヴァル研究所の諸星賢治氏は、「駅すぱあと」における路線バスデータの現状と、公共交通データがオープン化された未来について語った。
その中でバス検索について、全国網羅したいがたぶん不可能である点について、バス事業者視点からは現状モデルでは手間をかけてCPに対応、質問と回答への負荷の大きさ、利用者視点では情報が網羅的でないことを理由であるとし、 バス情報のオープンデータ化が解決策になるという見方を示し、同社がデータのオープン化に全面協力することを宣言した。

ナビタイムの太田恒平氏は「データが明かす公共交通の実態」として、同社が手掛けるビッグデータによる公共交通の現状分析を行った。
金曜深夜は電車がいつも遅延していることを例に、時間変動が事前に読めていることから混雑予報の可能性を示した他、訪日外国人の動きから、大ターミナル以外でも結節点が見える点を指摘し、事業者間でバラバラになっている駅名の統一などを具体的な対策として例示した。
また、検索において第一経路に選ばれると利用者が増えることから公共交通におけるITの有効性を示し、成功事例を作って測定・共有・標準化する方向性が必要であるとした。

その後は公共交通を支えるコミュニティの話へと流れる。

Code for Japanの関治之氏はとシビックテックによる地域の課題解決について話した。
東京メトロのハッカソンの事例にあるように、データがあればアプリを作りたい人は多いことから、バスのデータをオープンデータにすることを訴え、そのためにもGTFSを標準とするデータフォーマットの統一や、オープンなコミュニティをつくっていくことの重要性を述べた。

関氏の話を受けて主催者の伊藤先生が飛び入りでオープントランジットについて説明した。
オープンデータとして出している自治体はそれなりにあるが、それをどう使うのかが課題である点を示し、Webを通して時刻表を入力→GTFS配信(中身はcsvファイル)の仕組みや、作成されたデータがGoogle等を通じて世界で使われるメリットを強調、バスロケ・リアルタイムデータの発信など様々な可能性について持論を述べた。

青い森ウェブ工房の福田匡彦氏は、自ら運営する「バス停検索」の開発・運用とそこに集う公共交通データ整備コミュニティについて話した。
「バス停検索」は地図やGPSによる位置情報からでもバス停が探せる点で非常に優れた仕組みだが、有志が少しずつ更新しているためメンテナンスが追いつかない現状を訴え、効率のためにバス停のIDやURLを共有できないのかという疑問を示した。

公共交通利用促進ネットワークの伊藤浩之氏は、「路線図ドットコムが挑み続けた公共交通データの収集と整備の19年」として、ボランティアベースで運営する路線図ドットコムを通じて見えている課題を解説した。
まずはバスデータの整備がなぜ大変なのかという素朴な疑問に対して、「総規模バス会社でも大手鉄道以上のデータ量」「多頻度なダイヤ改正」「バス会社は少数精鋭の担当者が複雑な事務作業をこなす」「ダイヤ編成支援システムが高額(今までは)」といった理由を明示した上で「データはない」と言われるが実際にはある。そこが出てこないところが難しいという独自の見解を示した。また、データ作成が非効率な要因としては「フォーマットの問題」と「バス会社が提供できるデータを保持していない」という点を挙げた。
また、デジタルデータ化に向けては、「基本的な案内(パンフ等)とITによる案内やモビリティマネジメントは両輪であり、どちらも充実しなければだめ」として、運行現場も含めてそれぞれの間での表記の統一やヒットしやすい名称の採用など、ITだけにとどまらない対応が必要であるとした。
この伊藤氏の話は利用者側の立場も事業者側の立場も分かった上での提示で、非常に具体的で意義のあるものであったと感じた。

ディスカッションに入る前に、名古屋大の河口信夫先生が乱入(笑)。この日話し合われていたことを形にした組織であるLisraを運営しているが必ずしも思い通りに行っていない点を踏まえた指摘がなされた。
河口先生はLisraには交通事業者が入ってこなかった点、無償で有償サービスの乗り換え案内と戦ってはいけない点、立ち上げるより維持することが難しく、お金を出さないと実際に続いていくものはつくれない点などを示した。
辛口な指摘だったが、河口先生の論旨からは「本気でやろうぜ」という熱量が感じられてなかなかよかった。

その後のディスカッションも有意義だった。全ての議論は追えないので以下は個人的に感じたこと。

個人的に思ったこととしては、最初に吉木氏が地方公共交通の窮状を訴えた上でのIT活用の口火を切ったにも関わらず、全体の議論が都市の視点で進んでしまった印象がある。
テーマはサービスであり、ユーザー目線になるとどうしても都市の事情が勝ってしまうのは仕方がない(これはIT全般にいえることだが)が、ITがどうやって地方の窮状を救うのかという点にもっとフォーカスしてもよかったのではないかと感じた。

また、全体の論調としてオープンデータ化が強調されているのはよかったのだが、議論がオープン化の手法にやや偏ってしまった感がある。オープンになったデータをどう使っていくのかという点についてはもっと掘り下げてもよかったのかなとも思った。特にそこからどんなビジネスにつなげていくのかは多くの人が興味のあるところ。

また、全体としてボランティアベースの話が多く、データビジネスを否定するような空気があるのも感じた。やはりオープンと無償は別問題として論じたいところ。無償はユーザーにとってありがたいことだが、そのビジネスで生計を立てている人たちも世の中にはたくさんいる。競争はあるべきだが、ビジネスが無償サービスと競争するのは健全ではない。このあたりはCPの本音も聞きたかった。

ともあれ有意義なシンポだった。バス事業者さんが入ればなおよかったけどそれは次回への布石と考えたい。
是非続編、というよりも継続的な議論をお願いできればありがたいところ。

なお、まとめサイトができているのでディスカッションの内容等はこちらでチェックを。

ちなみに懇親会に出られなかったのが心残りです(笑)






Last updated  2016.06.10 11:13:11
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