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2016/06/15(水)02:58

測量・地理空間情報イノベーション大会

測量(174)

日本測量協会が主催する測量・地理空間情報イノベーション大会で東京大学伊藤国際学術研究センターへ。 測量のイベントといえばかつては全国測量技術大会/測量・設計システム展があったが、G空間EXPOに置き換わったため、いわゆる測量業界挙げてのイベントというのはなくなっていて、昨年から行われるようになった(一昨年プレ大会はあったが)測量・地理空間情報イノベーション大会が、開催方式は微妙に違うものの、これにかわるようなイベントとして定着していきそうだ。 大会は14・15日の2日間行われ、この日はその初日。 今年から全国9会場でのweb参加も実施している。 メイン会場は主催者である日本測量協会の矢口会長と後援の国土地理院の村上参事官の後、セッション「これからの測量・地理空間情報のビジネス動向を知る」を聴講した。 まずはヤフーの廣瀬典和氏から「Yahoo!カーナビの方向性と利活用について」の話。 色々な意味でカーナビの常識を覆したヤフーカーナビの経緯やさまざまな機能・サービスの説明から、プローブを活用した新たな取組、さらには今後のマネタイズ展開まで分かりやすく話した。 続いてグーグルの丸山智康氏から「グーグルマップを活用した位置情報アプリケーションの最前線」というタイトルで話があった。 航測業界出身の丸山氏らしく、測量会社とグーグルの仕事の違いなど興味深い話題を散りばめつつ、グーグルマップを活用した位置情報アプリが複数のAPIの組合せで動いている点などを説明した。 その後はポスターセッションに移動。 ポスターは61件と非常に多く、いわゆる製品展示ばかりでなく、最近の各社の技術動向の紹介もあってバラエティに富む。 UAV関連やMMS関連が特に目についたが、全体として高い技術力を売りにしている点が測量業界らしい印象。 午後一番は基調講演で、防災科研の林春男理事長の「レジリエンスの向上をめざした新しい防災の推進」。 災害を予防するだけでなく、災害からの回復力も合わせて考えるレジリエンスモデルの重要性を中心に、より「現実的」な災害対応のあり方を説いた。 話の巧みな林先生らしく分かりやすい流れだった。 その後は自分の講演もあったのでギャラリー1でのセッション「外部から見た測量技術者のあるべき姿を聞く」へ移動。 まずは自分が「GIS専門誌の編集者から見た測量技術者への期待」について話した。 拙い話で恐縮だったが、測量と社会の関心をどう繋ぐかという点について、積極的なテクニカルコミュニケーションにより測量技術者が声を上げることについてお願いした。 続いて日刊建設通信社の田嶋千文氏から「業界紙の女性記者から見た測量業界の役割」。 防災において、測量業界が周辺業界や各学会も含めた横断的な協力体制をもって対応することの重要性について説いたほか、女性技術者に対して配慮しすぎることで意欲を削いでしまわないような環境の構築を訴えた。 建通新聞社の脇坂章博氏は「測量技術者が果たすべき役割と使命-取材の第一線から見た課題と可能性ー」として、測量技術者の活躍領域を測量技術者自身が広げていくことが不可欠である点を強調し、地理空間情報活用推進基本計画の内容の改善を働きかけることも重要であると強い口調で説いた。 まとめとしてアジア航測の那須充氏が「技術者のあるべき姿に向けて」として、前3人の登壇者の話に応える形で、技術者の現状や方向性を整理した。 その後は懇親会に参加した。 かつては自分の業務領域であった測量業界だが離れてそれなりの時間が経つので、久しぶりに会う方も多く、何とも懐かしい気持ちに浸っていた。

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