地殻変動
国土地理院は、岩手・宮城内陸地震後停電により通信が途絶えていた震央に近い電子基準点「栗駒2」(宮城県栗原市)のデータをヘリコプターにより回収した。回収したデータによると、この電子基準点は約2.1m隆起、南東に約1.5m変動していることが判明した。これは平成6年に日本全国で電子基準点による観測を開始して以来最大の変動量。今回得られた断層面直上の地殻変動は断層面が西傾斜であることを示しており、推定される震源断層モデルは逆断層型。断層運動から導かれるモーメントマグニチュードは約6.9となった。これほどの変動があったことは驚きだ。高さ方向の2.1mは大人の身長よりも高いほどで、地震の持つパワーを改めて思い知らされる。国土地理院では地殻変動が大きかった地域の基準点測量成果(電子基準点21点、三角点2,610点)の公表を停止している。