2012.12.31

2012年のジオ関連ニュースを振り返る

さてさて、大晦日になったので本年最後の記事となります。

なお、この本日の記事はFOSS4G Advent Calendar 2012のエントリとなっております。
技術的な話でないことに加え、内容は必ずしもFOSS4Gに直接関係しないかもですがご容赦を。

大晦日ということで、2012をジオ関連のニュースを拙ブログの記事から振り返ります。

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-1月-

GNSS時代の本格到来
ガーミンがGPS/GLONASS/みちびきの3測位システムに対応する世界初の民生用ハンディGPSを1/27に発売。GLONASSやみちびき、さらにはEUのガリレオや中国の北斗など測位衛星は多様化しており、GNSS時代の本格到来を告げる出来事。

-3月-

Google Maps API有料化の波紋
GoogleはMapsのAPIを大量に使うユーザへの課金を開始、これに伴いFoursquareやAppleは地図の切り替えを進めることになる。その受け皿のひとつがOpenStreetMapであり、ユーザーの増加が結果的にOSMの更新を加速化させる可能性を考えれば渡りに舟という考え方も。
地図無償化の扉を大きく開いたのはGoogle自身であっただけに、個人的には複雑な心境。
なお、このことが後のApple騒動に繋がることになる。

逃げ地図
西新宿のOZONEでのイベント「避難地形時間地図」でいわゆる『逃げ地図』がヴェールを脱いだ。過去の被災を街づくりにフィードバックする画期的な手法はロジックが非常に分かりやすく、住民の合意形成のツールとしても有効。個人的には「新たに描き入れる」という行為に地図の新しい可能性を見た気がする。

-4月-

グーグルが「Project Glass」を初公開
Project Glassは友人や地図上の道順をはじめ視覚情報をユーザーにリアルタイムで提供するメガネで「自分の世界を検索し共有しながら、瞬時に現実に戻る」というコンセプト。何だかアニメの世界が現実に紛れ込んだかのようなイメージだが、未来の日常がそういうものになるのだろうか。人類はいったいどこへ向かっていくのだろう(笑)

昭文社の地図サービス「MAPPLEちず丸」がサービス終了
新東名開通時に各サービスの更新状況をチェックしていて偶然発見。各種地図サービスのデータソースがゼンリンに「一極化」していく現状は必ずしも好ましいものではない。インクリメントPやOSMの頑張りが今後のカギを握るのか。

-5月-

パイオニアがフロントガラス前方にAR情報を表示するカーナビを発売
飛行機のコックピットを彷彿とさせるナビ。多少の慣れは必要かもしれないが、視線の移動が少ないので人間工学的にも優れているとか。いずれはここに様々なコンテンツが載ってくることになるだろうが、リアルとバーチャルの明確な境目は必要だと思う。

「グーグル・カー」
ついにGoogleが自動車も?屋根にレーザー式の距離測定器を搭載、センサーで歩行者や車との衝突を避けながら、地図データに基づいて目的地まで自動走行できる。ITSの一つの着地点とも言えるが、地図データに求められる情報も精度も変わってくることになるだろう。

-6月-

電子国土賞
選ばれたのはいずれも実績と企画性を兼ね備えた作品で順当な結果。G空間EXPOの中で行われたGeoアクティビティフェスタと併せて、地理空間情報の利活用推進に寄与した功労者を正しく評価する機会を設けたことは評価できるし今後も継続して欲しい。

<G空間EXPO開催>1日目2日目3日目
展示の主役は「自動車(MMS)」と「タブレット」。またIMESによる屋内GPS体験など、位置情報に関しては体験イベントも含めて色々なアプローチがあった。
全体としては展示の人出はやや低調。逆にシンポジウム会場はなかなか好調で、前述のGeoアクティビティフェスタに加えて、日本国際地図学会の「女子の地図力最前線―“地図ガール”の感性と新マーケット」も超満員。また人気のジオメディアサミットが相乗りした効果も大きかった。

-7月-

<スマホの台頭でカーナビのあり方が変化 12
カーナビの従来の機能ほとんどはスマホで代用されてしまい、カーナビ各社は生き残りのために新たにスマホとの連動を模索している。
その一方、現在進められているITSの取り組みに不可欠な存在としてのカーナビがある。自動車の制御系と結びつくことで、さまざまな車体情報を集約して、それをITSスポットで交換するという役割だ。エネルギーマネジメントや自動車そのものの診断など、スマホとの連携もこの延長線上に大きな需要がありそう。逆にPNDは淘汰される運命か。

-9月-

State of the Map 2012 Tokyo
期間中三陸に滞在していたため参加できず日記には上げていないが、OpenStreetMapコミュニティの国際イベントである『State of the Map』が9月にアジアで初めて東京で開催された。世界中からOSMマッパーが集まり参加者は28カ国203名。画期的だったのは協賛スポンサーの数の多さ。従来相まみえないと思われていた地図ベンダーや航測会社の名前も並んだあたりに今後の可能性を感じた。

一連のApple地図騒動
地図関係者にとって今年最大のニュースはやはりこれにつきるだろう。その顛末はもはや説明に及ばない。この時書いた「当然改善されるとは思うが、地図をなめているのであればここから去るべきだ」という気持ちは今も変わらない。
ところで古い日記を見ていたら、8/16に「アップル、地図参入の波紋」という記事があった。
これは同社が独自の地図を導入することが発表された際に書かれたものだが、柴崎氏の「日本の地図を作製するに当たって技術的な課題はない」というコメントに対して地図作成者の立場から日本の地図要件の高さを理由に反論している。図らずも不安は的中してしまった。

アマゾンは「ノキア地図」を採用
アマゾンは自社端末キンドル・ファイアにGoogleマップでなくノキアの地図サービスを搭載という記事。ノキア地図はジオコーディング技術や3Dビジュアル、交通渋滞情報など売りは多いが情報に地域格差がある。欧州やアメリカでは大きなポテンシャルを示しているが、現時点で日本がまったく使えない状態。アマゾンは日本市場をどう考えているのだろう。

-10月-

<「捜査地図の女」12
10月からテレビ朝日系でドラマ『捜査地図の女』が放送された。事件解決の武器は地図、そして決めゼリフは「地図は生きている…!」など地図にスポットがあたるドラマは珍しい。
主演の真矢みきも「地図を眺めながらお酒を飲める」という筋金入りの地図ガール。時代は確実に来ている。

-11月-

『カネを生む地図 10兆円市場の全貌』
週刊ダイヤモンド11/17号(11/12売)の特集タイトルがこれ。話題性十分のタイトルだし、実際非常にによく取材されている。しかし時代の主役は位置情報であり、地図はあくまでプラットフォームとしての主役を支える役どころ。実際特集でも10兆円の75%は地図そのものでなくソリューション系ビジネスという試算だった。

屋内地図プラットフォーム
IMESなど屋内測位の環境が整いつつある中で、これに対応するべくプラットフォームとしての屋内地図も少しずつ整備されてきている。Googleマップでは徒歩のルート検索でデパートの中を横切る案内まである。こうした屋内プラットフォームがヒューマンプローブの可能性を高める。マンナビはカーナビ以上の金の卵か。

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ということで独断と偏見に満ちたエントリになったことは許して頂きたい。
当初10大ニュースにしようかと考えていたが絞り切れず時系列で。

やはりApple地図騒動の印象がどうしても強くなってしまうが、振り返ると地図を取り巻く環境がまさに曲がり角を迎えていることが感じられる。

中でも大きな動きとして感じるのがオープンソース・オープンデータへの流れだ。
経産省の進めるオープンデータ政策は今後地図周りに様々な影響を与えることになるだろう。

一方、ユーザーサイドでもオープンへの期待の大きさを感じる。
その期待値の拠り所となるのがFOSS4Gのようなコミュニティの存在だろう。

コミュニティの存在は利活用の高度化と裾野の拡大という両面を担う意味で重要だ。
また、メーカーやベンダーのいわゆるユーザー会と異なり、双方向で「みんなで知恵を出し合って進む」という強みもある。

地図サービスは戦国時代に突入した感もあり、Appleの例を見るまでもなく2013年は混迷の度合いが深まるかも知れない。
それだけにFOSS4Gコミュニティへの期待はおのずと高まる。
既存の地図ビジネスとどう繋がって広がっていくのかにも注目したい。



本年も1年間365本の拙文を重ねました。
お付き合い頂いた皆様には心より感謝申し上げます。
2013年が皆様にとって素晴らしいものとなりますよう。
良いお年をお迎えください。





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Last updated  2012.12.31 02:42:25
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