それにしても、宅八郎は見ないなぁ
さて、前回のこのカテゴリで、こうしたCDの購入動機みたいなものを少し書いてみた。ジャケ買いだったものの、思いがけず膝を叩いてしまうような名曲(迷曲)もたまにはあるが、ため息の出るような作品も少ないわけではない。逆に、ラジオやネット上で先行して「試聴」させられてしまうケースも時々ある。出会い頭の交通事故のような衝撃があれば、直後に110番、じゃなくてCDショップに出向く。今回紹介するのはどちらかといえば、そんな作品だ。包装紙には、なぜか東海林のり子女史のシールが・・・。TITLE :奴レボリューションARTIST :A-BOYSRELEASE:2005/11/23CD NUM :KICM1152LABEL :KINGACQUISITION(入手容易度) :☆☆☆☆☆(比較的、新譜)STUPIDITY (バカバカしさ):☆☆☆☆CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆☆☆☆☆A-BOYSのAは、秋葉原のA。これはいわゆる「オタク」な"奴"の日常行動を余すところなく描写した作品である。これを聴いていて思い出した作品がある。10数年前に嘉門達夫氏が小倉久寛氏とコラボリリースした『小市民』だ。フィルタにかけられた対象はだいぶちがうが、「ある(いる)よね、こういうこと(ひと)が」的な着眼点は両者とも違(たが)わない。アイドルが近くにいるのにメチャクチャ望遠レンズな奴赤いモノを見ると『シャァ専用ですね』っていう奴握手会に2度並んで注意される奴電車の一番前で車掌気分な奴観察するオタクも、ノンジャンルだ。とくに一番最後のは、私も先日名鉄特急で出会ってしまったばかりだ。それも一番前でなく、中間車両のクロスシートの40代後半の素面(しらふ)なオッさんだ。こうした方々のことを鉄道業界では"特定顧客(旅客)"と呼ぶとか呼ばないとかは謎だが、隣にはゼッタイ座りたくない。~~~奴♪の"~"の部分は替え歌にできそうで、ネタを蒐集してあらたにカラオケのレパートリーにすることも楽しそうだ。とはいえ、まだカラオケにも入っていないしあまり取り上げるメディアも少ないようだが、これからジワリジワリとヒットしそうな予感はある。かつての『おざきんちのばばぁ』のリバイバルヒットのようなことがおこらないとは限らない。この曲のタイトルで検索をかける奴~♪も少なくないと思われるが、PVもなかなか面白いのでぜひ見てほしい。もう一つ、楽曲そのものにつんく♂プロデュースの作品からインスパイアされたとも取れるフレーズがあちこちに見え隠れするのも心憎い。オタクの語源は、自宅から出ないマニアだからだとか二人称を「おたく」と呼ぶからだとかよく私もわからないが、このA-BOYSに限って言えば前者ではなくアクティヴな「オソト」な「オタク」だ。そういう意味合いでは彼らの標榜する「オルタナティブダンスユニット」というのは、わからないではない。彼らのブログはこちら。先月発売の比較的新しい作品。お近くのCDショップで手にする奴~♪も多いと見た。レッツ、チェケラッチョ。