CD出して「ごめんね。」
26日はサントリーの「カフェイン式」なる缶コーヒー飲料についていろいろ書いてみた。これを書いている3月13日現在で、いまだにCMを見たことがない。それどころか、わがコンビニチェーンでは登録抹消が決定した。登録抹消の主な要因としては、季節に伴う商品切替のほかに、地味であるがデザイン・規格変更やJANコードの変更などさまざま。他社であるが3/15リリースのこちらなどはまさに後者の部類に属するのだけど、もっとも多い登録抹消の理由は「売れないから」である。なんといっても、売れゆき動向うんぬんを語る上で、ネーミングに起因する要素もあると個人的に考えているのだけど、今回とりあげるCDも、その疑問に対する一つの答えを投げかけてくれているような気がするのだ。 TITLE :ごめんね.ARTIST :コール・リーリエ(ゆりがおか児童合唱団シニア)RELEASE:1999/08/15CD NUM :MOSCD-010LABEL :Monsoon RecordsACQUISITION(入手容易度) :☆(困難?)STUPIDITY (バカバカしさ):☆CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆今から6年前にサントリーから登場した微炭酸飲料「ごめんね.」のCMソングとして、インディーズでリリースされたものである。サントリーによる公式なニュースリリースはこちらの下段を参照いただくとして、いまやこのアイテムはどこのコンビニやスーパーに行ってもお目にかかることはできなくなっている。ただ私が注目したのは、「なっちゃん」のCMソング(要real audio)やサントリーモルツなどがいわゆる"サビ先"(サビだけの曲が先にあって、あとからフルコーラスの楽曲に仕上げた)であったのに対し、最初からフルコーラスでちゃんとした楽曲ができあがっていた(ように見えた)ことに少々驚きを感じたことである。一見マキシシングルのような装丁であるが、実は8センチのCDシングルが収められたこのジャケットにはピアノ伴奏用のスコアも添付されていることから、学校での唱歌としてのニーズも少なからずあったのではなかろうか。それにしては発売から半年近くたってからのリリースでは、商品の陳腐化(というより登録抹消)も懸念される時季であり遅すぎともいえたが、この当時は幸いにも姉妹品であるキャンディなども多数発売され、そこそこの認知度もキープできていたように思う。で、いろいろこの「ごめんね.」を検索してみると、あらゆる方々の雑記に共通して見出せるキーワードにぶち当たるのだ。・うさぎの意味がわからない・謝ってるワリには、そこそこ飲める・CMソングが心地いいなどなどである。味覚の感じ方はヒトそれぞれなのでなんともいえないが、半年以上そこそこの人気を保った商品がいまなくなってしまっているという現実を客観視すると、すなわち「飽き」という結論に行き着くのであるけれど、それは「味」に飽きたのではなく「ネーミング」に飽きたといえなくもないだろうか。前出のサントリーの公式ページによれば「ごめんね」というキーワードは「やさしさ」を意味するという。綿密にこの商品のターゲットを掘り下げれば、ピンク色のパッケージに加えて「微」炭酸であること、そしてこの合唱団が児童合唱団の卒業生(中学2年以上)であるということを共通項に括っていけば、おのずと女子中学・高校生と答えが出てしまう。ゆえに、彼女らが飽いてしまえばこの商品の寿命も知れたものだ。それでいて、ネーミングもパッケージのウサギも,そのアプローチする意味が伝わりにくい世代には、トライアルユース(一回飲んでみるべ)というキッカケは与えても、そこまでで終わってしまう。幸い商品寿命としては長い方だと思ったけれど、やはり飽きられてしまったとしかいいようがないのである。仕方がないので、この往時在りし日の「ごめんね.」をCDで懐かしむことにする。なお、このスコア付CDシングルはかなり入手困難であるが、こちらが入手可能と思われる。このアルバムには他で入手しづらいCMソングのトラックも数多く収められているので、興味のある方は手にしてみてほしい。すでに「ごめんね.」のドリンクは入手困難ですが。あっても賞味期限切れ・・・ぷっすん。