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うきぐも(昔の名はほっけ)

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カテゴリ:いまむかCD
ここ数日日記がかけない。仕事を言い訳にしてしまう悪い癖である。多趣味ビンボーを極めてはいるが、これでも一応ビジネスマンである。

この日記も本当は15日の未明に書いているのだが、個人的に「2」と「7」の日で鮒(ふな)の日、ではなくCDコレクションを見せびらかす日記にしようと決めたので(休止日もあるかも)、あえてこの日に書き込むことにしたのだ。別に深い理由はないが、先月の22、27の両日と1/2、7も[いまむかCD]を取り上げたし、実は今決めたのである(12/24も書いてるし、1/7はカセットじゃないか!というツッコみは、この際無視・苦笑)。

ノッケから、忙しい「ビジネスマン」と言い訳したが、結局のところ「サービス残業撤廃」だの「労働者の心のケア」だのといわれてまだ間がなく、結局のところ残業時間さえも管理されてしまっているのが現代のビジネスマン。とはいえ、やる気さえあれば時間なんて関係ないのも事実だろう。わが会社にしたって管理職の連中たちは残業の付かないいわゆる「非時間管理者」である。

しかし歴史を紐解いてみると、バブル弾ける直前には、なんとかバブルを弾けさせまいと、ガッツあふれるビジネスマンを歌で高揚しようとしていたことも、また事実であったのだ。

しかも、よりによって「演歌」によって(なんだよな、多分)だ。

私の数あるミョーなコレクションのなかにも、そんな史料が存在したので、ここにレポートしたい。

みんなビジネススーパーマン 安井けん

TITLE :みんなビジネススーパーマン
ARTIST :安井けん
RELEASE:1990/07/21(廃盤・入手かなり困難)
CD NUM :TEDA-19005
LABEL :TEICHIKU

ACQUISITION(入手容易度) :☆(超激低)
STUPIDITY (バカバカしさ):☆☆☆
CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆☆☆☆☆
(画像をクリックすると、歌詞冊子が表示されます。)

なんといってもこの曲の聴きどころは、ビジネススーパーマンを謳いあげるのに、よりによって演歌のテイストで盛り上げている点に尽きる。作詞:いではく、作曲:遠藤実。どう考えても演歌だ(敬称略)。それに、なんといってもジャケットのすごくヘヴィなケータイ電話がマニア心をくすぐっている。

不謹慎だが、この曲と対照的な作品として、岡村孝子女史の「無敵のキャリア・ガール」を思い出した。レコード会社の中では、当時おそらく一番バブリーな会社だったと思う。所属アーティストもその岡村孝子をはじめ、稲垣潤一に永井真理子、イエモン(言っとくけど、お茶じゃないよ。念のため)もいたっけな。必ずやトレンディドラマの踏み絵の如く不可欠なアーティスト達だった。それが今や会社名もかわり、マトモなキラーコンテンツ作家の残党といえば、小田和正かシングライクトーキングぐらいになってしまった。

話題がそれたが、その岡村さんの作品のなかでは

はぁらぁんな~シチュエーションッ

と唄われているが、私思うに、どうもそのカタカナ語がしっくりこないのだ。
安井さんもそんなしっくりこないカタカナ語を歌い上げている。

パーフォーマンスをぉ~、い~ま~み~が~けぇ~(オー!)

岡村さんのファンには申し訳ないが、「ビジネスマン」と「キャリア・ガール」はネタがいかにも好対照すぎるので、ここでファンの皆様(←もちろん孝子さんの)にお詫びしたい。一方、演歌でカタカナが許されるのは「カサブランカ・グッバイ」だけで充分である。

さて、思うにこの「安井けん」という男、まったく知られていない、というかちっとも著名な気がしない。いろいろ検索をあたったが、どうやら戦後間もない昭和22年に岡山で生まれたらしいということだけははっきりした。このほか、カリフォルニア州の認可 (approval)大学だったが、1995年に再認可 (reapproval) を否定されたケンジントン大学に籍をおいたらしいが、その経歴たるやすばらしいのか何なのか、判然としない。詳細はこんなサイトを参照いただきたい。ここで取り上げたCDについても書かれている。他にはこんなしょっぱいサイトもあって、なるほど金持ちがカネに物を言わせて出したCDか!という結論に達するまでにそう時間がかからなかったのだ。

これで思い出したのが、磁気ディスクや石油ポンプの特許で名高い某N氏。なんだか知らないけど被選挙権の意味を履き違えたと誤解されかねない立候補をしていたような気がするのは私だけだろうか。彼の特許は賞賛されるべきかもしれないが、その特許をひけらかしながらの選挙活動には選挙民もヒいてしまうだろう。特許の利益を選挙の供託金として没収されるくらいならいっそ、昨今ならスマトラ島に募金したほうがよっぽど社会貢献のような気もするのだが、この安井御仁にしても、遠藤先生に曲を書いてもらうだけの「人脈」があるんだよ~的な自画自賛CDであったなら、まったくもって茶番である。

私も「こんなCDあるんでふよ~」みたいな自画自賛サイトになりきっているが、安井センセーを他山の石として肝に銘じねば、と思うのである(ウソばっかし)。

さてこのCDだが、私が今から6年前に、単身赴任先の滋賀県草津市のレンタルCD屋に無造作に置かれた「1枚10円」の中古コーナーからごっそり買った中のひとつであり、後述するがゆうせんの放送所が閉鎖になった折に放出されたとしか思えない、変な逸品(?)なのだ。経験上、演歌がそうそう中古CD市場に出ることそのものがあまりないから、そうした機会にめぐり合ったらまさに“一期一会”。とにかく一気に買いあさるのがほっけイズム。別に以前買ったのとダブったっていいのだ。「端から端まで」を指でさし、まるで“幅で買う”という感じだったが、全部買っても1200円程度。まさに「安井けん」ね、と広島弁でダジャレも言いたくなるほどだ(実際には言ってません)。しかし、コレだけ安いのには理由がある。
ゆうせん放送所仕様スリーブ
上の画像のように、もはやCDシングルとしての様相をなしてないのだ。これはゆうせんの放送所がかつてEP盤を多数所蔵していたため、そのサイズ(約5インチ,17cm)にあわせた専用スリーブでライブラリ化していたのである。したがってプラスティックのケースもあるはずがなく、コレクションとしての価値を著しく落としたために「1枚10円」で大奉仕されたらしい。
私のコレクションは「まず、音ありき」であり、したがって盤面のキズや指紋等の汚れの有無がすべてに優先するので、ジャケットの難は二の次。例えていうなら、レンタルCD屋の返却カウンターで、もし店員が平気で指紋を信号面に押し付けるようないい加減な扱いをしようものなら、平気で苦情を言うぐらいヤな客だろう。しかしゆうせん放送所が出所なら、ジャケの姿は変わり果てても盤の管理はカンペキだったはずなので、両手放しでのお買い上げ。もちろん盤面もサイコーであった。

ただ、本当のところは「リクエストも皆無で、安井さんの盤にまったくさわらなかったから」ディスクがキレイだった、といったほうが多分正解なのかもしれない。

こんな曲聴いて「おれがおれがで手をあげ」ようと思うヤツを見てみたいものである。

<追記済>





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Last updated  Jan 15, 2005 12:45:51 PM
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