【仮店舗】鳥獣ギグ＃

ヘルニアを宣告された一昨年の暮れ以降、それまで好きだった長距離のバス旅を少々控えめにせざるを得なくなったが、それから半年経ち、牽引療法などに頼らなくとも“病気とつきあっていける”ように症状が軽くなったので、またまたバス旅を再開した。

１１月の石垣島での東運輸の路線の全路線は滞在中の３日間で踏破でき(ただし本数が少ない路線も多いので、事前のスケジューリングが必要)、ある種の達成感を憶えたがそれ以上に感慨深かったのは、本土では｢過去のヒト化｣しつつあるマークパンサー氏が、実は石垣に移住していたことを知ることができたことだ。実は名古屋からのＡＮＫの直行便で、その見覚えある芸能人が私の席の一つ隔てた通路側に座っていたからだ(私は窓際。すなわち３人がけ×２列のレイアウト)、最近ＴＶで見ないなと思っていたらそうゆうことになっていたのか。別にゲーノー人が年末年始にハワイに行こうが、普段はそんなことはまったく興味がないのだが。

西部のビーチリゾート川平(かびら)から時計回りに巡る｢西一周線｣に乗車していると、島北部野底(のそこ)付近で運転士から「このバス停の先にね、１０００坪の土地を買って移住した芸能人がおるんよ、なんでも
小室なんちゃらと手を組んでおったてさ～｣

ん？小室等か？、と私。

そしたら運転士、「マーク、マークなんとか言ったけなぁ・・｣

まさしくユニットではまともに“歌唱”はしなかったマークである。globe加入前にもシングルＣＤを小室さんに手がけてもらっているマーク氏でもある。今日はＣＤレビューの日ではないけれども、寄り道して特別にこのワケワカなＣＤシングルをプチレビューだ。


TITLE :Very Very Nice Song
ARTIST :MARC PANTHER
RELEASE:1995/04/21
CD NUM :SRDL4014
LABEL :SonyRecords

ACQUISITION(入手容易度) :☆
STUPIDITY (バカバカしさ):☆☆☆☆
CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆☆☆☆☆

"BEFORE globe"の作品なのに、これがどうglobeと違うのかがわからない。判るのは、やまだけいこさん(当時)のボーカルがないぐらいで、どう考えても売れそうにない日本語ラップだということ以外にそこには感動すらない。
それがどうしたことか。globeではグレートなサクセスである。彼のサクセスは、私に言わせれば彼以外の２人の成功に依存していると言い切って憚らない。

そんなマーク氏が今や豪邸に住み、はっきりいって隠居状態だ。まったく運がいいとしかいいようがないな、などと思っていると運転士が続ける。

でも、いいんですよ、石垣って街にはそういう人が住んでね。
若いうちに成功を収めて、パーッと稼いで。
その後は、のんびり暮らせばいいんですから。

私に対して彼のマークに対するライフスタイルは肯定的でさえあり、コトバに重みさえ感じる。
実はこの運転士、３年前まで勤めたコンピュータ会社を早期退職し、上積みされた退職金で大型２種免許を取って当時の地元千葉の路線バス会社に勤め、そして石垣島に移住して現在の会社でも運転士をなさっている。つまり、年齢の差こそあれどマークと同じ“移住組”なのだ。休みの日には本土在住時から趣味としてきたダイビングをさらに極め、お気に入りのスポットなど、本土から来た若者の一見さんに聞かれても｢もっと苦労してから石垣においで。その時教えてやるから｣と頑なに教えないのだそうだ。

そんな味のある話を聞いてしまうと、まだまだほっけなんぞ若造の方であるのでなんだか恥ずかしい気持ちになった。それと同時に、移住してまでも人をひきつける魅力をもつこの石垣という島にますます目が離せなくなり、さらに路線バスへの思いも強くなっていったのである。ちなみに私の住む岡崎市とも姉妹提携を結んでいて、｢少しの距離でもネ、自動車に頼るんよ｣とバス離れを憂う運転士にもそのことを指摘されてしまった。岡崎市は、どうやら石垣市民にとってマークパンサー氏と同じぐらい知名度があるらしい。

そんなわけで明日４日もバス旅を試みる。
今回のターゲットは、数年前まで仕事で赴任していた滋賀県。
ことし３月をもって西日本ＪＲバスが滋賀県内から完全撤退をするという。一昨年の路線廃止による大削減によって、近江八幡と三雲(現湖南市)とを結ぶ１路線を残すのみとなっていたが、いよいよその時が来たようだ。
今回はこの路線をはじめ、湖南市のコミュニティバスや琵琶湖を渡る環境に優しいエコバス、さらには朝市で有名な朽木(現高島市)と京都市内出町柳とを結ぶ一日たった２本の路線などに挑む予定。２日未明からの大雪でどうなることやら。また、新しい芸能人在住情報が得られますかどうか(んなアホな)。続編は明日以降の日記で・・。