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カテゴリ:いまむかCD
友人の住む青森は弘前市のとなりに、田舎館村という人口9千人足らずの小さな村がある。そんな小さな村にもジャイゴウェーブというコミュニティFMが存在する。
とはいっても、残念ながら現在ホームページはトップページのみとなっているので、放送自体されているのかどうかすらわからない。過疎の村でいかにして公共の福祉に貢献しつつ聴取者を育て、いかにして広告主を募るかという苦労は計り知れないものがある。もっとも採算性の見込みのないコミュニティFMは廃局や、場合によっては合併されるなど淘汰されることも珍しくないのだ。 以前その放送局のオンエアテープを友人が送ってきてくれたことがある。その時の内容の中に「おもしろCD特集」というのがあって、女性DJ二人が持ち寄ったCDをかけるというただそれだけの他愛もないコーナーだったんだけど、そのCDがコレだった。 TITLE :浪曲惑星 ARTIST :国本武春 RELEASE:1994/07/21 CD NUM :FLDF1520 LABEL :FOR LIFE ACQUISITION(入手容易度) :☆(廃盤;後述) STUPIDITY (バカバカしさ):☆☆ CURIOSITY (ヘンテコ度) :☆☆☆ 両親を浪曲師にもつ、彼自身も浪曲師のワントラックCDである。定価千円だが、この1トラックが16分10秒の長尺なのである。 なぜ1曲でこんなに長いかというと"MY SHAMMY SIX~こぶしの道行き~浪曲惑星'94"という3部構成で成り立っているからである。 国本武春と聞いても、ピンとこない方も多いだろうが、アニメ『クマのプー太郎』や東海地区では寿がきやのCMソングなどがわりと有名かもしれない。 作詞は本人といとうせいこう氏、作曲は本人に萩原健太氏となかなか異色な組み合わせ。三味線とホーンセクションが絶妙にからむセッションで始まるイントロダクションは、すでに浪曲だかなんだかわけがわからないんだけど、なかなかかっこいい。浪曲師としての活弁さ、ライム(韻)、そしてグルーブ感覚、どれをとってもハズレがない。確かに売れ筋になりえないカテゴリではあるけれど、このおっさんにはセンスがある。そして、こんなCDを選んで電波にのせた田舎館のオネエさんも、偉い。 動画コンテンツもちりばめられた国本氏本人のホームページも比較的更新の頻度は高いようで、過去にリリースされたCDもこちらでじっくり堪能できる。ビッグバンドとの"狂宴"だけでなく、三味線と海外民族楽器の融合、もちろん本家浪曲師としての技もだ。 さて、このCDの入手可能度だが、既に廃盤なため、同トラック収録のアルバム『国本づくし』(FHCF3592)をあたることになるが、「廃盤ではありませんが市中在庫(レコード店およびレコード卸)のみ存在し、現在生産予定はない」(HP引用)とのこと。最近の入手困難なものは、ほとんどこの「非廃盤非再販」でコレクター泣かせである。やや高値もオークションが無難かもしれない。 さて、そのテープを聞かせてもらった後、実際に私が田舎館ジャイゴウェーブに遊びにいったのだが、この『浪曲惑星』に対抗してかけていただいたCDがこちらだったのである。さすがにマイナー度は国本氏以下であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 31, 2006 08:16:46 AM
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