晴走雨読

2007/03/27(火)21:55

関口知宏の新たなる旅

            NHK-BSで関口知宏の列車の旅シリーズが新たに始まる。 今回は中国1万7000kmだそうだ。 実はこのシリーズについては詳しくは知らないのだが、 初めは日本全国の鉄道を乗りつくす旅だったと記憶している。 NHKらしい贅沢な企画と、親の七光りを思わせるタレントを起用した番組という 悪いイメージが僕の中には強くあって、当初はほとんど見向きもしなかった。 しかし第2シリーズの海外編をたまたま見る機会があり、 懐かしいヨーロッパの景色の中で、等身大で素朴な彼の行動と意外な多才ぶりに触れ、 ついつい見入ってしまったものだった。 昔どこかで 「ドラえもんの”どこでもドア”があれば、マチュピチュとかオーロラが簡単に見にいけていいよね~」 と聞いたことがあった。 世界は近くなったとはいえ、たしかに”どこでもドア”で訪れたい場所はまだまだ数え切れないほどある。 でも、その”ドア”は僕らに本当の感動を与えてくれるものなのだろうか。 ・・・・ほぼ丸一日狭い機内に身をあずけ やっと着いたホテルはボロく、お湯の出が悪さにほとんど通じない言葉でフロントとの交渉。 市場の隅で現地のフルーツジュースを飲み 下痢をして、熱をだし 雨に降られ、風にさらされ、高い太陽に照りつけられる。 でこぼこ道でバスに揺られ、ツアーガイドにボラれ、 山道で人とふれあい、笑いあい、励まし合い そして ついに、マチュピチュにたどりつく。・・・・ 誰が見てもマチュピチュはマチュピチュなのだけれど、 それぞれがそれぞれのたったひとつの”マチュピチュ”を目にしているはず。 鳥肌が立つほどの絶景の中で、 言葉にならない想いが自分の中から溢れ出てくる。 NHKのアナウンサーが関口知宏に訊ねる。 「今回の旅ではどこの景色や風景を楽しみにしていますか?」 と。 彼は少し困ったような表情でこう答えた。 「こう言っては見ている方に怒られてしまうかもしれないですけれど、 僕はいつも絶景とかを期待して行かないんですよ。 そこまでの人であったり自然であったり、さまざまな出会いや出来事が その景色や風景を変えてくれるから」 第一回放送は、4月8日(BS-Hi)生放送だそうだ。

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