2005/12/20(火)08:44
伊坂幸太郎「砂漠」
伊坂さん、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説!
仙台にある某国立大学法学部の男女5人が
新入生顔合わせコンパで出会ってから卒業するまでの
愛と友情を描いた物語。
今回のお話はほのぼのしているのかな?と思いつつ
読み進んでいったら、登場人物達は窃盗事件と強盗事件に巻き込まれてしまい、
そのうちの1人がどうしてこんな酷いことに?という展開になってしまうのですが、
ラストはハッピーエンド、暖かい涙でいっぱいになりました。
この中の1人は、私と名字が一緒。
マイペース型でちょっとつきあいにくいんだけど、真摯な姿が憎めないやつ。
そんなんだから暗い高校生活を送っていたのだけれど、
大学生活を送る中で生涯の友と恋人を得て、よかったなぁと
心から思ってしまいました。
(万引きして家裁に送られたこともあるのですが、
その家裁の相談員が既刊「チルドレン」の登場人物とリンクしていて、
どこかをちょっと他の作品とリンクさせちゃうという
伊坂さん恒例のファンサービス?が、本作でもありました(^-^)
伊坂さんファンはお楽しみに♪)
大学生活には思い出したくないことも多々ありますが、
自分の中ではすごく幸せだった時代であり、
本作を読みながら甘酸っぱい思いにさせてもらいました。
大学って、社会という「砂漠」に比べたら
「オアシス」のようなものですよね。
もう戻ることはできないけれど、オアシスがどこかにあると信じられるから、
砂漠を進んでいけるのかな、って思いました。
伊坂幸太郎 "砂漠"
お気に入りの1冊になったのですが、
1つ苦言を言わせていただくと
表紙が最悪!!
伊坂さんの本って、洗練された装丁がよかったのに、
ちょっとわたし、今回のは許せない。
今どきの若者は、こういうのに魅かれるのデスカ?
カバーを剥いだら、ステキな装丁なんですよ。
中にある写真も。
取ってつけたんじゃないか?って勘ぐってしまった。
久しぶりに頭に来たので、どうしてこんなのにゴーサインを出したのか、
伊坂さんに手紙を書いてみようかと思ってます。