Chobi's Garden

2005/12/20(火)08:44

伊坂幸太郎「砂漠」

読書(59)

伊坂さん、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説! 仙台にある某国立大学法学部の男女5人が 新入生顔合わせコンパで出会ってから卒業するまでの 愛と友情を描いた物語。 今回のお話はほのぼのしているのかな?と思いつつ 読み進んでいったら、登場人物達は窃盗事件と強盗事件に巻き込まれてしまい、 そのうちの1人がどうしてこんな酷いことに?という展開になってしまうのですが、 ラストはハッピーエンド、暖かい涙でいっぱいになりました。 この中の1人は、私と名字が一緒。 マイペース型でちょっとつきあいにくいんだけど、真摯な姿が憎めないやつ。 そんなんだから暗い高校生活を送っていたのだけれど、 大学生活を送る中で生涯の友と恋人を得て、よかったなぁと 心から思ってしまいました。 (万引きして家裁に送られたこともあるのですが、 その家裁の相談員が既刊「チルドレン」の登場人物とリンクしていて、 どこかをちょっと他の作品とリンクさせちゃうという 伊坂さん恒例のファンサービス?が、本作でもありました(^-^) 伊坂さんファンはお楽しみに♪) 大学生活には思い出したくないことも多々ありますが、 自分の中ではすごく幸せだった時代であり、 本作を読みながら甘酸っぱい思いにさせてもらいました。 大学って、社会という「砂漠」に比べたら 「オアシス」のようなものですよね。 もう戻ることはできないけれど、オアシスがどこかにあると信じられるから、 砂漠を進んでいけるのかな、って思いました。 伊坂幸太郎 "砂漠" お気に入りの1冊になったのですが、 1つ苦言を言わせていただくと 表紙が最悪!! 伊坂さんの本って、洗練された装丁がよかったのに、 ちょっとわたし、今回のは許せない。 今どきの若者は、こういうのに魅かれるのデスカ? カバーを剥いだら、ステキな装丁なんですよ。 中にある写真も。 取ってつけたんじゃないか?って勘ぐってしまった。 久しぶりに頭に来たので、どうしてこんなのにゴーサインを出したのか、 伊坂さんに手紙を書いてみようかと思ってます。

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