「片想い」。このタイトルから連想されるのは、やっぱりラブストーリーなのかなぁ、と思ったら、さすがは東野圭吾。
なるほど。そっちの話か。
と、序盤でいきなりがつんとやられてしまいました。
とにかく、東野圭吾ファンでもそうでなくても、面白い小説だと思いますよ。このあとはネタバレになるんでここを閉じて古本屋とか図書館とかに行っていただければ。
以下、ネタバレ。
性同一障害をメインテーマとしているわけですが、いつもながら詳しい取材を行ったんだろうなぁ、と思わされる。それぐらい不覚そのテーマを掘り下げた内容になっています。
そのメインテーマに、アメフトや、お互いに仕事を持つ夫婦のすれ違いなんかがからんできて、最後まで面白く読むことができました。
最後はわりとまるく収まった(?)わけで、東野圭吾らしくないなぁ、などと思いつつも、QB哲朗、その妻の美沙子、クールな早田、なんといっても美月など魅力的なキャラクターが織りなす物語は大変良かったと思います。
それにしても、本のタイトルは「片思い」ですが、イマイチ本の内容にあってないんじゃないかなーと思いつつ読んでました。確かに、美月は美沙子とQBに片思いだったような気もしますが、小説の本質は違うところにあるようですし。
読み終わってちょっと考えたんですが、「片想い」というのは、男の方か、女の方か、どちらかに想い悩むという意味とかけていたりするのかなぁ。
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