カテゴリ:小説
舞台は第二次世界大戦末期。原爆が日本に投下される日が近づいていた。そんな中、日本海軍将校の絹見は妙な命令を受ける。「潜水艦 伊507 に搭乗し、ローレライを回収せよ―――――」。ローレライとは何か?そして伊507に乗り込んだ乗組員が辿る運命とは。
超絶に面白かったです。 ネットでかなり評判が良かった作品で、読んだ人の評価をみると、「とにかく面白いから読め!」という意見が多かったんですが、なるほどその言葉に嘘偽り無し、という感じです。 最初はかなり読みづらくて、もうちょっと文字が少なくてもいいんじゃないかなー?とか思いつつ読んでいたんですが、「ローレライ」の正体が判明するあたりから一気に物語に引き込まれ、ローレライが開発された経緯に打ちのめされ、迫力ある潜水艦戦に興奮し、潜水艦「伊507」とその乗組員が辿る運命に――――― これ以上はネタバレになので一時的に避けますが、戦争物とかガンダムとかエヴァンゲリオンとかが好きな人ならとにかく読んで損は無い作品かと思います! ただ、とんでもなく文章量が多いので、まとまった休みがとれるときに読んだ方がいいかも。関係なさそうなところはずいぶん読み飛ばしちゃったし(汗) 以下ネタバレ的な感想。 上にも書きましたけど、とにかく最初は読みづらいのなんの。テキストの洪水といった感じで、そこまで細かく書かなくても―――――と思うこと多数。後半でもずいぶん読み飛ばしてしまいました(・∀・;) 面白くなってくるのは、ローレライを回収するために、フリッツが謀反を起こすあたりからですね。 折笠が「ナーバル」に侵入し、そこでパウラと出会うわけですが、私は何の予備知識も無かったのでその中に女の子がいて、そしてその女の子がローレライの中枢だったというアイディアにはかなり感嘆させられました。 で、とにかく良いのが潜水艦戦です!上巻最後の戦いも良かったですが、B29を撃墜するために、伊507がローレライを駆使して、絶望的とも思える戦力差をひっくり返して作戦を完了する様は実に迫力がありました。 そして、もう一つは濃密な人間ドラマでしょうか。ナチスの強制収容所のエピソードや田口の過去のお話なんかはもうよくもここまで書けるもんだなと。 伊507の最後はかっこ良すぎですね。ローレライの痕跡を消滅させるために、米国の勧告を無視して伊507は反撃を放棄して米国の攻撃に身をさらすわけですが、読んでいる最中は、降伏してもいいのに!などと考えながら涙目でした。 折笠とパウラが多分恋仲になっていくだろうことは最初で予感できましたが、最後はああいう形になって良かったかなと。二人とも伊507と一緒に海のもくずとなるようなラストも想像していたんですけどね。 映画blogランキング 小説blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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