株株本楽

2008/04/06(日)10:03

FC東京×コンサドーレ札幌

サッカー(38)

J1にしては、低調な試合だった。 両方ともけが人や出場停止の選手がいるとはいえ、 チームの戦術もまだまだ未整備という感じを受けた。 試合の流れとしては、 やはり個人技術に勝るFC東京が試合の主導権を握る。 試合の立ち上がりこそ、 札幌の曽田のシュートがFC東京をひやりとさせるものの、 その後はほとんど札幌に攻撃らしい攻撃をさせなかった。 前半12分。 FC東京の後方から放たれた ふわりとしたパスに対し、 カボレが上手く曽田と体を入れ替え、 ペナルティエリアに進入しかけた。 曽田が背後から密着マークしていたが、 ファウルを恐れたか両手をあげてマークを放棄。 そのマークは誰にも受け継がれず、 カボレはほぼフリーの状態に。 浮いたボールをダイレクトでたたきつけると、 GK佐藤が必死にのばした手の先をかすめ、 ボールはゴール右隅ぎりぎりに吸い込まれた。 札幌はクライトンにボールを集めたいところだが、 ボランチや2列目の選手になかなかボールが渡らない。 そのうちに、DFからロングボールを送るものの、 セカンドボールはFC東京が支配。 大竹の個人技、梶山の落ち着いたキープやパス、 運動量を惜しまない羽生が易々とボールを札幌陣内に運んでいく。 しかし、決定的なシーンはそれほど多くなく。 FC東京も、フィニッシュまでいく課程に課題を抱えているようにみえた。 後半9分、札幌はほとんど消えていた岡本に変え、砂川を投入。 その砂川は、右サイドでボールを受けると 果敢に勝負をしかけ、縦へとボールを運んでいく。 さらに札幌は後半20分、 精細を欠いていた曽田に変えて石井を投入。 FWにいたクライトンをボランチに下げた。 これでクライトンがボールを扱う機会が増え、 前線に効果的なパスが供給されるようになった。 また、そして東京がやや引き気味となったことで、 札幌が攻撃をしかける時間が増えていった。 しかし、札幌はここぞというところで決定力を欠いた。 砂川からすばらしいクロスが2本ペナルティエリア内に送られたが、 中山のシュートは塩川のビッグセーブで防がれ、 チョンヨンデは頭にヒットさせることができなかった。 ロスタイム、ペナルティエリア内にボールが転がり、 押し込めば同点、というチャンスを札幌は生かせず、 結局1-0のまま試合は終了した。 札幌は、このままだと苦しい。 リーグ戦はもちろん、 ナビスコカップを含めても完封した試合が無い。 守備の整備が急務といえる。 攻撃については、クライトンはすばらしい選手なのだから、 彼を生かすことを考えるべきではないか。 この試合ではFWで先発したが、 札幌の選手たちではクライトンのところまで ボールを運ぶことができないため、 宝の持ち腐れという感じがした。 後半ボランチに下がってからは、 札幌がボールをキープする時間が増え、 前線にいいボールが供給されるようになった。 三浦監督は、クライトンに決定的な仕事をして欲しいのだろうが、 どうみてもクライトンは中盤に入れた方がよいと思う。 FC東京はどうかといえば、 やっぱり苦しいと言わざるを得ないだろう。 後半は、札幌に攻められる時間がかなり多かったし、 カウンターに移っても札幌の守備陣に易々と止められていた。 長友をはじめとして、若くていい選手が多いので、 降格争いまではしないだろうが。

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