犯人に告ぐ(上)
闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。
なるほど。
評判がいいだけあって、平均以上の出来。
最後までどきどきしながら読むことができました。
こっからは、ネタバレの感想へ。
てっきり、娘さんはあのまま亡くなってしまうのかと思ったけど、それがさらに主人公を苦しめている、という展開にしびれました。
それから、「犯人に告ぐ」シーンも良かった。
犯人を追いつめる原因となったものが偶然だったというのはちょっとあれだったけど、あの犯人をとうとう追いつめたというシーンにはぐっとくるものがあった。
エンディングも、割といい終わり方だった。安らかに眠るよりも、生きている方が辛いという演出が良かったです。