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テーマ:私の好きなもの(262)
カテゴリ:愛しいもの
File6: 友人Aの作る栗の渋皮煮 「私の作った渋皮煮を食べないと秋が始まらないんじゃないの?』 と、おそろしく高飛車なメッセージとともに、 友人Aちゃんから栗の渋皮煮が届きました。 宛名ラベルが貼ってあるだけの保冷袋を開けると、ころんと瓶が一つ。 瓶には2日前の日付のラベルがついています。 そうか。作ったその日に送ってくれたんだ。 一つ頬張ってみると、ほろりと崩れ、 口のなかに上品な甘さと香りが広がります。 自信満々なだけあって、絶品です。 渋皮煮って、あのやっかいな渋皮を、 手間ひまかけて、びっくりするほどおいしく変えてしまう。 私はひそかに、栗の最高の食べ方だと思っています。 札幌の前に住んでいた茨城は、 あまり知られていませんが、栗の一大産地で、 渋皮煮を作る人がけっこういました。 Aちゃんもその1人。 シーズンになると、近隣の農家に栗を買いに行き、 何度も渋皮煮を作ります。いまや達人。 私はその一番弟子。 4年前に手ほどきを受け、3年目に味見してもらった時に 「私が作ったのかと思った」 と最高の褒め言葉をもらいました。 去年までは、毎年、この時期はそうやって、 お互いに、味見したり、させたりしてたっけ。 楽しかったなあ。 Aちゃんとは6年前に職場で出会いました。 いい歳をして人見知りの私が、人見知りという 言葉とは無縁のAちゃんのペースに巻き込まれ、 気づいたら学生時代の友達のように親しくなっていました。 6年間、たくさんの思い出があります。 初めて渋皮煮に挑戦した時、 鬼皮がうまく剥けないと、夜更にAちゃんに電話したら、 15分後、栗をいくつか入れたビニール袋を片手に Aちゃん本人がうちに来ました。 さっき電話で説明してもらったけど、と驚いていると、 「最初でつまづいて、渋皮煮作りが嫌いになったら困るから」 と、無邪気に笑っています。 こんな人、好きにならずにいられるでしょうか。 突如、おしゃれに目覚め、一緒にカラー診断に行ったり、 職場に食べられる桃の木があるのを見つけ、2人で 抱えきれないほどの桃を収穫したこともあります。 札幌に引越した後、 私はしばらく気が抜けてしまって、 友人との連絡も滞りがちだったのですが、 Aちゃんはコンスタントに連絡をくれ続けました。 たわいない話ばかりだけど、 「どこにいたってずっと友達だよ」 と言われているようで嬉しかった。 ================================ お茶をいれ、渋皮煮を味わっていると、 同じテーブルの向かいに座ってお茶を飲んでいた Aちゃんを思い出します。 やっぱり会いたいなあ。 プロが作った渋皮煮をいただいても 「私の作ったほうがおいしいでしょ?」って こっそり私に言っていたAちゃん。 ちゃんと私の「愛しいものリスト」にいれたから、 来年は大瓶で送ってちょうだいな。 本人が持って来てくれたらもっとうれしいけど。 最後まで読んでいただきありがとうございます。 ↓応援クリック、励みになります。 にほんブログ村 ↓よろしければ読者登録も!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.10.10 00:14:30
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