好き嫌いをなくそう「好き嫌いをなくそう」2006/7/17 子供の頃、にんじんが嫌いだった。ピーマンも大っ嫌いだった。 給食で出てくるおかずはどうしてだかいちいち具が大きかった。 すごく嫌だった。 玉ねぎなんか櫛形で全部くっついてるし、 こんなぶっといキャベツの芯なんか食えるかって思った。 勘弁して欲しいって思っても、残すことは許されなかった。 前向きな子は細かくして牛乳で流し込み、 後向きな子は先生に見つからないように、こっそり捨てていた。 要領の悪い私は、嫌々ながらも丸呑みしていた。 だって細かくしたら増えるじゃない。 だったら一回で飲み込んじゃおうと思ってた。 そんなとき、席替えがあった。 新しく隣になったその子は、とてもおいしそうにピーマンを食べた。 私はどうしてそんな苦いものを食べれるのかと聞いた。 するとその子は笑顔で言った。 「おいしいよ」 嘘付け。本気でそう思った。 でもその子は本心でそう言っていた。感心した。 自分も食べれるようになったのは最近だと話した。 一体どうやって好きになったの!? すると、秘訣を教えてくれた。 嫌いだと思わないようにする。 ようく味わって食べてみる。 一週間、毎日食べてみる。 そうすると、慣れちゃう。 おいしくなってくる。 大抵のものは大丈夫だよ。 だまされたと思ってやってみて。 彼女はお母さんに教わったと言っていた。 そして、私以上に嫌いなものが沢山あったけど、 今は何でも食べれるようになったんだと胸を張った。 私は信じた。 家に帰って母親に頼んだ。 ピーマンを毎日食べさせてくれと。 母は聞き入れてくれた。 調理法を変えて、本当に毎日食卓に並べた。 私は食べた。 初日は辛かった。でも全部食べた。 3日目は抵抗なく口に運べた。 5日目はおいしく感じた。 信じて良かった。 嫌いなものを、すべてやっつけた。 自信が持てた。 残念ながら私にはいくつかの食物アレルギーがあって、 口にすることができないものも未だにある。 でも、それ以外の好き嫌いはなくなった。 どうせ食べるのなら、おいしく食べよう。 得した気になるよ。 |