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テーマ:★面白い人★(31)
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感謝できない人間というのがいる。他人の厚意を当然と思うのか、はたまた感謝を表すことが照れくさいのか知らないが、とにかく失礼な人たちである。私の周りにも二人、この手の人間がいる。相棒とその母親である。 今日も、奴がコンピュータの前で困り果てていたから手伝ってやったのに、しらーっとしている。奴は自分の思考回路が少しショートしていることに気付いていない。できないことは理屈詰めで説明付けようとする。しかし、100%の確率でそれは間違っている。その間違いを立証されると、途端にシラを切る。 「人に何かしてもらったときは何て言うの」。私が毎回言わなければいけないセリフである。こんなの、2歳児でも知っている。しかしこの37歳児は、それでも、ありがとうを言うことができないのである。 これはなぜだろう。よく考えてみたところ、ひとつの結論に突き当たった。血がそうさせるのではないか。奴の母親もまた感謝するということを知らない。そして、揃って、謝ることをも知らないのである。 以前、私の髪の色の話になったことがあった。お母さんは 「黒髪はブロンドより安いからだめなのよ」 と言い放った。激怒した私は、2日間、部屋から出なかった。間に挟まれた相棒は 「気にしないでください」 と言うのみ。私の神経を逆なでするのみであった。 ―― 2日後の朝。私の部屋をノックしてお母さんが入ってきた。「ごめんさないね。悪気はなかったのよ」。 しかし、次の瞬間、私は自分の耳を疑った。 「でもね、本当のことなのよ。黒髪はブロンドより安いのよ。」 このときこそ、私が、この人たちと家族関係になるのはやめよう、と決意した瞬間だったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 27, 2004 08:15:33 AM
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