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テーマ:国際遠距離恋愛(197)
カテゴリ:相棒
※ この日記はあとで修正もしくは削除するかもしれません うちの相棒は転勤族です。いま住んでいるアメリカは5カ国目の赴任地です。私が奴と生活をともにするようになったのは、ここアメリカからです。 いきさつはこうでした。それまで私はヨーロッパに住んでいたのですが、仕事の契約のキレがちょうどよかったので、日本に帰ることにしました。その理由のひとつが、相棒の奴が日本にいるから、というものでした。相棒の住む横浜は、私の実家のある鎌倉からは30分ほどの距離です。これは私にとって非常に好都合でした。ところが、帰国して2ヶ月と経たない2月のある日、私にとって非常に好都合ではないことが起こったのです。相棒に、アメリカへの転勤の辞令がおりてしまったのです。 それからはあっという間でした。辞令からわずか1ヵ月後、桜の花の咲く頃に、相棒はアメリカはコロラド州デンバーへと飛び立っていったのでした。私は東京にいくつかの仕事があったので、それらの契約が終わる夏を待って、デンバーへと飛び立ったのでした。 さて、こうして私たちがデンバーに来て、この春で丸3年が経とうとしています。駐在の任期は通常2年から3年ですから、私たちもそろそろ移動かな、とそわそわし始めたのが、昨年末のことでした。 そこへ降ってわいたのが、サンフランシスコへの転勤話でした。 私はアメリカをけっこう気に入っています。アメリカは暮らしやすいです。社内でサンフランシスコ駐在員を募集してるんだけど、どう。相棒からそう打診されたとき、ですから、私は、いちもにもなく、志願しろと命令したのでした。 そうして、サンフランシスコへの転勤が決まりました。2005年の4月になるだろう。話はそうまとまりました。デンバーでの相棒の後任は1月には来るから引継ぎ期間は3ヶ月間。話はとんとん拍子に進んだかのように見えました。 が。辞めてしまったのです。相棒の後任として赴任するはずだった人が、1月を待たずして、突如、退職してしまったのです。嗚呼。そこまでデンバーがいやだったのか。 そしてさらに。幸か不幸か、サンフランシスコで受注するはずだった仕事が、取引先の都合でキャンセルになってしまったのです。 フリダシニモドル。 そんなある日のことでした。見慣れない堅苦しい文体のメールが、一通、私の受信トレイに届きました。それは辞令でした。そこには、とある新規設立会社の名前と、とある日本の地方都市の名前が記されていました。相棒殿、デンバー勤務は2005年10月末をもって終了すること。そのメールには、はっきりとそう書かれていました。 実は私はこの日記を書くべきか書かないべきか、ずっと、辞令のおりた2月から、ずっと迷っていました。なぜなら、私がこれを書くことによって、気を悪くする人がいるだろうからです。ですが。 はっきり言います。私は、その日本の小さな都市には、引っ越ししたくないのです。 親しい幾人かの友人に相談したところ、これは、東京やその近郊出身の人にしかわからない気持ちだろうね、と言っていましたが、神奈川県で生まれ育ち、東京に通勤通学をしていた私にとって、最果ての小さな街に行けというのは、天と地をひっくり返すような出来事です。知らない土地、しかも小さい (であろう) 街に2年も3年も、場合によっては5年も暮らせというのは、正直、拷問でしかないのです。 そして私は自分がいやになりました。デンバーに来ることになったとき、確かに私は、いやだなあ、と思いました。ニューヨークやサンフランシスコではなく、よりによってコロラドだなんて。スキーヤーじゃあるまいし。そう思いました。が、相棒について、ノコノコとやってきたわけです。生活をエンジョイしているわけです。そう、アメリカならまあいいや、と思うにいたったわけです。 それが、日本の小さな田舎街だからいやだ、なんて、いくら私でも性格が悪いにもほどがあるわい――。私はちょっとした自己嫌悪におちいりました。アメリカの田舎は良くて、日本の田舎はなんでダメなの。自分に、他人に、そう問いかけました。そしてある人がこう答えました。アメリカだったらまだ人をアッと言わせられるけど、日本の田舎だったら誰もすごいって言ってくれないからじゃないの。私は、なるほどと思いました。そういうことなのかもしれない。私は、皆から、驚き賞賛されたいのかもしれない。いや、私が縁もゆかりもない日本のとある地方の小都市に住んだら、それはそれで、ある意味、驚く人が続出するに違いないけれども……。 辞令が履行される確率は現時点では99%とのこと。サンフランシスコ行きが90%強だったことを考えると、この9%の差は、とてつもなく大きな壁に思えてきます。が、私は、なんとしてでも食い止めてせるぞ! と思っているのです。なんとしてでも食い止めてみせるぞ! と、日夜、念力を送っているのです。皆様も、応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 16, 2005 03:37:13 AM
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