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テーマ:外国語話せますか?(437)
カテゴリ:日記
小学校3年生のとき。 宿題をやらない常習犯であった私は、ある日、先生から、明日もやってこなかったら黒板に “宿題を忘れた人” として名前を書きますからね! と脅された。明日は授業参観日、という日であった。 私は、それがどうした、と思った。翌日、黒板に書かれた自分の名前を見ても、それがどうしたの、と思っていた。授業参観に来たうちの母親は、自分の娘の名前が書かれていることにすら気が付かない。また、たとえ気付いたとしても、あれこれ注意するほどの鋭い親でもない。こんなの、私には打撃でも何でもなかった。 またある日。先生から、明日もやってこなかったら顔にマジックで×を書きますからね! と脅された。明日はとりたてて行事などない普通の日、という日だったと記憶している。 私は、それがどうした、と思った。翌日、左のほっぺたに黒い大きな×が書かれるのを感じでも、それがどうしたの、と思っていた。水性マジックなのだから、洗えば落ちる。また、水性ではなくても、落ちないはずがない。こんなの、私には打撃でも何でもなかった。 (※ 20年以上経ったいま、落ちなかったら落ちなかったで面白いことになっていたのになぁ、と残念にも思う) この精神は四半世紀近く経ったいまでも変わらない。 私は、メールの返事を書かない。いや、最初の2~3回は書くが、それ以降、うやむやにしてしまうのだ。本当の友達であれば返事が多少 (=1~2年) 遅れても友達でいてくれるはず。そんな都合のいい考えを貫いてしまっている。こんな私と友達でいてくれるひとたちは素晴らしいなあ……と尊敬せずにもいられないのだが、いくら尊敬しても、自分の性癖は変わらないのだから、仕方ない。 そんな私が、今日、重い腰を上げて、一月に届いたあるメールの返事を書いた。ドイツに住む自称ドイツ語しか話さないドイツ人の友人からのメールの返事であった。彼女は私より少し年長で、もともとは相棒の知人であったのだが、ドイツ (の田舎) で紹介され、瞬く間に意気投合し、交友が始まったのだった。 思うに、日本人女性にとって、同年代のドイツ人女性と付き合うのは容易なことではない。なぜなら、気が合わない。男性相手に威張り散らしている体の大きなドイツ人女性と、どちらかというと男性に守られて (いるふりをして影で牛耳って) いるか弱い日本人女性とでは、まず、話が合わないのだ。が、私と彼女は、なぜかウマが合う。だから、私は、彼女との友情を大切にしたい。だから、たまには、はりきってメールを書くのだった。 今朝、私はそれを思い立ち、まずは一月に受け取った彼女からのメールを読み返してみた。読み慣れないドイツ語に目がチカチカする。なになに。あけましておめでとう、とある。ギャフン。好きそうなカレンダーがあるから送る、住所を教えて、とある。ギャフン。もう三月も終わろうとしてしまっている。 気を取り直して読み進める。ストリップの男性が出てるカレンダーだよ、絶対に気に入るはずだよ、とある。ギャ、ギャフン。 その他、質問、近況報告、エトセトラ。 結局、彼女に返事を書くのに、一時間近くかかってしまった。普段はえばっているが、本当をいうと、私は、ドイツ語が得意ではない。語学学校で2ヶ月間習い、あとは独学で身に付けてみただけの、めちゃくちゃ適当なべらぼうなドイツ語をしゃべっているのだ。 ドイツのレストランで働き始めた頃、ドイツ語力向上のために率先して電話を取るようにしていたのだが、「お持ち帰りでお願いします」 の、お持ち帰り、という表現がわからなくて、「ハア? 何ですか? どういう意味ですか?」 と食い下がり、「……。作っておいてください。後でお店に行きます。そしてそれを持って帰ります」 とお客さんに説明させたことがあるほどだ。そして、「なるほど! えっと、その単語、もう一度お願いしまっす!」 とまで頼み、苦笑させたことがあるほどだ。 こんな、レベルである。 せめて辞書が欲しいとも思うが、紙のはかさばるし、電子のは (お金が) かさむしで、入手困難。頼みの綱はオンライン辞書であるが、初級に毛が生えたようなレベルの私も、悲しいかな、完璧主義。探し当てた単語をさらに逆引きして、それが本当にふさわしい表現であるかどうか、確かめないことには気が済まない。 そんな調子で、二度手間、三度手間かけつつ、小一時間を費やし、ユーモアたっぷりの長文を書き上げたら、心身ともに疲労してしまった。しばらく日記を休んで、休養するかもしれない。そうなっても、悪しからず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 26, 2005 12:25:36 AM
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