再び!買い物 with ケチンボ
夕方。靴屋に行こう!DSW!と言う人がいたので、散歩がてら歩いて行くことにした。私たちはときどき散歩をする。そしてときどき拾い物をする。パン(未開封)や、今度産む(使用済み)や、リス(ご臨終)など。そして今日は鍵一式を拾ったのだった。私は、ちょっと迷ったが、その鍵を現場脇にある木の枝に掛けておくことにした。犯人が戻ってきたときに鍵を見つけやすいようにと、ちょっとした心遣いである。―― 場面変わって。DSW店内。相棒がおもむろにポケットからカードを取り出した。あっ、すっかり忘れてたけど、10ドルの割引クーポンがあったんじゃんか。そうか、今日が締め切りだから来たがったんだな、相棒の奴め。実は私には欲しいサンダル (水陸両用のヤツ) があった。それは、通常小売価格が56ドルのところをDSWでは39ドル…だったが、今日はさらに値引きされて半額!よーし!クーポンをよく読む。39.90ドル以上の買い物で10ドル引き…。うーん、あと20ドルか…。私は店内を一通りチェック。しかし、欲しいものが見つからない。じゃあ奴は? どうよ、何かあった? すると相棒、高校生が履くようなヒップなスニーカーを試着しているではないか。つか、似合えばいいよ、アンタ何歳でも。んでも!明らかに似合ってないんですけど!「何、それ、欲しいの?」 「いいえ、安いですから」 んじゃ買うなー!それからもあれこれ迷っったが (←しかも悪趣味)、しかし、 双方のお眼鏡にかなうものは見つからなかった。んま、いっか、私の半額のだけ買うか。つーか!いーから!引き下がるなっー!…どうしてもこの10ドル引きのクーポンを使いたいらしい相棒。店内すでに5周はしてる。店の戦法に踊らされてどーする!結局、結局、小1時間の後、かわいい帽子を見つけたので (←もちろん私用) それを買おうということになった。でもまだあと10ドル…。そこで私が考え付いたアイデアは、帽子をもう一個買って、うちの姉にお土産にあげればいいじゃんか!そしたら奴も感謝されて一石二鳥じゃんか! というもの。 どうよ、オイ?…これはなかなかうまいとこ突いたようだった。レジに直行。こうして今日の買い物劇は幕を閉じたのだった。ケチンボながらもなかなか良い結末。つか、奴、自分の物買ってないぞ。まぁ、そう落ち込むなって!帰り道。例の鍵はまだあった。私の正義感、もとい野次馬根性がムクムクと…。私はその鍵に指紋がつかないようにとジャージの袖で掴み取ると、50メートル先にある警察署 (24時間営業) へと運搬した。夜間営業のインターフォンを鳴らす。「 Hola 」「(な?スペイン語?)あのう、拾った鍵を届けに来たんですが。(←英語)」「あそう。どこで拾いましたか。」「すぐそこの角です。○○通りと××通りの。」「 Oh, that's Denver! 」「 ...Sorry? 」「それはデンバーですよ、デ・ン・バ・ア!」合点がいった。実は、私たちの住んでいるのはデンバーではない。デンバーのど真ん中にありながらも別の自治体という、ちょっと、バチカンぶった自治体なんである。50メートル先はもう管轄外。デンバー地区だから、デンバーの警察に届けるように、と言われてしまったのであった。だからそんな余計なことするからですよー! 相棒の言葉が耳に刺さる。鍵をここに置いて行けと言う。でもね、さっき、防犯カメラ目線でしゃべっちゃったのよ!だからスペイン語だったんじゃないのさ!(注: 生粋のアジア人顔ですが)結局、私はひとりトボトボと現場まで引き返し、鍵を木の枝に掛けてきたのだった。つまらんオチなのに長くてすいません。久々に買い物したんで浮かれてる、っつうことでお願い。