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2006.06.06
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カテゴリ:読書感想
神々の山嶺(いただき)(上)神々の山嶺(いただき)(下)

いや、面白かったです。後半、涙目になりながら読んでいるのに、ぽこに「むぎちゃ~!いちごおれ~!ぎゅうにゅう~!」とまくし立てられ、雰囲気ぶち壊しでしたが、読んでよかった1冊!

私は登山が大嫌いです。経験に基づいた嫌悪なので、もう2度と積極的に山に登ろうとは思いません。
高校の修学旅行が、尾瀬の登山だったのです。
白根、奥白根、至仏山、燧ケ岳を自分のレベルに合わせて3日間で登るというもの。
私は「怠慢コース」のちょっとしんどい方をチョイスして、白根と至仏に登ったのですが、これでも怠慢かよ!と毒づきたくなるほど死にそうでした。
酸素が薄くなると、判断力が低下するのですね。この本を読んでよくわかりました。
登山の先導をしているめちゃくちゃ怖いと評判だった体育科教諭に、
「いいかげんにしろ!後ろから蹴りいれてやる!」とわめきながら登ったんです。
正直、自分でも正気じゃないと思いました。でも、わめかなかったらもっと正気じゃなかった。
たかだか2000メートル級の山でも、こんなだったのです。

8000メートルなんて、想像もつかない。

その想像のつかない別世界、神の領域と言うにふさわしい世界に、この本ではほんの少し触れることが出来る。

読みながら、最初は嫌悪感でいっぱいだった。
なにしろ、私は山が、登山が大嫌いだ。
命がけで、お金もかけて、山に登るなんて、もうその時点で正気じゃないと思う。
だけど、そんなものにでも、情熱を傾ける人はすばらしいと思ったから、自分の子供が登山家になりたいと言い出しても、反対はしないと思ってた。
でも、読んでいる途中で、絶対に自分の子を登山家になんかさせないと思った。

読んでいると、何度も何度も問いかけがある。

「何故山に登るのか」

どんな答えも私には納得いかなかった。
羽生も深町も、答えが見つからなかった。「何故生きるのか」という問いと同じだから。
答えを見つけに山に登るのでもない。
私も山に登る人の気持ちはこれっぽっちも理解できない。
けれど、読み終わって、もし、私の子供が「何故だか分からないけど、山に登りたい」と言い出したとき、それを止めることはできないと思った。
反対はする。でもきっと、止められないのだと思った。
そして、止められないほどの衝動をもたらすものを得たことに、感謝するべきなのかもしれない。
それが山じゃなくても。
自分自身は、何かにここまでとらわれて生きていくのはごめんこうむりたいけれど。

それにしても、夢枕獏ってすごい作家だったんだな…。この話を思いついてから、書き上げるまで20年以上かかったそうです。その間、ヒマラヤに5回登ってる。実際の登山経験がなきゃ書けないだろうとは思ったけど…。(ベースキャンプまでみたいですが)
あとがきで、「書き残したことはない」「何も残っていない」と言っていましたが、渾身の力を振り絞ったことが十分に伝わる、傑作でした。
ああ、20年分の想いが結実したこの話に、十分な感想をいうには私の能力が足りなさ過ぎる…。

ぜひ、読んでみてください。





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Last updated  2006.06.06 18:43:14
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