2007/07/16(月)16:44
伝説の詐欺師が仕組んだ大バクチ・・・アッと息を呑むドンデン返し!? 「スティング」
「スティング」とは”蜂の一刺し”を意味する言葉だ。禁酒法が明けて間もない1936年のシカゴーー。
ギャング同士の抗争が頻発していた暗い時代の出来事である。このマチを仕切るギャングの大ボス、ロネガンに殺された仲間の復讐を果たすため、詐欺師たちが命を賭けて仕掛けた大バクチ劇だ。
伝説の詐欺師ゴンドルフ(ポール・ニューマン)とフッカー(ロバート・レッドフォード)たちは、”一流”詐欺師のプライドにかけて、血を流さずにスマートに大ボスから大金を巻き上げようと計画。いかさまポーカーやニセのノミ屋での競馬ギャンブルなど、用意周到な仕掛けで大ボスを引っ掛けていく。
そこにゴンドルフをマークするFBIの動きも絡み、ラストでは驚きのどんでん返しが待っている。
この映画の見どころは何と言っても脚本と演出の妙である。作品全体が紙芝居風に、「下ごしらえ」「引っ掛け」「シナリオ」「吊り店」「締め出し」「最後にぐっさり」の六つのパートに分けられ、ジャズ・ピアノをバックに軽妙に進展してゆく。
いたるところに伏線が張られ、騙し役が騙されていたり、仲間の筈だった人物が敵だったりと騙しのオン・パレードの連続である。
詐欺師が繰り出す華麗な技の数々も見逃せない。中でもニューマンのカードさばきたるや見事である。渡り鳥シリーズの小林旭もびっくりの妙技を見せてくれる。
「いかさま師が堅気の市民と同じじゃしまらねえ。明日から追われる身だ。荷造りをするさ」
大勝負の前夜、ゴンドルフはフッカーにそういうと鞄を出して荷造りをはじめる。
この映画はアカデミー賞7部門に輝いた作品だ。監督のジョージ・ロイ・ヒルは1930年代のシカゴを忠実に再現している。建物、衣装、小道具だけでなく、通りを行き交う車も、全て本物のクラシック・カーだ。なかでもロネガンが乗り回している車は、35年型のピアス・アローのセダンという貴重なものだそうだ。
知的な作品をお好きな方にはお勧めだ。日本映画の「白昼の死角」を思い出させてくれる。
1973年 アメリカ・カラー 監督 ジョージ・ロイ・ヒル 出演者 ポール・ニューマン ロバート・レッドフォード ロバート・ショウ
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