2007/09/29(土)23:03
あの人を見ないと1日が始まらない・・・「マイ・フェア・レディ」
ギリシャ神話を下地にした戯曲を原作に”現代のシンデレラ”を描き上げたミュージカル映画の金字塔!!
その1:”20世紀ミュージカルの最高傑作”と評された大ヒット舞台劇の映画化
ワーナー・ブラザースが「マイ・フェア・レディ」の映画化権を買い取ったのは1962年、価格は何と550万ドル(当時の約20億円)という空前の金額だった。
もっとも注目が集まったのは、みすぼらしい花売り娘から華麗なレディへ変貌を遂げるイライザ役を射止めるのは誰かということだった。最有力候補はブロードウエイの舞台でイライザ役を好演していたジュリー・アンドリュース。
ところが白羽の矢が立ったのはオードリー・ヘップバーンだった。知らせを受けた彼女は歓声を上げて家中飛び回ったそうだ。
その2:衣装は全1086種、費用は50万ドル
「全部着て練り歩きたいくらいだわ」とヘップバーンを感嘆させた豪華な衣装。デザインしたのはイギリス王室の宮廷写真家でもあった衣装デザイナー、セシル・ビートンである。
20世紀初頭エドワード朝時代のファッションはエレガントで、高い襟に細いウエスト、膝や膝下をすぼめた「ホブル・スカート」が特徴だった。社交界の華やかさを再現するためにビートンはサテンや金糸、ダチョウの羽など高級素材を使用したという。
ヘップバーンは撮影の合間に衣裳部屋に潜り込み、試着しては楽しんだそうだ。
その3:みすぼらしいアヒルから白鳥に変身
「おまえは腐れキャベツだ。だが私なら王女に仕立てられる」
ヒギンスの言葉にピッカリング大佐が答える。
「面白い。この娘を大使館の舞踏会に出す? 出来たら世界一の教授だ!」
”下品な”娘が優雅なレディに生まれ変わり、自我に目覚めていく過程を演じ分けたヘップバーンの演技力は実に見事と言うほかない。
その4:発音をマスター出来たイライザが喜びを歌う
「踊り明かそう」を熱唱するシーンはこの映画の白眉だ。
夜明けまで 踊り明かしたい
それでも踊り足りないわ
夜空に翼を広げ
見果てぬ夢をかなえてみたい
なぜかはわからないけど胸がときめくの・・・
ヘップバーンの懸命の努力も報われず、歌はほとんど吹き替えられた。吹き替えは陰の大女優マーニ・ニクソンという。「王様と私」のデボラ・カーや「ウエスト・サイド物語」のナタリー・ウッドの歌声も吹き替えた人だ。
撮影前からボイストレーニングで訓練し、撮影では全てのパートを歌い上げたオードリーだったが、ひどく打ちのめされたと言う。
その5:巧みなエンディングとは
どんな作品でもそうだが、エンディングが巧みだと席を立ちたくないものだ。
「僕のスリッパはどこ?」
戻ってきたイライザにヒギンズは訊ねる。ヒギンズの照れを巧みに表現した名ラストシーンといえるだろう。
「レディと花売り娘の違い、それはどう振舞うかではなくどう扱われるかです」
このセリフが、この映画の本質を突いているのではないだろうか。
1964年 アメリカ・カラー 監督 ジョージ・キューカー 出演 オードリー・ヘップバーン レックス・ハリソン スタンリー・ホロウェイ ウィルフリッド・ハイド・ホワイト
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