2008/02/24(日)19:20
ソウル・ミュージックの巨匠 レイ・チャールズの人生を描いた作品 「Ray レイ」
2004年、惜しまれつつこの世を去ったソウルの神様レイ・チャールズの波乱の人生を映画化! ジャイミー・フォックスがアカデミー主演男優賞を受賞。
その1: 幼い頃に視力を失いながらも 戦いとった人生の記録
1948年、17歳のレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)は、故郷の南部ジョージア州からシアトルに出て、音楽の活動を始めた。
幼い時、視力を失った彼は盲目の天才と呼ばれ、やがてバンドの一員としてツアーに参加するが、その頃に麻薬を覚える。レイが麻薬を覚えた裏には幼い頃に亡くした弟の死が起因していた。レイは溺死した弟の死の原因が自分にあると思い、トラウマに悩まされていたのである。
そんな中、54年にはゴスペル・シンガーのデラ・ビー(ケリー・ワシントン)と結婚、ソロのレコードでヒット。やがて息子が生まれたが、レイはバック・ヴォーカルのメアリー・アン・フィッシャー(アーンジャニュー・エリス)と愛人関係にあった。
さらに57年、レイは契約したヴォーカル・トリオ、レイレッツのメンバーであるマージー(レジーナ・キング)を新しい愛人に。次々に愛人を作るレイの精力は並外れていたのだろうか。
59年、一家はロスに移り、2人目の息子も誕生。レイはアトランティック・レコードからABCレコードに移籍し、60年に『我が心のジョージア』で初のグラミー賞を受賞した。
そして歌は次々にランキング入り。
あなたを求める切ない想い
言葉なんか空しい
私はこれからも生きてゆく
あの幸せだった日々
供に過ごした日々
悲しみは続く
時は止まったままだ
君がいないから
その2: 麻薬浸りの中 レイは頂点に上りつめたが・・・
レイは名声の裏で、ヘロイン浸りの生活を続けており、やがてマージーが麻薬で死亡。
妻はレイの麻薬をやめさせようとするが・・・
「打ちなさい、麻薬でも何でも。私は子供たちを連れて出ていくわ」
「出て行く気なんかないだろ」
「ない? 失うのが怖いのは家じゃなくあなたよ。あなた一人しかいない。だから見過ごしてきた。私も罪深いけど、もう限界・・・。麻薬を止めないと音楽を奪われて監獄行きよ、それでも麻薬を打つ?」
65年、レイはボストンの空港で、麻薬の密輸で逮捕。彼は自発的に更生クリニックに入った。
麻薬の禁断症状は恐ろしい。レイはベッドに縛りつけられのたうちまわるのだ。まさに悲惨の極地である。そして、やっとの思いで麻薬から足を洗ったのだ。同時に、彼を長年苦しめていた、弟の溺死事故のトラウマも克服出来た。
そして79年、ジョージア州は、かつてコンサートの契約違反で永久追放を宣告したレイの名誉を回復し、『我が心のジョージア』を州歌にしたのである。
その3: レイ・チャールスの光と影を描いた作品
この映画はレイの影の部分を余すところなく描き出している。弟の死、目が見えなくなる不幸にもめげず、最後には人生の勝利を勝ち取ったレイ・チャールスに敬意を表したい。
レイを演じたジェイミー・フォックスの演技は実に見事という他ない。レイになりきっていると感じた。
2004年 アメリカ・カラー 監督 テイラー・ハックフォード 出演 ジェイミー・フォックス ケリー・ワシントン シャロン・ウォーレン レジーナ・キング アーンジャニュー・エリス クリフトン・パウエル ハリー・レニックス リチャード・シフ カーティス・アームストロング
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