2008/08/19(火)11:50
いま 青春に明日があるか!? 「俺たちに明日はない」
大恐慌の30年代、テキサス州ダラスを中心に銀行強盗を繰り返し、派手に暴れ回るボニーとクライド。刹那に生きる二人ーー。
二人のい・の・ちは167発の銃弾を浴び、この世から消えた。映画では87発だったそうである。
その1: 衝撃のアメリカン・ニュー・シネマ第1作!!
艶めかしい唇のアップから映画はスタートする。陽光の中でベッドに横たわる全裸の女。車を盗もうとしている男を2階からみつけた女は、裸身にワンピース一枚をまとい、急勾配の階段を大股で下りていく。裾の乱れを、真下から捉えるカメラ・・・。まさに開巻早々から度肝を抜くシーンだ。
ボニー(フェイ・ダナウェイ)とクライド(ウォーレン・ビーティ)は、出会った瞬間から互いに好きになる。旅に出た二人は途中で車のメカに強いC・W(マイケル・J・ポラード)やクライドの兄バック(ジーン・ハックマン)夫婦が仲間に加わり、西部を股に架けた銀行強盗を続ける。
「ボニー、君はただの女じゃない。ぼくと一緒に何かを求め続ける女だ。このテキサスからミズーリまで股にかけて皆を驚かすんだ」
クライドのセリフにボニーはコロッと。
銀行に押し入る二人、出入り口に並んで拳銃を構える。
「われわれはバロー・ギャングです。騒ぐと体に悪いですよ」
あっさり大金を手に入れる二人、鮮血に染まる警官を残して・・・・。
その2: 警察の追及は日毎にきびしくなり 次第に追い詰められていく
二人はクライドの姓から”バロー・ギャングと呼ばれていた。
「初めのうちは世界を征服したみたいだった。もう終わりね。逃げるだけ」
逃亡のさなか、ホテルで一時の休息をとるクライドとボニー、クライドに身を寄せて云うボニーが哀れだ。
逃亡に疲れたボニーを彼女の母親の家に連れていくクライド。
久しぶりに母親に会ったボニー、「いずれはママの家のそばに住みたい」というのだが、母親は「すぐに捕まってしまうよ」とさびしく答える。
「もしも急に何かの奇跡が起きて、真人間の暮らしが出来たなら・・・」
性的不能者だったクライドは初めてボニーと結ばれ、強盗から足を洗った”新しい人生”を夢見るようになるのだが・・・時は既に遅かった。
その3: ”死のダンス”を舞う二人の壮絶なラストシーン
警察官に包囲された二人は、銃弾の嵐に見舞われる。弾丸を受けるたびに、二人の体はのけぞり、吹き飛ばされる。容赦ない警官の銃撃で、二人の体は”蜂の巣”となったのである。打ち込まれた銃弾は87発だった。
23歳と24歳の短い生涯、二人は未来を燃やし尽くしたのであろうか。青春とはかくも美しく、かくも残酷なものである。だが、所詮、アウトローに未来はないのだ。
1967年 アメリカ・カラー 監督 アーサー・ベン 出演 ウォーレン・ビーティ フェイ・ダナウェイ ジーン・ハックマン
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