シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

2008/11/15(土)15:37

愛し合う二人は仇同士!? 「SHINOBI」

松竹映画(27)

奇想天外なアクション、妖艶な秘術など、独自の世界観で忍者を描き、一世を風靡した鬼才・山田風太郎の傑作小説「甲賀忍法帖」。 本作「SHINOBI」は、その「甲賀忍法帖」を原作として、愛し合いながらも殺し合わなくてはならない男女を中心に、殺しのためだけに世に生み出された影の存在、伊賀流と甲賀流の”忍”たちの壮絶なバトルを描いた、究極のラブ・スペクタクル大作だ。 主演は、TVドラマ「ごくせん」で大ブームを巻き起こた人気女優・仲間由紀恵、「血と骨」や「メゾン・ド・ヒミコ」などの話題作に出演、人気と実力を兼ね備えるオダギリジョー。その他、実力派の椎名桔平や、黒谷友香、沢尻エリカといった豪華な顔ぶれが競演する。 監督は、斬新な映像美で注目を集める映像クリエイター・下山天。日本独自の景観美とスタイリッシュでダイナミックなアクションを融合させ、全く新しい映像世界を生み出している。最新のモーションキャプチャーとVFXで映し出される”忍術”の迫力ある映像は必見だ。 その1: 闘いの道具としてのみ”生”を許された忍者とは 1614年。初代・服部半蔵との約定で、長きに渡って戦うことを禁じられ、憎しみ合って来た忍者の二大勢力・伊賀と甲賀。だが、伊賀“鍔隠れの里”の党首・お幻の孫である朧(仲間由紀恵)と、甲賀“卍谷”の党首・弾正の跡継ぎ・弦之介(オダギリジョー)は、互いの身分を知ることなく出会い、秘かな愛を育んでいた。 「弦之介さまと結ばれるのは、夢の中の・・・」 「朧、二人だけで祝言を挙げよう。・・・もう誰も二人を引き離すことは出来ん」 そんなふたりに悲劇が起こる。天下人・徳川家康の命によって、伊賀と甲賀、5対5の忍術合戦を強いられたのである。しかも、その結果次第で次期将軍を決めると言うのだ。 かくして、各5人の精鋭のうちのひとりに選ばれた朧と弦之介は、敵同士として戦う破目になるが、実はその指令の裏には、天下統一、泰平の世を目指す家康と側近・南光坊天海の、“忍の根絶やし”と言う真の目的が隠されていた。 「大御所の座興に何故我々の命を賭けねばならんのですか」 と疑問を持つ弦之介。 「我々は武器だ。それを使おうとするものが無ければ、我らに役目はない。敵が無ければ生きる道はないのだ。・・・それが忍びだ」 弾正はこう答える。 ただひとり隠れ里の危機を予測し、何とかして戦いを回避させようとする弦之介。 朧と逢う弦之介。 「諦めるな、さだめとは我ら二人でつくるもの」 「弦之介さま・・・」 ヒシと抱き合う二人。 しかし、伊賀甲賀忍法争いの禁は解かれ壮絶な戦いが展開される。 その2: 人間技とは思えないすさまじい技の応酬 VFXでのみ成し遂げられた闘争 伊賀の鍵爪を武器とする野生児・蓑念鬼、糸で敵を切り裂く夜叉丸、毒蛾を操る少女・蛍火、冷徹な策士・薬師寺天膳、甲賀の先読みに長けた盲目の室賀豹馬、棒手裏剣の名手・筑摩小四郎、何人にも姿を変える如月左衛門、体内で猛毒を発生させる妖艶な美女・陽炎。 彼らが戦って、次々と命を落としていく。そして、朧と弦之介の宿命の対決――弦之介は、朧に両里の命運を託すと、彼女と戦おうとせず、刺されて絶命した。 こうして、最後まで生き残り駿府へと上がった朧は、弦之介の遺志を全うすべく、時を同じくして開始された双方の里への攻撃を中止してくれるよう家康に上申する。果たして願いは聞き入れられるのか・・・・・。 その3: クレジットの短いのは何故?  見ていて気になったのは、スタッフ・キャストのクレジットが短いことだ。読み切れない。 それと仲間由紀恵が馬を疾駆させて敵を追いかけるシーン。彼女の馬の何と速いこと。どうでもいいような事だが、手を抜かないでほしい。 2005年 松竹・カラー 監督 下山天 出演  仲間由紀恵 オダギリ ジョー 椎名桔平  黒谷友香 沢尻エリカ 升毅 坂口拓 虎牙光輝 伊藤俊 木下ほうか

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