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愛し愛されて生きるのさ。

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あきひこ827

あきひこ827

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2003.12.01
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カテゴリ:カテゴリ未分類
芸能界というところは「まさかこんなことになるなんて…」という意外性に満ちている。dosにおける勝ち組が実はKABAちゃんだったなんて誰が想像したであろう。

そんな芸能界の中でも「まさかこんなことになるなんて…」と思わせられるのが安室奈美恵である。一時期のギャルカリスマの座を浜崎あゆみに取って奪われた彼女には、当時の威光はほとんどない。

10代前半で沖縄から単身上京→地黒なガールズユニット・超猿軍団(スーパーモンキーズ)の一員としてデビューするも泣かず飛ばず→ドラマやバラエティに果敢にトライし知名度を高めたところで、起死回生の一発『TRY ME~私を信じて~』が大ヒット。

下積み期を経て大ヒットまで至ったとき、彼女はそれでもまだ18歳であった。

その後、もはやバックダンサーと化していた超猿軍団をかなぐり捨て、『Body Feels EXIT』で小室ファミリーに加入。ここから安室バブル期に突入する。出す曲出す曲ミリオンヒットをかまし、『CAN YOU CELEBRATE?』に至ってはダブルミリオンだかトリプルミリオンだか、とにかく凄い量をさばいたわけである。

その後、20歳にして唐突にTRFのSAMとできちゃった結婚を発表。育児休暇を取り、紅白歌合戦で復帰。そこで『CAN YOU CELEBRATE?』を歌った彼女は、会場の「おかえり~」コールに涙。この紅白で大トリだった和田アキ子は「この雰囲気じゃ大トリのアタシの立場がないわ」と思ったのか、突如地声で歌いだすというハプニングも起こる。

そんなこんなで順風満帆だった彼女のライフストーリーは、「母親が親戚に殺される」という俄かに信じがたいトラブルに見舞われる。世間の同情と注目を一心に浴びながらも気丈に振舞う彼女の姿はやはり痛々しかった。

そして彼女のカリスマ的な地位が失墜したのは「離婚」ではなかったか。「本腰入れて歌を歌いたい」という彼女は、ダンナよりも息子よりも歌を選択したのである。世間の女性から「仕事も育児も両立して偉い」というコンセンサスを得ていた彼女のイメージは、離婚によってマイナスイメージへと転換してしまった。

その後、発表された曲はアメリカの本場R&Bを意識したような作りで、一般大衆には少々とっつきにくい内容になっておりセールスも失速。現在は同じエイベックスの浜崎あゆみに大きく水をあけられている状態である。

しかし彼女の歌とダンスには、なんというかプロとしてのコクが滲んでいるように思える。いっても彼女はまだ26歳である。普通の26歳と人生経験を比較したら、ハンパじゃなく波乱万丈の人生である。「熱愛」とか「不倫」などの芸能人のスキャンダルというのは、一般社会に置き換えれば大したレベルの話ではない。しかし彼女はそんなレベルを超越した人生を経て現在に至っている。そんな「影」の部分が歌とダンスに現れ、えもいわれぬ効果を生み出している。

離婚した直後、SAMは浜崎あゆみから熱烈アプローチを受け安室の元を去った。
一緒にユニットを結成していたZEEBRAも気づいたらBoAの元に走っていた。このZEEBRAとBoAのユニットと一緒に『ミュージックステーション』に出演した安室奈美恵の目がどことなく淋しげだったのが印象的だった。「アンタもやっぱり若い女がいいのね」とでも言っているかのように。

テレビで見るだけの私にも、安室奈美恵には「孤独」を感じる。結局彼女は「気がついたら独り」になっていた。多感な青春時代を毒にまみれた芸能界で過ごした彼女には友達も少ないようだ。「孤独」という要素は時に「凄み」に変容する。彼女のCDのジャケット写真は最近とみに凄みが増してきた。挑戦的にカメラを睨む彼女の視線には、声にならない叫びのようなものが感じられるのは私だけであろうか。

私はこの文章を打つときに「安室」という苗字が一発変換できないために、いったん「霊安室」と打って「霊」を消している。それもなんだか不吉というか薄幸感に拍車をかけている。名前が持つ言霊が安室奈美恵に陰を落としているのかもしれない。

彼女はなんというかカルマのようなものを背負いながら歌っているように思える。それが聴く人によってはとても魅力的である。
早くに成熟してしまった安室奈美恵の旬は過ぎてしまったような風潮ではあるが、果物でも腐って地に落ちる直前が一番旨いと言う。

売れる売れないは別として、安室奈美恵の旬はきっとまたやってくる。
それを見逃さないように目を凝らしている次第である。





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最終更新日  2003.12.02 00:53:43
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