ぷろぐれ者がゆく!

2006/08/10(木)18:10

ケープル類の取り扱い

PA(4)

マイクケーブル、楽器用のシールド、ミキサー卓周辺の音響機器の立ち上げケーブル、スピーカーケーブル、MIDI機器の接続ケーブル、スタジオでのパッチケーブル、電源ケーブル等など。 ケーブル類はイベントを進行させる為、または録音を行う為の目にみえない血管の様なもの。 事、音響関連でのケーブル類は様々に存在する。もちろんビデオ等を取り扱うとなれば尚更その煩雑さは増す一方であるし、プロの現場ともなれば照明や舞台装置など他のシステムとの兼ね合いまで考えなくてはならない。 あなたもコンピュータ使用や自宅録音等でセッティングしたり後片付けに辟易としたり、こんがらがったケーブルや癖がついたりした難物に手を焼いた経験が無いだろうか? イベントやコンサート等での現場でも、スタジオ等でもそうであるが、ケーブルの取り扱いは携わるスタッフに取ってはまず第一に学ばなくてはならない基本中の基本。この事はプロでも趣味のアマチュアにおいても重要度は変わらないのである。 もしも、正しく取り扱われていないケーブル類がそこに混じっているとすれば、音声が途切れたりする断線やプラグ破損、ノイズの混入、酷い場合には間違えたケーブルの使用による音声の変調や機器の破損まで及びかねない重大な問題になるのである。音に不具合が出た場合その原因がどこに起因するものであるかを、速やか且つ特定しやすくする為にも普段からの管理と取り扱いの基礎はとても重要な事になる。 個人的にDTMを楽しみにされる方なら御判り頂けるものと思うが。ギタリストでもキーボーディストでも多くのエフェクターや楽器用の調整卓を使う現代である。多くの方は自分のシールドケーブルを大切に使われていると思う。日本においてのシンセサイザーの創生期からの第一人者として知られる冨田勲氏も「プラグも手入れを始めるときりがなくて、1日仕事になってしまう」とぼやかれたインタビューもあったが、それほどにケーブルの扱いは大切なものであり、いい加減にすればするほど後々のトラブルのリスクを高めてしまう。 散々脅かす様に書いてきたがケーブルの取り扱いは、本来は非常に簡単なもの。 音楽に限らず多くの生活の場においても生かして頂けたら幸いである。 ======================== 1、巻き取りかた。 ケーブルは片手にプラグ側、もう片手にケーブルを持ち、両手を軽く広げたくらいの長さに開き、その後両手を合わせる動きで大体一周が60~70センチ程の輪に出来ると思う(手の長さなど個人差はあるが)。この時に一旦ケーブルをほどいて左右によじれが出ないようにしておくのがやりやすい。コツとしては最初の輪を巻いたら次の連続動作で出来る輪を逆サイドへ、交互に巻いて行くとよじれ防止にもなり「次に使う時に使いやすくなる」。何故この様な事をするのかというと全ては「次回利用への備え」に繋がるからだ。ギター等楽器類の細身の5m位のケーブルならケースに収納し易く直径20cm程にコンパクトにして置く事でいい。要はケースバイケース。 無論、家庭用の1メートル前後のケーブル等は業務用ほど長くはないので、短いものは巻かずにフックに引っかけて置くだけでもいいし、軽く癖が付かない程度に巻くのでもいい。 ケーブルをたくさん使う自宅録音の個人やスタジオでは洋服用のハンガーラックを流用している人もいる。 またこの時にケーブルに妙な癖や痛みがあるならば、補修や買い直しの為にも他の正常なケーブルとは分けて置く事も重要。その欠陥に気がつかずに他の人が使ったりして生じるトラブルを未然に防げる為。自宅録音派の人やバンドでたくさんのエフェクター等を利用する人ならおわかりですよね。 悪い例としてよくケーブルの端と端を最初に束ねて、半分 また半分と折り曲げている方がいるが「基本的に電流の通るケーブル類は折らない」のが望ましい。断線や折れ曲がりを引き起こす引き金になるからだ。 ましてや長いケーブルの巻き終わり部分をそのケーブル自身で巻き締めるとかをしてはいけない。 マイクや楽器等ステージ側ではない反対側の受け側に留め紐等を付けておき、回収時にはステージ側から巻き取り最後に紐で締めるものである。これは次回の使用時にケーブル展開を速やかに行う為にもなる。 (家庭用の短いケーブルにおいては紐を付けるまで無く整頓可能なのであくまでも用途による。) また素早さを求めて片手の肘と手のひらの間の長さを使い、肘と手のひらの間を廻すように巻き取る人もいるが、これもいらぬ癖をケーブルに付ける原因となる。 私自身も音響用のマルチケーブル(20本前後やそれ以上の音声を一本の太いケーブル内に収容し、ステージ上から観客後方などにある音響の調整卓・ミキサーまで持って行くもの)を利用者にいい加減な使い方をされて、プラグをばらして煩雑なメンテナンスに手間を取らされた事もある(苦笑)。 もしもライブ終了後等で退出時間に追われていて仕方なくその巻きかたでグチャグチャに撤去しなくてはならないとしても、会社や自宅に戻った後にケーブルの手入れをしながらきちんと巻き直す。次の利用時にトラブルを引きずらない為に。 楽器を演奏する人なら自分の楽器やエフェクター等共々各種のケーブルは大事にされている事だろう。 2、利用時にばら撒かない。 ケーブル利用時には、配線を散らばらせる事無く整理した上に、足に掛らぬ用に隅に寄せる。 多くの楽器をライブで使う人は配線を予め取りまとめるように工夫している方もよくいるし、ケーブルを色分けしたり、プラグ付近にタグでどれに繋ぐものなのかを書き込んでいるケースも多い。 ケーブルのセッティングと片づけは慣れと工夫を生かせばいくらでも時間の短縮を図れる。またせっかくのステージや舞台等の際に煩雑な作業に惑わされる事を軽減し、よりイベントの充実の方へチカラと情熱を集中できるのである。家庭でも煩雑な電源・USB・ネット用ケーブルなんかをそのまま放置しておいて、うっかり足にひっかけてしまい、結果大切なノートPCやゲーム機が壊れちゃったりしていませんか?(笑) 自宅録音に常用のセッティングをしている人ならば、配線の整理の重要さはおわかりであろう。 舞台の現場ではマイク等に使われるプロユースのバランス型のケーブルを長さや用途別に色分けしているケースもよくある。これは現場で素早く判断を下し、速やかにセッティングする際に逐一ケーブル長や用途等を確認している暇はないからである。 また、各業者や出演者との共同作業でケーブルの行方が判らなくなるのを防ぐ為に会社名や管理番号等を書き込んでいたり、マークやタグを付けて管理しているケースもある。 3、片づけのあとは整理して。 片づけたら専用の置き場に置いておく事をオススメ。ギタリストで壁にギターやケーブルを整理して掛けている人もいるが、壁をわざわざ傷つけることも無い。何かしら余裕のある棚・袋・箱等に整理して使いやすく収納しておけばいいだけだ。外回りの音響ではドラムのスネアケース等に収納している人もいた。用は使いやすさと整頓のしやすさ。痛んでいれば暇を見て補修し、屋外の汚れ等が付いたらなら天気の良い日にバケツに水を汲み、少々の中性洗剤で汚れを浮かしてとったり、ガムテープあと等しつこい物には機器のメンテナンス用の無水アルコール等を若干使い硬化する前に拭き取るのもいい。有機溶剤等は機器に悪影響を与えるので使用しない方がいい。整理後は乾拭きし、風通しの良い場所に陰干しすると良いと思う。プラグ部分はサビ等での接点不良を防ぐ意味でもくれぐれも濡らさないようにし、クリーナー等で拭き取った後は乾拭きしておけばよい。間違ってもバケツの水のなかにケーブルを放りこんだりしないように(爆)。あとで感電や漏電しては何もならない。 ========================= あと、これは本当に基本的な事だけど差してあるプラグを引き抜く際に、プラグでは無く横着してケーブルを引っ張って抜く人がいる。もってのほかである。 日常の電源コードでもプロ用マイクケーブルでもお子さんのゲーム機でも皆さんのPCでもそうであるが、プラグをみれば持ち易いように滑り止めのギザギザ等が見て取れるだろう。プラグはプラグを持って取り扱う。 昔、取引先の若い幹部がマルチケーブルやトランスボックスを動かす際に本体を持ち上げず、ケーブルを持って引っ張り上げた際に思わず声を荒げて怒った事があるが、それほどケーブルと言うものは重要なものなのである。知り合いの故人ではあるが某照明関係でも、セッティングのミスで漏電火災が起こりイベントが数日中断する重大な事故もあった。家庭でもしかり、けっしてケーブルの取り扱いは馬鹿に出来ません。もし埃が被るような配線の環境があったなら、この際一度ばらして整理整頓するのも良いかもしれませんね。きっとすっきりしますよ♪

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