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テーマ:キングクリムゾン(653)
カテゴリ:キングクリムゾンメンバーズワーク
70年代後半の円高に伴う輸入盤ブームの当時、ヒット作ばかりが店頭に並んだわけではなく、これ誰?という無名アーチストの作品もたくさん並んでいた。特にバーゲン品コーナーには処分品LPがわんさかあって、今思い出すと珍品にあたる作品もひょっこり見つけられたりしたもんであった。AppleレーベルのLPが捨値だったり、コリン・スコットの米盤やアレクシ・スコーナーのスネイプ米盤がよく見受けられた。クリムゾンの太陽と戦慄のミスプリント英盤(両方ともにA面)とかエラー品なんぞがわざわざ売られてた事も。そんな中でカットアウト品(LPの角を切り落としてB級品として廉価販売)もたくさんあり、ひょこっと妙なお買い得品を手に入れたりしたもの。
今回のロニー・チャールズのLPもそんな一枚にあたる。当時大量のLPを店頭で見るときには、ズババババっと手早く目で確かめるしかなかったので、ジャケットのクレジット欄は購入における重要なポイントだった。今みたいにネットで下調べなんてありえない時代でしたからね。最初にこのLPを御茶ノ水で見た時も黒地に斜めに切り込まれたスリットの隙間から覗く妙な顔つきが、まるで時計仕掛けのオレンジを思い起こさせたので、つい裏面をじっくりをみたのだと思う。で、70年代中期にポップスへのセッション活動がほとんど無くなっていたキース・ティペットの名前を発見して、バーゲン品を友人分含め2枚買ったように記憶している。 当時のキースは、OGUNレコードをベースにジャズ活動がほとんどで、同時期のポップス系セッション参加は、アーサー・ブラウンのDANCEくらいだと思う。アーサーのLPでのセッションがフォーク系セッションで見せるしっとりとしたプレイなのと比べると、このロニー・チャールズのLPタイトル曲でのピアノは、珍しいほどクラシカル。いつも以上に細やかな流麗さを改めて聴き直して気が付いた。キース(タイトル曲のみ参加)の他にはハービー・フラワーズやラビットらが参加している。 ロニーの声質はロジャー・チャップマンから灰汁を取り去ったかのような渋めのスタイルで悪くない。今聴くと割りといいアルバムだと再確認w とはいえ、高い値段払って買えとはいいません。安く手に入ればラッキーじゃないでしょうか。ジャケットがせっかくのイケメンをわざわざ隠すようなデザインだったのも余り売れなかった原因だったのかも? 現在もこのLPはSS(未開封)状態米盤が海外通販で10~20ドル程度で見つかるし、CDも一時出ていたようである。プレミア専門店だと50ドル以上吹っかけられるので要注意w ロンドンシンフォニーとイングリッシュ・チャンバー・クアイアの参加したゴージャスなラインナップが、プレミアの原因なんだろうか? もしもこれから手に入れようというのならば、Gemmやebayあたりがいいかもしれませんね。安い中古は7ドル程度からあるようです。 ロニー・チャールズは60年代から活動している人で、オーストラリア系なんだろう。活動歴は以下の通り。 The Jackson Kings 1965-1966 The Groop 1966-1969 Pastoral Symphony 1968 Captain Australia and The Honky Tonk 1970-1971 Nova Express 1971 Atlas (英国での活動) 1971-1974 Ronnie Charles Band(この作品の当時) White Light Orchestra 1986 Turbo Luv Nuns 1987- The Groop 1989 Running Scared 1989 Post Mortem 1989 more と言う事でYOUTUBEを漁ったら、案外このひとの動画もあったので参考程度にご紹介。 ロニー加入後の5人編成時のThe Group WOMAN YOU'RE BREAKING ME (1967) by The Groop http://www.youtube.com/watch?v=OeI8-cHArG4 ロニーのブレイクしたバンドだったらしいザ・グループ在籍時の8mm映像(音無しw) The Group (No Sound) 1968 Ronnie Charles http://www.youtube.com/watch?v=nZcjBHrH0P4 売り出し中と言う感じのモノクロ映像インタビュー Hit Scene: Ronnie Charles, Mick Jagger, Record Review, Valentines 1969 http://www.youtube.com/watch?v=tygGd5IcsK4&fmt=22 ソロアルバムの曲 Ronnie Charles Drift Away http://www.youtube.com/watch?v=BCyIHrgnL9k&fmt=22 ソロアルバムラストにはあの「レイラ」 Ronnie Charles-Layla http://www.youtube.com/watch?v=9rzgdOK5jDM&fmt=22 21世紀になっても歌っています Love The oNe You're With (2006) http://www.youtube.com/watch?v=7QJFpe0lND4&fmt=22 現在の活動は Ronnie Charles and The Retro Bandits http://www.entertainmentdepot.com.au/artist_profile.php/42 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 9, 2010 05:48:51 AM
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