サワディカ~(こんにちは)な夜
ご近所なのに半年以上会っていないSちゃんと、久しぶりにごはんを食べに行く。去年、2年半におよぶ家族介護の末にお父さんを亡くしてから、お母さんがすっかりうつになって、あまり家を空けられない日々が続いていたSちゃんとは、なかなか夜,会えなかった。今日は、そのお母さんが、自分の妹の家に泊まりに行ったので、急に時間ができたらしい。不意のお誘いで、しかも私は6時からのセミナー終了後だったので、帰りが遅くなるならお互い、家の近所がいいよねということで、店を吟味する余裕もなく、9時近くに双方の家から等距離(三角形の頂点にあるタイ料理店アルンへ。ここは家族経営の小さなお店で、50代くらいのご店主がオーダーとお酒の担当で、奥の厨房でタイ人の奥さんが料理をつくる、典型的なパパママレストラン。混んでいるとオーダーがなかなか出てこないが、おいしいのでたまに行きたくなる。国際結婚は妻の国に居を定めると上手くいくといわれるけど、我が家の近所にも、ハバロフスク出身のロシア人の奥さんが腕を振るっているロシア料理店があるし、妻のスキルで生計が成り立つ場合は、その限りでない。そういや友人の友人はイタリア人と結婚して、かの地で民宿を経営しているが、彼女も宿の切り盛りを一人でやって、髪結い亭主のご主人を養っているな。閑話休題。Sちゃん、去年は不眠で顔色悪かったけど、元気っぽくて安心した。私の髪型が変わったので驚いていたが、春にはこのヘアスタイルだったので、それだけ会ってないってことか。S家は質素な暮らしぶりだが実は資産家で、別荘は3件、マンション2件、船橋と本所に家があるのに、お母さんは今度は「近くに畑が欲しい」と言い出しているらしい。土いじりがしたいのだそうだ。夫を亡くして傷心の母を元気にするためなら、なんでもしてやりたいという娘心は理解できるが、実際に23区内に野菜を作るためだけの土地を探し始めているのにはびっくりした。たしか以前も、お父さんのためにと平屋バリアフリーの一戸建てを建築したものの、完成前に亡くなられたので、結局一度も住まないうちに手放しているんだよね。普通なら今住んでいる家を改装するなりして対応すると思うんだが、余命いくばくもない家族のために新たに更地を買ってしまうあたりが、どんだけ資産があるんだと思う。しかしご本人はまったくのシンプルライフで、なにしろ今日も、二人とも飲むと分かっているのに、自転車でレストランに行くんだよ? このまっとうさと「家」のことになるとタガがはずれる金銭感覚のギャップが不思議。とりあえずタダ券をいただいたので、今週末は目黒雅叙園にカーリーの花展を見に行く約束をする。涼しくなったから気合を入れてきものを着て行こうと意気投合。あそこのでろりな百段階段に負けないようなきものはもってないので(負けないのは振袖か紅型ぐらいだろう)、ヘンな見栄を張らずに普通につむぎで行く。まあ袋帯締めるの面倒だから、柔らかものはハナから着る気はないわけだが。 本日食べたタイ料理。ヤムウンセン以外は名前が覚えられない。でもどれも辛くて甘くてすっぱくて苦くてうまい! 人参でつくったバラとか、もって帰りたいようなカービングがついていた。どうやったらこんなのがつくれるの?