毎日1人に2000ポイントが当たる楽天ブログラッキーくじ

1464935
HOME \| DIARY \| PROFILE	【フォローする】【ログイン】

日々是徒然

カテゴリ別記事

よく読まれている記事

お気に入りブログ

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2010年11月の記事

全21件 (21件中 1-21件目)

1

『誰寝』と『とりぱん』新刊でたっ！

年に２回のお楽しみが、この『誰も寝てはならぬ』と『とりぱん』のモーニングコンビ。よく続いておるなあ。　　「誰寝」は既に14巻。相変わらずのペースで、年をとらないクリエイターなおっちゃんたちの大阪弁日常ライフは大好きだ。この人の漫画で文字で読むと、大阪弁が怖くないのに、音声で聞くとやっぱり怖いのよね。同じ作者の10数年前（バブル時代）の「大阪豆ごはん」の頃は、３姉妹の３女と同じトシくらいかなと思ったけど、「誰寝」の大阪にある芸大トリオは、今いったいいくつなんだろう。40は超えていると思うが、すでに私より年下よね（涙）。それにしても恋愛クライマー（爆）なゴロちゃんは別として、あとの二人は純心すぎやしないかい。おっちゃんは40過ぎても、気になる女の子に胸をときめかすものなのかしら。ホントはもっとえろいこといっぱい考えているくせに、手出しできないとな情けなや。でもそんなオクテな40代というのも、漫画で読む限りはほほえましい。だってリアル40代クリエイターなんて、ただヤらしいだけだもんな。半年ぶりに読んでみたら、ハルキちゃんがかかとを粉砕骨折していたことを思い出した。ちゃんと続いているんだなあ、ストーリーが（笑）。そしてかかとの皮膚は再生しにくいとか、血栓防止の装置とか、新たな医療情報も取得する（笑）。外科で入院、しかも男子だと、たくさん見舞いにきていいなあ。誰もが病院の隣のスタバでタンブラーとクッキーを買ってくるので、いっぱい溜まる、というあたりがおかしい。女子だと、スッピンで髪もボサボサだから、やたらめったら見舞いに来てほしくないんだよね。わが母などは、入院中も朝からきっちり化粧して、「顔色がわからないでしょ」とナースにしかられていたが。今回もっと爆笑したのが、ヤーマダくんにバイトシスターズがイマドキの女子ファッションの解説をするところだった。ヤーマダくんの理解が笑える。だって「森ガール」は森ビルをうろつく女のことで、ボーイフレンドデニムは「旦那か息子のお下がりか？　俺のはかなくなったデニムいる？」とかさ。いいなあこういうボサボサのおやじ。でも絵本を書かせるとヒットしたりするんだぜ。工作機械擬人化モノだが。そうそう、久々にラリードライバーの似顔絵がちょこっと出てきてうれしかった。サインツはすぐわかったけど、あとはマクレーかな。・・・マクレー、死んじゃったんだよねえ。かなりショックだったよ。スコットランド訛りの英語というものが、フランス人やスイス人の話す英語より聞き取りにくいことを知ったのは、マクレーのインタビューを聞いてからだった。そして今回、「誰寝」と一緒に並んでいたのが、「猫寝」。ご存知、ハルキちゃんのラバーたるロシアンブルーの利休之助が主人公の編集版。モーニングは以前、山下和美さんの「柳沢教授」シリーズで、タマばっかりの単行本を編んだこともあったから、こんなの簡単だろうけど、よほどの「誰寝」のファンでもなければ、帯にあったキャッチコピーのように「ちっとも可愛くない猫マンガ」かもしれない。しかも表紙なんて５分で描けちゃうような超シンプル（なんたってバックは白！）で、作者の脱力加減がうかがえるし。でもシールまでつけちゃって、定価も押さえ気味だし、大盤振る舞いだわ。そして私は女王様気質のリキューちゃんが大好きなのよ。我が家の黒猫もほぼ同じような性格してんだよね。そしてそういう気質の猫に仕えるのが最大の喜びだったりするんだよ。　『とりぱん（10）』。帯にびびったよ。なんでエロイカのコンビがいるの？　秋田書店なのに（笑）。もしかして、とりのさんって、青池さんのアシスタントだったのかしら。おいしすぎる（笑）。あいかわらずのエコでロハスなスローライフで、都会でそれをめざすととってもコストパフォーマンスが悪くて、エラくお金のかかるナチュラルライフになるんだが、岩手の田舎だと、お金がかからない代わりにただ田舎くさいだけだ。でもそれが都会人にはうらやましいんだよね。最近、ベニシアさんみたいなガーデニング三昧の生活にも憧れたりして、自分もナチュラルライフ志向が入ってきたが（単に年取ってきたからだろう）、とにかく一から手作りということに馴染まない人間なので、憧れは憧れで終わる可能性大だな。

2010.11.30

コメント(0)
『夜間診療所』水原とほる

夜間診療所価格：580円（税込、送料別）『夜間診療所』水原とほる数ヶ月ぶりの水原さんの新刊。今回はめずらしく医者ものだった。水原作品で医療職って初めてかな？　でもいわくありげな夜間診療所で、ほとんど保険診療外という現代の赤ひげ先生っぽいんだが。そして患者はどんぱちで切った張ったのヤクザもんも、一般病院に行けない事情の不法滞在者も、なんでもありだったけど、肝心の恋愛ごとはピュアピュアな学生と医者と、医者のモトカレとの三角関係で、それほど荒れない、おとなし目の展開だった。30半ばのうらぶれたおっさんふう医師が受で、しかもMだったというあたりが水原作品らしいけど、執着攻っぽい年下のモトカレも、12歳年下のジャーナリスト志望青年も、あこぎなことは要求しない、常識人でよかったというか、物足りないというか。年下攻を紛争地帯専門のジャーナリスト志望にしたのは、昨今のタイあたりの政変クーデターや東南アジアのあちこちで起きている軍事クーデターにインスパイヤされたかな。確か、どっかで監禁されたなかに日本人学生もいたような記憶が。よくビザが下りたもんだ。タイのように、世界中から観光客が押し寄せるような国でも、軍部による治安統治は日常茶飯事で、今年の春にも日本人カメラマンが巻き込まれてなくなっているはずだ。料理研究家のマダムなお友だちは、今年もバンコクの大学に日本料理を教えに行く予定だったのに、このおかげで流れた。安全は自己責任とはいえ、リスクマネジメントの何たるかを知らないお気楽な日本人が行ったら、何が起きても不思議じゃないよね。気をつけて。で、お話に戻ると、歌舞伎町あたりで夜だけやってるクリニックの医師と、ジャーナリスト、人格に難ありで生きにくい人生を送っている頭のキレる年下のモトカレと、出てくるキャラはどれもキャラ立ちしていてかっこいいんだけど、なんかバラバラだなあ。これまでの水原キャラなら、名古屋から戻ってきたモトカレはもっと医師に執着してひどい目に合わせているはずだし、某国でクーデターに巻き込まれてケガを負って帰ってきた年下くんは、もっとダメージ受けてて、それを医師が献身的に介抱するって展開にならないと、面白くないぞ（笑）。いや、水原さんに求めるものが、痛いほうに触れているので、こういう要求になってしまうんだが。でも齟齬なくすいすい一気に読めたのでストレスはない。もう一冊、新書の新刊が未読だった。そっちも読まなきゃ。

2010.11.29

コメント(0)
腐女子においしい龍馬伝

田中泯が消えてしまってからは惰性で観ていた「龍馬伝」だったけど、最終回でやられたよ。弥太郎と龍馬,うっわーこれはラブだわツンデレだわと今更ながらに気づく。岩崎弥太郎の龍馬へのつっかかりぶりが、もう愛としか思えない（笑）。自分のなしえないことを易々とやってのける龍馬への反発は半端なかったけど、それって裏を返せば容易にラブに転換するのよね。あの二人が絡み合って、弥太郎が龍馬をののしっているのを見ると、痴話げんかにしか見えない。これは、ひとえに香川照之のうまさだろうなあ。続いて観た「坂の上の雲」では、かなりやせて、正岡子規そのものに見えたけど、悪役のほうが印象深い香川照之が、熱血で小うるさい（ついでに小汚い）下士として登場したときは、またずいぶんやかましい役だな「と思ったが、大騒ぎしながら愛を告白しているようなもんだ。そして、なにこの萌え要素溢れる展開は。龍馬一人が天然なノンケで、あとはみんな龍馬に思いを寄せるほもに見えちゃったよ。腐った脳は恐ろしい。八方美人で誰にとってもいい人な龍馬は、裏を返せば誰からも愛されて、ネブチューンの人（土方役）なんか、殺してしまいたいぐらい気になって仕方がなかったんだろうし、弥太郎も最後の最後でわざわざ会いに来て、憎まれ口を叩きながらも大金を与えようとしたり。なんなのこの展開。おいしすぎる。こないだ遊びにきたドラマ好きのTちゃんは、後藤象二郎役の俳優が気になっているようだし、ピンで使える俳優を惜しみなく脇に据えた今回のキャスティングはよかったわ～。上川さんも谷原さんも、なんか異様に大根に見えたし、ミッチー王子が色黒の薩摩藩士で登場したときは吹いたが、西郷さんもミッチーも、みんなだれもが龍馬になりたかったような描き方していた。前歯まで歯槽膿漏みたいな汚かった香川照之が、最後においしいところを全部持っていった感じ。脚本なのか演出なのかわかんないけど、腐女子ウハウハの要素がこれだけ盛り込まれているって、なんかあるまじき展開でビビッたよ。それともこういう男同士の暑すぎる美しい友情って、もはや普遍性のあるものなのか。いやはや。命がけってところが自分の萌えツボなんだけど、顔も名前も全然覚えられなかった福山雅治という俳優を、これでちゃんと覚えられたわ。そしたら、今読んでる最中の、今市子さんの『萌えの死角（２）』でも、田中泯サイコーみたいなジジイ萌えが披露されていて、ある程度トウのたった腐女子のいきつく嗜好は同じなのかと思ったり。

2010.11.28

コメント(2)
『悪魔は微笑む』斑目ヒロ

今月は本の感想上げてないなあ。もとより虫食い更新になっちゃってサボり気味だし、確かにBLや漫画は極端に読む冊数が減っている。ずっとコンスタントに毎月１５冊は上げていたのに、今月はこのジャンルは壊滅だ。なぜか。ずっと佐野洋子さんのエッセイを読んでいたんである。読み返したものもあれば、未読のエッセイも２冊あって、何度も反芻しながら読んでいたら、なかにニコニコ堂のご主人が出てきてびっくりした。「無能の人」のモデルと言われるくらい浮世離れしていて、お金儲けにも興味がなさそう（というかお金に縁がなさそう）なのに、北軽井沢に別荘を持っていたのね。そして、芥川賞作家の長嶋有が息子だと知って、超びっくりした。そうだったのかー。『サイドカーに犬』とか『猛スピードで母は』とか、三浦しをんにも通じるニューエイジのタイトルの付け方だと思った記憶が。そして猛スピード～の表紙は佐野さんだった。あああ～（涙）。はっきり言って、この世代の小説は、一応パラパラめくってはみるけど、申し訳ないが私の琴線に触れないのだよ。でもタイトルは秀逸だと思うんだよね。こういう、俳句の省略の美に通じるような妙な省略が。そういえば、長嶋有は俳人としての雅号もあったはず。そんなこんなで２週間ほど書店にも行かなかったら、一挙に新刊が出ていて、漫画ばかり６冊買ってきた。一番手はなんといってもこれである。悪魔は微笑む価格：620円（税込、送料別）『悪魔は微笑む』斑目ヒロこれ、楽しみだったんだよね～。悪魔の兄だからして、さらにぶっ壊れている。悪魔シリーズ２冊目に登場して、どうやら悪魔の使いであるお向かいの幼なじみ（コワモテヤクザ顔だけど心は乙女なボーイ）に恋するヘンタイであることが知れていた。さて、どんな壊れっぷりだろう。……半分以上がギャグ絵で、元の形容しがたい美青年とのギャップがすごすぎて、同一人物とは思えない（笑）。惚れられたコワモテくんも同様。どーしちゃったんだ、マダラメさん。なんだってこんなに胴が長いんだろう。そしてヒサシくん（コワモテくん）がまんまるになっちゃうんだろう。これは兄ビューなんだろうか。そして次兄は想像以上に手に負えない、どインランなヘンタイぶりだった。唯一の救いは、１８禁を遵守しようとしているところか。コンプライアンスは重要だ（笑）。つまり、だ。子供の頃からかわいくって仕方のなかったヒサシくんを、いつか自分のモノにするため、まさに光源氏が葵上を囲うがごときかまい方をして、大事に大事に育ててきた。そして１８歳の誕生日を迎えたらいよいよ筆を下ろしてやろうと虎視眈々と狙っているんだが、あまりに積年の思いが煮詰まりすぎて、誕生日が近づくにつれ、シンボータマラン状態になって、欲求を抑えることに必死になるあまり、ヘンタイぶりに磨きがかかってしまう（笑）。かわいそうなのは、狂ったショータに振り回される周囲のヒトビト。美容院のスタッフくんとか（カバー下にもお楽しみがあった）、美形のショータとはまた別物の絶世の美青年（フランス人俳優）とか、誰もがショータを慕ってくるのに、ゴキブリほどにも気にされない（相手ににはするが、心には留めない）。とりあえず、ヒサシくんてばチェリーにもほどがあるので、いろいろと正確な情報を教えてあげるのが先だと思うぞ。最初の悪魔（三男）がほとんど出てこなかったのが残念だが、母と長兄の行動も不可解なので、次はそっちのお話を。そして母からみても「アレ」な夫というのも見てみたい。

2010.11.26

コメント(0)
マンモちゃんは痛かった……

長らく出版健保だったけど、全く別の業態に転職したら健保組合も違って、検診が結構自由に組み合わせて人間ドッグにできるのだった。もちろん有料だが、組合負担があるので、全額自費よりずっとお安い。これは便利。というわけで、通常の検診一式に脳ドックと婦人科検診一式をオーダー。初マンモグラフィーも体験した。午前中が一般検診。去年は胃のX線でポリープが見つかったが、今年は何も言われなかった。自然に消えちゃったみたい。変わりにエコーで胆嚢にくっきりと胆石影が写っていた。うわー結構な大きさ。でも１個。問診でドクターに「これなら体外衝撃波破砕術でいけますよね」と言ったら思いっきりドン引きされた。出版健保の健診医らは、似非インテリの多い患者に慣れっこだから、普通に術式についても会話できたけど、今の業界は高卒や専卒も多く、よもや医学情報をもった患者がいるとは想定していなかったようだ。ばかめ、患者をなめんなよ。ESWLぐらい、シロートでも知ってんだよ。いつも苦労する採血は、今年はいいナースに当たった。血管見えない（細い上に沈んでいて針から逃げる）ことを事前に申告していたせいか、しばらく腕を暖められ、駆血帯でギリギリと縛り上げられてからグーパーを繰り返す。そして「プレッシャーかかりますね」といいながら、翼状針も使わずにブスリ。「あ、だめかも。すみません」と言った直後に血管に刺さったようで、駆血帯縛ったままでゆっくりゆ～っくり採血。腕がしびれてきた。でも一発で採血できたのは10年ぶりぐらいだ。そしていつやってもいや～んな子宮細胞診と、初マンモ。うわさに違わず痛かったよ～。ものの数秒とは思うけれど、垂直と水平×２で計４回も。あれはもうやだな～。しかも、３０代、４０代のマンモグラフィーは推奨しないって、どっかの学会が声明出してなかったっけ？　マンモでなんらかの疑いがあって、その後細胞診（これは直接針を刺すから、きっともっと痛い）をした人の６割以上がシロだったとかって言ってたぞ。みすみす痛い思いをして無駄な検査をされる身にもなってみろっつーの。アレさ、男性の前立腺がん検査って、何歳から？どうやるんだろ。BLだとよく挿入場所に前立腺があるような書き方されているけど、あれは全然嘘だから、前立腺検査が女性のマンモのようにひっぱってつぶされて、とかいう検査なら痛み分けだけど、女性ばっかり痛い思いをするのは納得いかんのよ。

2010.11.25

コメント(0)
ランチ放浪記

11月に入ってからの、出先で食べたランチいろいろ。なんかアブラモノが多いなあ。そしてやっぱり野菜が足りない。ちょっと郊外に出たら、デニーズしかなくて、渋々入る。そして食べたいものがない。でも、そういえば今年まだ鍋焼きうどんを食べていないことに気づき、邪道にもファミレスでうどん。これが予想外にまともだった。まあ、海老天が冷凍品なのは仕方がないけど、コシの強い讃岐うどん系が幅を利かせている昨今、ゆでているうちに溶けてなくなっちゃうんじゃないかってくらいのふわふわのうどんは貴重。そう、私は舌で潰せる軟らかいうどんが好き（笑）。安かった。　新橋駅から社に戻る途中、たくさんお店があるのに、なぜかよく行くエスニックの店に入ってしまう。バカバカバカ～！でもたまにタイカレーとか無性に食べたくなるんだよね。というわけで、いつものガパオとグリーンカレーのセット。ドリンクも付けた。あっ、読んでる本まで写っちゃったわ。1150円こういうものしかないなら食べなきゃいいのにと思うほど、どうってことないフツーのカレー。しかもどこかの大病院の食堂。点滴スタンド引きずった患者さんや車椅子の人が多いのは、外科病棟の人なのかしら。700円　ヘンな時間に原宿駅にいたので、南国酒家で遅いランチ。海鮮焼きそばと3色シュウマイ。この３色がさ、キャビア、フォアグラ、ふかひれだったよ。でも３個で1000円くらい？やきそばは1500円くらい。ここは昼でもサービス料とるから、ちょっと油断すると3000円くらいになっちゃう。気をつけよう。これは先週、営業男子と一緒で「どこでもいい」と言ったら迷わず日高屋に入っちゃうんだなこれが。うわーラーメン、野菜足りなそーと思ったら、野菜たっぷりタンメンというのがあった。本当に野菜てんこ盛りだった。しかも超安い。ほとんどもやしだったけど、リンガーハットのちゃんぽんもこんな感じだった気がする。これさ、麺半分にしてもらえれば全部スープまで飲める。500円くらい。飯田橋のエドモントで会議があったけど、ティールームがいっぱいそうだったので、他のところでランチ。東西線出たところのビルに入っていた魚居酒屋でのランチ（店名失念）。日替わりはカキフライだったけど、珍しく味噌だれがかかっている。これにたっぷりの豚汁がついてきて、根菜がゴロゴロ入っていた。豚汁だけでもご飯食べられるよ。でもサクッとしない、しんなりしたカキフライ（しかも甘い味噌だれ）もおいしかった。牡蠣好きだからな。880円。

2010.11.23

コメント(0)
牡蠣三昧！

9月ごろ、東京駅の地下街で偶然見つけたオイスターバー「ガンボ＆オイスターバー八重洲地下街」が気に入ってしまい、なんとランチオイスターなるものもあるため、東京駅経由で仕事に出た日は、時折立ち寄るようになった。10月末のこの日は、金沢文庫まで行って、東京に戻ってきたのが午後３時。ランチタイムを逸してしまい、もう重いものは食べる気にならず、牡蠣だけ半ダースのランチ。もう午後も遅いし、会社戻っても記事書くわけじゃないからと、シャルドネもつけちゃう。　この店の母体なのか、関連会社が牡蠣の卸のようで、いつも産地がはっきりした新鮮なものを供してくれる。この日は北海道厚岸の牡蠣３ピースと、三陸海岸久慈沖のものが３ピース。ずっと三陸牡蠣育ちだったけど、やっぱりシーズンになると北海道産には敵わないのね。もう甘みがあって濃厚で、本当に「滋養強壮剤」のようだわ。牡蠣はレモンだけで食べるのがいちばんシンプルで好きだけど、ここはランチでもレモンとは別にソースがついてくる。ポン酢、トマトペースト、大根おろし醤油の３種。ポン酢ははっきり言って、ワインとは合わない。トマトがケチャップとちがって甘みのない濃厚なペーストに下ろしニンニクを載せたものがついてきて、これはよく合う。大根おろしもまあ合うけど、ワインと一緒でなくてもいいな。　こちらは別の日。先週だったかな。九段下へ行く途中でわざわざ途中下車してランチと牡蠣という贅沢三昧。ランチはちまちまと前菜＋スープのプレートが出た後に、牡蠣入りクリームソース。結構パスタの量が多くてびびった。だってこの後、生牡蠣食べるんだもん。カジュアルなオイスターバーなのに、パンもちゃんと温めてあったし、鴨ローストにかけてあったバルサミコも安物ではなかった。ランチなのに手を抜かないところがいいわ。でもスタッフ少なくてオペレーションはよくない。これだけ食べた後に生牡蠣って、どんだけ食い意地張ってんだ自分。今日も北海道産と三陸産だけど、産地は違っていた。養殖だから余計に違いが大きくでるのか、やはり北海道産のほうが断然濃い。三陸産は焼いたりしたらおいしそうだが。ランチオイスターは２種だけど、夜になると２ピースずつ３種の産地の牡蠣が出る。安くて新鮮でおいしい牡蠣を求めて、きっとまた来るだろう。

2010.11.21

コメント(0)
『君を抱くまなざし』たけうちりうと

君を抱くまなざし価格：903円（税込、送料別）『君を抱くまなざし』たけうちりうともうBLから（というより物書きから）足を洗ったのか、全然別の名前で書いているのか定かではないけれど、新作が読めなくなって久しいのに、まだまだ未読本がたんとあるたけうちさん。そのうちバラ園芸家として世に出たりして。さて、この本もいろいろとBL的には掟破りで、設定が特異すぎてそっちしか印象に残らない。でも好きだ。今回は、トンネル堀りと発掘屋（大学院生）というカップルだけど、脇がヘンテコすぎてそっちのほうばかり印象に残る。特に攻野郎の友達だという国交省の食えない役人は最高だ。腹の中真っ黒（笑）。こんだけ自然に人を陥れたり血税を横流しするのがうまい役人は見たことがないぞ！今回、トンネル屋とこの役人の年齢が若すぎるのがちょっと気になったけど（ともに20代後半）、トンネル屋の情熱は若さゆえだからいいとして、20代後半の役人にはまだこんな権限は与えられてないし、エリートだったらまだとっかに出向か留学させられているはずだ。そこだけが違和感があった。魔性系の受も、一人でダイビングして海中遺跡の調査ができるほどの行動力と聡明さとかっこよさを備えていて、十分攻でも通用する「男らしい」タイプだったけど、割と平気で淡々と役人に抱かれたり10代のチェリーボーイの筆下ろしをおおせつかったりと、自分の魅力を認識せず、体なんてどうでもいいと思っているタイプなのは結構ツボかも。多分タチにもなれるかも。でも自分はいわゆる「さげまん」だと思っていて、だからこそ気になる攻にアタックできない。なんかとっても常識人でかわいいぞ。ガテン系の仕事風景とか、さすがに海底トンネルの工法まではちっともわからんが、それなりに面白いんだよなあ。しっかりガテン仕事していて輝いている（笑）ほもの話は、許可証シリーズ以来かもよ。でも、命令するだけで世の中を操る役人がやっぱり気になる。こういう生まれながらの真っ黒な策士を主役に据えた話が読みたいぞ。

2010.11.20

コメント(0)
『終わりなき夜の果て（下）』和泉桂

終わりなき夜の果て（下）価格：1,048円（税込、送料別）『終わりなき夜の果て（下）』和泉桂滅びゆく一族の総ほもサーガ、第一部の完結編。これまた分厚かった。そして自分の興味は次男だけで、兄と弟はどうでもいいことがわかった（笑）。兄編はさ、まだいいのよ。陸軍とか官憲とか物騒なもの引きずっているし、「死んだこと」になって逃亡しているカップルだから、いつ何が起こるかわからないというリスクにさらされている。ところが弟カップルは、最初の本でも「こりゃなんじゃあ～！まるきりロメオとジュリエット！。そうか、そういう剽窃を楽しむ作品なんだ」と思ったけど、ロミジュリと違うのは、悲劇じゃなくてハッピーエンドなとこだ。そして二人とも恥ずかしいぐらいベタベタのゲロ甘カップルなのだった。もうさ、1920年代の日本でイタリア野郎がどんくらい浮いてるか。日本だろうが上海だろうがNYだろうが、クラウディオは１から１０まで恥ずかしい。歯の浮く台詞、赤面モノの行動。こういうことを堂々とやるからには、ちゃらんぽらんでマザコンなイタリアンかと思いきや、本来の彼は冷徹で残忍だってえ？笑わせるわ。前作での真紅の薔薇の花びらベッドにも爆笑したけど、今回は、出てくるだけでホラーかSFみたいになっちゃう、年をとらない化け物・冬貴の前で三つ指ついて「息子さんを僕にください」って、もおおどこまで姫扱い！それでもブラックマンデーにぶつけるんだろうなと思って読んだら本当にその通りだった、ご都合主義のNY編は、あの街を知っているだけに結構楽しめたかな。建設途中のスカイスクレイパーとか、プラザとかクライスラービルとか、イタリア移民の多いブロンクス地区の様子とか、多分今もあんまり変わらない。ただ、全体としてはエピソードが多すぎて消化しきれてなくて散漫な印象だったなあ。明らかにつなぎがヘンなところとかあったし。とりあえず書きたかった要素を並べてみましたって感じがして、いろいろと整理されていないのだった。ゆえに読んでいて疲れる。あと、ロアリング'20をよく調べて書いているのに、一方で遼一郎の目の手術をする医者がなんでブロンクスにいるのかとか（宗教系とか結社団体のエスタブリッシュな病院の名医を紹介するはずだ）、謎の教授とか、メットのシーンとか、中途半端絵もったいない。ステロタイプな靴磨きの少年とか、道貴の底抜けの人の良さとか（いいカモだ。だまされるために生きているみたい）、クラウディオの道貴への姫扱いとか、根拠のない信頼関係とか、バカバカしくもベタベタな展開をそれでも楽しめた。二人とも嫉妬しやすくて、クラウティオはそのうちトシとって狭量になったら姫を殺しかねないな。今回も一瞬だけ本領発揮してSMっぽくなりかけたけど、理性で抑えていた。つまらん（笑）。あーでもやっぱり次男の話がいいなあ。あの後ろ向きなウエットさがないと、あの一族じゃないみたいだ。

2010.11.19

コメント(0)
喘鳴と睡眠不足の日々

自律神経がバラバラになっていた先月よりは大分マシだが、ここ２週間ほど夜中の咳き込みが止まらず、睡眠不足との相乗効果で仕事に集中できない日々。効率悪いったらない。おかげで残業続きじゃないか。おまけに最近は日中、省庁取材で夜はセミナーのダブルヘッダーが続く。もうやだやだやだ。せめて夜、ぐっすり眠れれば、睡眠時間少なくても平気なんだが。気管支拡張剤を飲むと心悸亢進がひどくなるので薬も飲めず、通常4時間半の熟睡で十分の睡眠が、熟睡できないうえに３時間になってしまい、日中、脳みそが働かない。しかも横になるとヒューヒューと喘鳴がおきて苦しくなって、火曜の深夜はさすがに救急車呼ぼうかというくらい呼吸しづらかったので、ためしにと経皮型の気管支拡張剤と睡眠誘導剤を同時に飲んだが、それでも１時間以上は眠れず、当然朝の目覚めは悪かった。何がよくないんだろう。乾燥しないよう気をつけているし、空気清浄器も24時間室内換気扇も振る稼動している。寝具もカーテンもラグマットもじゅうたんも清潔にしている（つもり）。やっぱ猫かなあ。ネブライザー買おうかなあ。それともちゃんと呼吸器科を受診するのが先か。咳が怖くて、ここのところお酒も飲んでなくて（友人との家食では、ワイン１本空けても不思議と発作が起きない。きっと楽しいお酒だからだな）、したがってリッチな外食とも遠のいている。ちょっとリッチだったのは、築地の寿司屋と八重洲地下街での生がきだ。お寿司はカウンタでお好みだったので写メは遠慮したけど、白子、としろ（あわびの肝）、あん肝という邪道な軍艦トリオと縞鯵、天然平目、ぼたん海老、焙り牡蠣を食べて、あんまりおいしそうに食べるので、大将が牡蠣をオマケしてくれた。テラテラに脂ののった大トロや寒鰤はもう１貫でもトゥーマッチなお年頃だが、コレステロールの溜まりそうな肝系は好きだなあ。ちょっとすだち絞っただけで白子はもうクリーミーだし、としろの苔くさい苦さとか、あん肝のフォアグラのような食感とか。いろんな感覚が総動員されているのがわかる。こんなもんばっか食べているから咳が出るんだろうか（笑）。それにしてももう喘息というよりCOPDかもしれない。こわくて呼吸器科に行けない。今夜も早々に背中にツロブテロールを貼ってみたけど、喉の奥のほうに何か詰まったような感覚が不快で仕方がない。

2010.11.17

コメント(2)
美食とファッションに溺れる

先週末は久々の女子会in自宅。泊りがけで萌えドラマを見に来るのは、いつものTE嬢。彼女、ついに今年はホノルルマラソン参加組に。なんで私の周りにこんなにマラソン好きがいるのかがナゾ。ランニングって、中毒性があるのかな。以前から参加している歯科医の夫婦も、トライアスロンやってる超体育系女子も、年々エスカレートしているような気がする。彼女も、仕事終わるのが毎日9時10時なのに、それから皇居周辺を２周（約10キロ）しているそうだ。なんという体力！　運動は身体に悪いと思っている自分には、どっか別の惑星からきた人間のようだわ。だめよ運動は活性酸素を増やして早死にするんだから！さて今回の女子会テーマは、映画には一緒に行けなかったので、映画版のSATC2を観る予定だったが、「プジェクトランウェイ６が始まったよ～」と言ったら、「断然そっち観たい！」ということになり、さらに歴代ファイナリストたちによるスペシャルコンペティションの特番と、アナ・ウィンターのドキュメンタリーも観ることになり、まさにファッション三昧な夜だった。第６シーズンは、さすがにマンネリ化を恐れてか舞台をロスに移して行われていたけど、自己中なアクの強いキャラがいなくて、どうも全体に小粒な印象。おかまちゃんもマッチョもいるけど、人目を引くほどは目立っていないし、メンタル面が弱い元ジャンキーのお兄さんとか、ナルシストっぽい王子様とか、ありがちなキャラがいて、ナル２人は早々に脱落。女性陣もさっぱり印象に残らないんだよね。やっぱり気候がいいと人はレイジーになってしまうのか。そしてハイジのお腹はまたもや膨らんでいたのだった。もう何人目？　楽しく観ながら、今回は久しぶりにチーズ王国に行って張り込んだ大好物のチーズ３種と、イベリコ豚のハモンセラーノとパルマ産プロシュートという豪華なアペリティフで乾杯！　ワインはいつも飲んでいるイタリア産の安ワインじゃ可哀想と思い、仕事の帰りがけに成城石井でみつくろってきたブルゴーニュとボルドー。Tちゃん、「ワインのよしあしはわかんないわ～」とか言いながら、ボトルも見ないで「あ～これ好きな味」と超フルボディのブルゴーニュを気に入ってくれた。それはね、酒好き（ワイン限定）の証拠よ（はあと）。チーズは、いつものダフィノア（ハーブとガーリック）と、超臭いフェルミエ。そして、珍しいイタリアのチーズ、ダルピカマスカルポーネ。なんとマスカルポーネとゴルゴンゾーラがストライプになっている！　ニオイはないし、軽めだけど、かなりおいし～。口どけがいいから、残ったチーズをたらこスパゲティのソースに投入したら激うまのものが出来上がって、自分で作っておきながら「これなら2000円払う！」とか思ってしまった。でもね、チーズ３種で5000円オーバーなのよ。そしてハモンセラーノはペランペランの小片が１枚200円なのよ。もう涙でそう。2年前くらいにナチュラルチーズがいきなり高騰して、以前より2割ほど高くなってしまったので、大好きなチーズたちともそうそうめぐり合えない。生ハムに手持ちの３年もののバルサミコをじっくり煮詰めて添えてみた。かけるとこれまた風味がかわっておいしい～。あとはサラダとかフリットとか、簡単なもので。でもサラダもアンチョビとスモークベーコンを炒めたものを散らして、いいオリーブオイルで作ったドレッシングで和えたら超うまかった。自分ひとりのためには面倒くさいから作らないけど、誰かのためならたまには作るんだぞっと。でも「たまに」じゃ主婦にはなれないんだよね。ぐすん。はっ、作るったって、今回は切っただけ、みたいなもんばっかだな（笑）。で、ファッション三昧の後に、ホテルバビロンを２本見て、渋くなったマッカーシーが観たくて借りた「リップスティックジャングル」（SATCのキャリア女子版。おばはんになったブルック・シールズが出とる）とかも見まくる。これも盛り上がった。なんつうか、パワーウーマンたちは寿命を縮めながら仕事と家庭と恋に生きていた。みんなものすごいハイエンドブランドを見に付けているのに、全然憧れない世界（笑）。マッカーシーはSATCで言えばミスター･ビッグだけど、優男すぎて貫禄に欠けていた（笑）。朝は軽井沢レザンを買ってあったので、簡単にカフェオレとベーコンエッグの朝食。ああ天国～。だれかこういうの毎日作ってくれ（だから嫁に行けんのだ）。

2010.11.16

コメント(0)
『世界の果てで待っていて～嘘とナイフ』高遠琉加

世界の果てで待っていて（嘘とナイフ）価格：903円（税込、送料別）『世界の果てで待っていて～嘘とナイフ』高遠琉加あ～もう、なんて奥ゆかしい二人！　お行儀が良すぎて溢れる感情を理性でねじ伏せようとする二人がじれったくてじれったくて、涙が出そうだった。もう、途中から、読み終わっちゃうのがもったいなくてもったいなくて、少しずつ大事に大事に読んじゃった。そして、こんなノーマルな指向で、本当にこれはBLになるんだろうかと心配になる。いやあいいなあ。生真面目すぎる刑事より、心の奥底に深い思いを抱きながらも、元同僚として一線を引こうとしている探偵が哀れでならない。二人のラブの成就はさらに先に引き伸ばされてしまったが、こんな面倒くさい事件と、探偵の妹の痛ましい事件がなければ（つまりなにかの理由がなければ）愛を確認できないというのも難儀な話だ。あんまり我慢すると体によくないんだがなあ。特に今回は、暴力だの恐喝だので悪を撒き散らしていたチンピラの被害者なんて、殺されても誰も困らないだろうに、まるで自分たちの命がかかっているかのような二人の腹の探り合いが真剣すぎて（ラブの確認も含めて）、いよいよ高村さんの検事×刑事を思い起こさせてしまう。それというのも、昨日で終わっちゃったけど、WOWOWのドラマで「マークスの山」をやっていたからで、15年ぶりくらいだったけどすぐにストーリーも思い出せたし、映画化されたときの中井貴一（だったはず）の合田よりは、上川隆也の合田のほうがずっと好みだったので、食い入るようにストイックな二人の関係を腐った脳で妄想しちゃったよ。「お前は俺の味方なのか、それとも敵なのか？」と合田が激高するシーンは、思わず出てしまったそっち側の人の台詞だなと。だって、事件の捜査をしているんだから、普通だったら「検察は警察の敵なのか？」と聞くべきなのに、あらあら、いつまでたっても手を出してこないもんだから、しびれ切らしちゃったわよ、このストイック刑事は、とか思ってみていたのだった。あーでもドラマのほうでは、加納が合田のアパートへ行って掃除洗濯をするシーンはなかったわ。残念。おっと激しく脱線。さて、単なるチンピラ殺人のつまんない事件で終わるはずが、間抜けな操作でなかなか容疑者が出てこないために、二人の仲はこじれる。事件自体も、小粒ではあるけれど奥が深くて、ゆえに警察だけでは犯人まで特定できないようなお話なんだが（だって警察はティーンエイジャーの友情なんかきっと忖度しない）、結局は殺した犯人ですら被害者だったという結末だった。なのに、友情のためだけに指名手配されても友人をかばう双葉くんって、そんなあんた……。拉致された容疑者の姉を救うために、半地下のアジトに二人して踏み込むシーンとか、臨場感たっぷりでドキドキしたけど、さすがにどっかでみたような……という感は否めない。アクションシーンよりは心理描写に長けた作家さんだしなあ。なによりもっと命がけでないと解決できない事件のほうがよかった（たとえば国家転覆とか、代議士暗殺とかさ）なあと思ったんだけど、望みすぎか。それよりなにより、公安あがりの警部が怖すぎる。こいつが今回一番目立っていた（笑）。なにやら色気もあるし、国家側の人間のくせに腹黒さでテラテラしてるし。なんだなんだ、なんだって探偵をあんなに敵視するの？　同属嫌悪？　そして知ってかしらずか、刑事に好きな男の行動確認を命じちゃう。美味しすぎる！　刑事はなかなか心を開いてくれない探偵に深く失望しながらも、真相に迫るためにそれをかくして、今年の夏を思い起こさせるような猛暑のなか、体力と気力の限界に挑む。体力が殺がれると、気力の喪失なんてあっという間なんだから、ちょいと押せばモノにできたものを、なにを迷ってるんだ探偵！どうも妹を殺した真犯人について、サド警部はなにかを知っているようだし、愛するがゆえに巻き込みたくないから刑事に真実を話さない探偵は、ただのニヒルな合田くずれではなく、もっといろいろ複雑な人間のようだわ。そしてこれが３作目のテーマになるんだろう。いやはや。じらすなあ、高遠さん。そうだ、高遠さんの巧さの要因のひとつが、今回判明した。作中、頻繁に視点交代するんだけど、これが実に自然で唸らされた。いつの間にか場面転換して、いつのまにか視点が探偵から刑事へ、刑事から探偵へと変わっている。そこに規則性はない。その変わったところを、短い台詞だけで悟らせる。二人とも相手に対する思いは同じところにあるからさ、会話に固有名詞がないと、どっちの台詞なのかわかんなくなりそうなのに、これが明確にわかるんだよね。ペーパーバッグを読んでいると、会話体の部分が一体誰の台詞なのか、話しているのが男なのか女なのかすぐにはわからなかったりするので、いつもイライラさせられるんだが（自分の英語力がヘタレなせいもある）、BLだと、視点交代がヘタクソすぎて不自然になることが多い。でも高遠さんは実にうまいと思った。こういうのって、訓練して書き慣れるものではなく、もって生まれたセンスなんだろうなあ。さて、３作目は5年も待たされませんように。

2010.11.15

コメント(2)
いろいろ魔がさして玉砕の日々

読み散らかしたまま放置していた漫画の備忘録。残念ながら３冊とも印象に残らなかった。　　『≠ノットイコール（1）』池玲文池さんは雑誌掲載のものをいくつか読んでいたけど、これは初の続きもので評判よさそうだったので読んでみたものの、やはり私には合わないわ。幼いころ母が離婚して、ずっと会っていなかった父親に会いに行った高校生が、タイムスリップして中学生の父の時代にタイムスリップするんだが、なんだろ、SFタイムスリップ近親○ーカンコメディなの？　もっと猟奇的なゴシックファンタジーとかのほうが、この人の絵柄が生かされるような気がする。『青年は愛を乞う』日野ガラスこちらは全然知らない作家さんだったけど、表紙が美麗だったのでトライしてみたが、中身は表紙の絵ともまた違って微妙だった。お話もちょっとメンヘル入っているくらいウェットな「自分はもしかしてほもなの？」と悩む高校生のお話で。冒頭に化粧にチャレンジして絶望するイタタなシーンを入れることで、ちょっとサブカルっぽくしようとしたのか、でも失敗している。どうもドラコミックスとは相性が悪いな。『追憶』小山田あみそもそもリブレの漫画は対象年齢が低いので、いい年してＢＬ好きな育ちすぎた読者には向かない作品が多い気がする。なので普段は買わないのに、挿絵のほうでおなじみの小山田さんだったので、うっかり魔がさして買ってしまう。そして思ったとおりの玉砕。小山田さんがストーリー漫画も描く人だとは知らず、表４の解説文ではなにやら昭和テイスト（無頼のにほひ）で面白そうだったんだが、全体に雰囲気漫画だった。いつもいつも思うんだが、絵がうまいことと漫画がうまいことは別ものだ。それを証拠に、美内すずえはあの絵で40年以上トップをぶっ飛ばしているじゃないか。ＢＬは萌えと色気のある絵がすべてといってもいいのだから、ストーリーはどれも同じようだったりするけど、それにしても中身がなかった。

2010.11.14

コメント(0)
焼き魚定食 in 大宮

インディアンサマーかと思うほど晴天だった昨日、久しぶりに遠出の仕事で、大宮乗換えで埼玉の奥地まででかけた。初乗りのシャトル（埼玉新交通とかいうやつ）に乗って、終点ひとつ前。新幹線と並走している高架路線の駅は、「うっわーローカル！」と叫びたくなるほどひなびた風情で、コンビにはおろか商店すらなく、でもちょっと見渡すと同じような建売が密集していて、ここもベッドタウンなんだと知る。で、目的地までは徒歩10分ほどで、無論タクシーなんてないから、地道に歩く。その間、誰ともすれ違わないというのがもはやホラー。それでも幹線道路は結構な交通量で、物流トラックがひきもきらないのだった。そして暑い！朝9時の段階で、日焼け止めをしっかり塗らなかったのを後悔するほどの日差しにくらくらしてきた。空の面積が広くて、のんびりと飛行船がアリコジャパンの宣伝をしていた。午後1時半、朝９時からの仕事が終わり、大宮へ戻る。日中の電車は15分に１本というローカル具合に、なんかホッとさせられる。さて、しかしお楽しみはこれからなのじゃ。歩いたし、写真撮ったりして仕事で体力使ったしで、久々にしっかり空腹。大宮駅ビルのレストラン街で焼き魚定食。ごはんが３種類から選べて、しかもごはん自慢の店のようで、米にうるさい自分をうならせる。テーブルには小鉢に３種類のお惣菜がセットされていて、二人分でも多すぎるほど。こういうお袋の味っぽいお惣菜は久しぶりに食べる。　　　ほうれん草と揚げの煮びたし、切干大根の酢の物、カブとなめこの和え物で、定食はシンプルにごはんとおかずだけ。ご飯は本日の炊き込みご飯で、秋刀魚ときのこ。珍しい。ホッケも冷凍の戻し方がうまいのか、ほっくりジューシーで生臭さがなかった。ご飯とお味噌汁はおかわり自由だったけど、ホッケの量が多くて、おいしいごはんが食べきれず（涙）。残念ながら出汁感がほとんど感じられなくて、お味噌汁が今ひとつだったかな。ルミネ大宮４F　寅福　焼き魚定食1150円也。

2010.11.12

コメント(0)
『手を伸ばして触れて』名倉和希

手を伸ばして触れて価格：898円（税込、送料別）『手を伸ばして触れて』名倉和希初めて読む作家さん。本格的にBL小説を読むようになったきっかけが、リンクスの「コルセーア」と「月と茉莉花」だったので、久々の盲目ものかとちょっとだけ期待していたんだが。まあ、いろいろと残念だったわけで。なんだろうこの中途半端さと既視感。事故（火事）で両親と家を同時になくし、自分も失明。何もせず1人暮らし。やたら親切な隣人に恵まれている。視力は手術すれば治る。これが受の設定だが、同様の要素を持った作品をこれまでにも複数読んだことがある。今回は両親の死が殺人であり、５年経ってそのナゾに火をつけに来た雑誌記者と、今だ事件を追っている老刑事と、毎日のように様子を見に来る幼なじみが協力して犯人探しをするんだが、ミステリーとしてもサスペンスとしても薄ら寒い。なんか超薄くて、これじゃアジェンダ読まされているみたいだよ。そもそもこの作家さん、中途失明者についてなにも調べてないような気がする。このあたりの福祉行政は手厚いから、共同生活をしながら見えない生活に慣れるための訓練施設とか全国にあるはずで、そこでおそらく血のにじむような訓練をしているはずだが、そこがすっとばされているので、全然苦労しないまま、１人で暮らし始めたように見える。何度もつまづいて転げ落ちそうになる受は、白杖を落とすが、実際には手にベルトを絡めてから白杖を握るはずだから、簡単に手から離れることはない。それに事故当時、彼は未成年だったんだから、遠くても縁故を当たるはずなのに、近所の幼なじみの家で暮らしながら、一軒家を建てたんだろうか。ものすごく不自然。成年後見とか保証人どころか、保護者が絶対必要なのに、すべて割愛されている。障害者の1人暮らしだったら、ソーシャルワーカーが関わって支援しているんじゃないのかなあ。自立支援法って法律だってあるんだから、掃除とか食事の支度とか、ヘルパーが入ってやってくれてるもんだと思うんだ。だって1人暮らしなのに掃除も洗濯もしている様子はないしさ（笑）。乙一さんの「暗いところで～」みたいに、世間と接触を断っている設定ならわかるんだけど、そうじゃないから余計に気になる。BLってそういう手続きをきちんと書かないから、いつまでたっても「こんな社会ねーよ」ってお粗末さから逃れられないんだな。だったらいっそ、架空の時代・架空の都市でのファンタジーにしちゃえばいいのに。そうなれば主人公は超能力だって使えるぞ（笑）。雑誌記者の攻は会うなり受に一目ぼれで、2回目だか３回目だかでもう手を出そうとしているし。でもそれよりもっと納得できないのが、犯人とその動機だ。犯人探しの過程もだけど、肝心の犯人の動機や方法らがお粗末すぎて、それすら見つけられなかった警察はなにやってんだと。これじゃ先の捜査はこども警察だったのかと思ってしまう。スーパーのオヤジは、善人面して毎週食材を届けて、何をしたかったんだろうか。そういうところちゃんと書いてもらいたいけど、あくまでラブが主体だから、棚上げされてしまっている。親切に飯まで作ってやっているおせっかいな幼なじみは、自分の人生のかなりの時間を主人公に割いているのに、下心はないの？　それとも月々のお手当が出ているんだろうか。本来なら、この友人の善意は障害者の自立を妨げるものだけど、BL的には実はずっと好きだった……という展開があるのかと思ったが、それもなかった。ただのヒマないい人なのか？あーだめだだめだ。細部の詰めがゆるゆるなので、まったくお話に没頭できなかった。自分で選んでおいて、はずれるとすごく自己嫌悪。だからこそ最近は、自分の好みに合う安定した筆致の作家さんしか読まないようにしていたのに、どうしてまた墓穴掘るかなあ。残念。

2010.11.10

コメント(2)
パンドラの箱～ドキュメンタリーの愉しみ

　　評伝ものは好きだけど、映像ドキュメンタリーになると、編集側の作為が透けて見えるのがいやだった。でも、去年から偶然、自分の知っている3人のアーティストの映像ドキュメンタリーを観る機会があって、本人はもとより、彼らの周辺の人物にまで大きく影響された時期があったことを思い出して、クソ小生意気だった過去の自分というパンドラの箱を開けた気分だった。最初はアニー・リーボヴィッツのドキュメンタリー。もう３回くらい見たな。彼女の恋人がスーザン・ソンタグだったことを知って驚いた。ソンタグは20代の自分にとってのカリスマだった。しかし、リーボヴィッツの作品は、10代のころ聴いていたロックのアルバムジャケットで、とっくに洗礼を受けていたことを知ってさらに驚いた。先月は、アナ・ウィンターのドキュメンタリーを観た。ご存知ファッション界の女王とも教皇とも言われるニューヨーク･ヴォーグの編集長。映画「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープも、「アグリー･ベティ」のウィルミナも彼女をカリカチュアライズした造形だろう。もともとイギリスの富裕層育ちの彼女は、もって生まれたセンスと賢さと、先を読む目に裏打ちされたゆるぎない自信でもって、ファッション界に君臨していた。そして日曜、メイプルソープのドキュメンタリーだと思って観て見たら、サム・ワグスタッフの生涯を追ったドキュメンタリーにメイプルソープがオマケについていた作品だった。これも非常に面白かった。メイプルソープも一時私のお気に入りで、ゲイ・カルチャーの生々しさは、BLなんて全然知らないころから、彼の写真に教えてもらったのだった。その彼の恋人でありパトロンであり、スノッブなディレッタントだったワグスタッフ。見事に洗練から混沌へと堕落していく人生だった。メイプルソープが実はワーキングクラスの無教養な若者で、教養も立ち居振る舞いもすべてワグスタッフが教えたことだったのは、ちょっとショック。勝手に美化していたのでね。メイプルソープはワグスタッフの金にしか興味がなかった。メイプルソープはワグスタッフに憧れない。高いところのものは最初から眼中には入らないから。でもワグスタッフは自分がもっていないものを持っている美しい若者にぞっこんだった。管理された美しいものばかり口にいれていると、腐ったものがとてもおいしそうに思える、というのと似てるか。こういう狂気をはらんだ共依存は好きだ。ソンタグが「隠喩としての病」を書いて数年もしないうちに、エイズは多くのアーティストの命を奪った。とりわけモダンアートのグラフィックアーティストとフォトグラファーはバタバタと死んでいった。メイプルソープとは生前ニアミスすらなかったが、ハーブ・リッツは日本での最初の個展を開いたときに本人にも会って、スマートなハンサムガイだったので、すぐにメロメロになったが、その彼も2002年にエイズで死んだ。リッツは整然、ヴォーグの仕事もしていたけれど、そのころ、アナ･ウィンターはすでにアメリカで仕事をしていたはずだ。もしそうなら、この３本のドキュメンタリーフィルムは「ヴォーグ」と「カメラ」を軸にして、きれいにリンクすることになる。

2010.11.09

コメント(0)
『世界の果てで待っていて～天使の傷痕』高遠琉加

世界の果てで待っていて（天使の傷痕）新装版価格：903円（税込、送料別）『世界の果てで待っていて～天使の傷痕』高遠琉加久々に続編が刊行されたので、ずっと持っているだけで読んでいなかった雪舟薫さんがイラストつけてた初版を読む。探偵（もと刑事）×刑事。場所は渋谷。この作中の渋谷が超リアル！学生時代は渋谷乗換でほぼ毎日渋谷で遊んでいたので、作中に登場する地名も雰囲気も、手に取るようにわかるわ。映画館行ったり本屋行ったりする程度だったけど。しかし私が学生の頃は渋谷警察はまだ建て替え前のボロッちい物件だったし、１０９はあったけど、ロフトも文化村もまだなかった（笑）。円山町はすでにラブホ街だったけど、芸者さんもいる花街だったとは知らなかった。さて、お話は元刑事の探偵と現役刑事（二人はもともと同期の桜）と、探偵が引き受ける調査依頼を軸に進行。し、渋いわ。大人だわ。そして過度にかっこよすぎたり、あり得ない設定（年齢と階級が合わないとか）でなくてよかったわ。今回は二人のラブより、かわいい双子少年のお話のほうが印象に残ってしまうけど、ポーカーフェイスを装いながら、つい探偵にかまっちゃう刑事がまたよいわ。二人とも大人で仕事ができて、どことなく影があって、しかも相思相愛（のはず）！でも大人だからして、互いに意思表明なんかしてなくて、過去にたった一度、あやまちを犯しただけの関係。そしてそれは探偵のたった一人の肉親である妹が殺され、自身も片目の視力を失いかねないほどの重症を負うという極限状態のなかで、熱に浮かされて行われたもので、荒々しいのに美しいシーンだった。しかし、刑事のほうは探偵のことが好きだという本心を悟られたくなくて、どうやらなかったことになっている。そのエピソードが語られるのが、お話もかなり中盤に差し掛かったころで、私なんかは絶妙の位置だと思ったんだけど、たぶんBL的にはわかりにくい。その前にも、泥酔した刑事を介抱するシーンで、探偵はちょっとだけ挙動不審な行動をとっていたけど、ここではまだ二人の過去に何があったかは明かされない。最初に、キスをした時の感触をどちらかが思い出して、でも「あれ、そんなシーンあったっけ？」と読者に思わせておいて、その後に過去が語られる。これで、一公務員がやたら探偵の仕事にちょっかいを出す理由がわかるという仕掛け。なんか過去と現在の時系列の並べ方が独特。警察・探偵ものは久しぶりに読んだけど、情報を集めに行くシーンとか張り込みのシーンとか、間が抜けてなくてよかったわ。でもまだ二人のラブは成就していないので、続刊に期待。それにしても、やっぱり雪舟さんの絵は好きだなあ。表情に乏しくて人形みたいだけど、構図が好きだったり、全体のバランスとか、色気があるんだよなあ。えーっと、これは2005年刊だから、もうそろそろ仕事が止まる時期だよね。まだまだ彼女の復活を望むファンは多いと思うけど、待っても待ってもイラストのせいで続きが出ないというのも困るので、今回は茶屋町さんになったんだな。いや、茶屋町さんも昔から漫画は読んでいたし好きだけど。そうそう、「咎狗～」のアニメは茶屋町さんのキャラデザインではないのが残念。眠れないのでボーっとテレビをつけていたら、偶然深夜に観る機会があって、濃厚なBL臭に驚いた。これってもともとBL系のゲームだったのか！

2010.11.08

コメント(4)
二人の先人に合掌

野沢那智さんが亡くなった。那智チャコパックを聴いていた世代なので、ラジオの向こうから聞こえてくる「東京」の刺激とか、当時、劇団薔薇座のスターだった戸田恵子さんへの賛辞とか、「いったいどんな人だろう」と思っていて、その彼女が三谷さんと出会って役者としてより大きくなったこととか、「声優」という職業があることを教えてくれた人だった。ご本人は声優である前に役者であり、役者であるまえに演出家だと思っていたらしいけれど、多くの日本人にとって野沢さんは「アラン・ドロンの声の人」だった。なっちゃんの声だけは、すぐにわかった。最初はイリヤ･クリヤキン。アラン・ドロン、イーストウッド、ブルース･ウィリス。アニメでも何度もお声を確認していたし、JUNEの初期のころのドラマCD（当時はカセットだったかも）も聴いたことがある。チャコこと白石冬美さんに、「その身長で50キロしかないなんて、男の体重じゃないわ～」とか言われるほど細くて、ダンディで、でも演出するときはむちゃくちゃ怖かったらしい。子供の頃からずーっと聴いてきた人なので、「まだ72歳」であることに驚いた。薔薇座から巣立った人たちの多くが、声優としても活躍されている。ご本人はひょうひょうとした感じの方ではなかったかと勝手に想像しているんだが、自分の青春の一部だった人だった。最後にうならされたのは、「アメリ」の日本語吹き替え版ナレーション。好々爺然とした語り口に、「あー、なっちゃんもジジイの語りをやるようになったのねー」としみじみ思ったものだった。合掌。そして数日後、今度は佐野洋子さんの訃報に接する。ここ数年、がんと闘っていらしたので、来るべきものが来たか、という感じだが、私の好きなエッセイストは、ほぼ全員、長寿をまっとうしないのはなぜだ。米原万里さんも、インタビューを申し入れて、ご本人から「もう少ししたら」とメールをいただいて数ヵ月後になくなられたし、実は佐野さんにも3年前に取材申し込みをしていた。もちろん断られていたけど。最後に拝見したのは、BSブックレビューで自作について語っていたときかな。私は彼女のエッセイが大好きで、その辛らつな語り口、男に頼らない人生、地に足の着いた暮らしにも憧れたけれど、自分の親きょうだいについて結構あけすけにネガティブなことをつらつらと書いていて、こういうことを書ける人は強い人だろうと憧れた。　　　ここ数年の、嫌っていた母親を受け入れてからのエッセイは、ちょっとだけ角がとれた感じがしていたけれど、考えたら、この人は自分ではまったくそうは思っていなかったろうけど、ウイメンズリブの時代の、渦中の女性の生き方だった気がする。田中ミツさんあたりと親交があったのではないか。そして群ようこさんあたりはきっと佐野さんのファンだろう。『役に立たない日々』に描かれたババアどもの暮らしは理想だ。どんどんやれていたことができなくなってくる自分に腹を立て、世の中に腹を立て、若者に腹を立て、でも親切にしてくれる若い男にはメロメロになるという（笑）。ああいうふうに、「人に嫌われてもいいもんね」と開き直って姦しく逞しく元気な老後を送りたいものだが、自分の場合はその前におそらく寿命が尽きるだろう。前夫が谷川俊太郎氏であることを、おくやみ記事で初めて知ったけれど、あれだけ「ろくでなし」と言って憚らなかった父と同じような創作家と結婚してしまうんだから、人生わからない。もしや一粒種の息子の父は谷川さんなのかしら。ともあれ合掌。あ、今プロフィール見ていたら、二人とも昭和13年生まれだわ。自分の親くらいの年といってもいい。戦火に暮らした幼少時の記憶を持つ人々も鬼籍に入るほど年月は経っている。

2010.11.06

コメント(0)
おいしい魚を求めて新橋をさまよう

久々に満足したランチ。午前中から濃密な某省の会議を傍聴し、終わったら丁度昼時。会場が本庁ではなく内幸町近くの貸会議室だったので、天気もいいことだしとそこから新橋までブラブラ歩く。お昼どうしようかなあ、この界隈に知っている店は麺系ばっかりあなあ、でも今日はおいしい魚が食べたいなあと考えながら、SL広場に続く細い小路を歩いていたら、手書きの立て看板を出している居酒屋のランチメニューに目が釘付けに。「まぐろカマの煮付け定食」これだっ！と食べたいものが見つかった喜びに胸躍らせて入店。どどーんと出てきた定食には、メインのカマの煮付けのほか、冷奴、まぐろのブツが３切れ入ったとろろ、あら汁にお新香２種がついていた。うれし～魚が煮魚と生と両方！しかも弱った身体にやさしいとろろと冷奴！まぐろのカマは、小さいので食べるところがあまりなかった。でもしっかり煮込んであって、頬の辺りのプルプルした身がおいしー。そして煮汁が甘すぎず辛すぎず、多分しょっぱいもの好きの人なら「薄い！」と思う味付けだけど、このぐらいのやさしい味のほうが好き。なんつうか飲める煮汁（笑）。普通、これだけ薄味だと長く煮込まないと味がつかないから身が固くなると思うんだけど、圧力釜を使っているのか、やわらかいのもよかった。そしてにおい消しのしょうがは主張せず、かといって魚独特の臭みはどこにもないのだった。これは料理人の腕なのだろうか。冷奴もまぐろの山かけも、小さな小鉢の量がまた私好み。このちまちまさ加減は女子供が喜ぶ類の料理だよなあ。でも新橋なので男性が1人、カウンターで新聞片手で読みながら食べている図が多し。私はBL片手にカウンターで食べてたけどさ。男性に人気なのは、あら汁とごはんがおかわり自由だからだろうな。ごはんもピカピカに白くてピンと立った、なかなかランチタイムにはお目にかかれないおいしさだった。前日の夜からろくに食べてなくて18時間くらい胃の中が空っぽだったから、何を食べてもおいしかったのかもしれないけど、「さかなが食べたい」と思って、思ったとおりのものに出会えた喜びは、なにものにも換え難し。なのにお店の名前を忘れてしまったよ･･･。ンーっと、やるきゃない、とかそんな名前だった。また行けるといいなあ。

2010.11.05

コメント(0)
やる気のない日々

うーん。最近、家ですごしている時間はわりとあるのに、ブログの更新もできずに、ただボーっとしているうちに時間が過ぎていって、気が付くと深夜2時とか、そんな時間になっている。でも先週までは不眠が続いて、ベッドで数時間経っても眠れなかったから、２～３時くらいまで起きていると、割合すぐに眠れるんだなこれが。体調不良をきたしてからは、食後におなかが痛くなったり、夜、暖かいものを食べると咳が止まらなくなったりしてはなはだ不快なので、食事欲も失せている。ランチはなんとか外で食べているので、エネルギーは足りているけど、食べたいものが思い浮かばない。この私が！今日はずっと、３人の女流作家がブルターニュやバスクの食を体験するドキュメンタリーを見ていたけど、どれも想像の付く味ばかりで、食指がそそられない。なにが食べたいだろうと考えたら、「ああ、ジューシーでおいしい仔牛肉のステーキを一切れだけ食べたいなあ」とか「北のほうで釣れた天然のヒラメを、品のいい握りで食べたいなあ」とか、家にいたんじゃ実現できないようなものが食べたくなる。こまったもんだ。さて、ランチ画像も時間がたつと、内容を忘れてしまう。当たりが少ないせいもあって、更新をさぼっていたけど、味すら思い出せなくなる前にアップしとくか。毎年恒例、てんやのかき天丼。今年は野菜や海老もついてくるけど、手軽にかきの天ぷらを食べられるのはいいわ。でも、ちゃんとした天ぷら屋さんでいただくと、口に入れたときの食感が全然違うんだよね。喫茶店のミックスランチ。比較的おいしいほうだけど、量が多いよ。せめていくばくかの野菜なりフルーツなりを付け合せてはくれまいか。非常に問題あり、のピラフセット。だって宮本亜門のお父さんの店「エリカ」なのに、まずいんだよ。具や味付けは紛れもなくチャーハンだけど、ごはんがベトベトしていた。それなのに１日限定20食とかって、なんかまちがってない？　喫茶店なのにドリンクはセルフだし（当然、時間の経ったコーヒーなど飲めたものではない）、こんなんで銀座で商売してていいの？スタンダードなおろしハンバーグセット。ハンバーグは自分の好物ではないので、年に２回くらいしか食べないんだけど、シソに大根おろし、ポン酢みたいなたれがついていて和風味。これはおいしかった。えーっと、これなんだっけ？　海老とブロッコリーのクリームパスタかな。全然覚えていないってことは、可もなく不可もなくだったのか。　

2010.11.03

コメント(0)
『よろめき番長』依田沙江美

よろめき番長価格：650円（税込、送料別）『よろめき番長』依田沙江美あはは～なんか70年代チックなタイトル！　日活ロマンポルノと愛と誠を思い出してしまったよ。「よろめき王子」とかしないところがいい！どんなにヘナチョコだって、そのトップに立てば番長だっ！依田さんはやっぱり彼女の絵柄に合ったかわいい天然キャラが出てくるコメディじゃなくちゃ。前作がやけに湿っぽいシリアスだったので、久々に「私の好きな依田さん」でうれしかった。でも、これまでの依田さんの天然キャラは、子犬みたいな懐きキャラが多かったけど、今回のは結構な大人の妖精。駆け出しフリーペーパー記者×茶舗の番頭というか店長。年下攻で、年下ワンコ。店長さんは潔癖症で離人症でセンシティブなコミュニケーション不全のハンサムさん。人づきあいというものにまったく対処できない、30にしていろいろとヴァージンな美人さん。こういうキャラはいいな～。こんな性格でなんで客商売？とも思ったけど、こんなじゃきっと上下関係にまみれる会社でも働けない。まあ、現実世界では30で人嫌いで他人と会話できない男なんて、たいていなんかのオタクで身なりにかまわなかったりするから、この店長さんは幻想。実際にいたらカウンセリングを薦めるよ。だけど、BL世界だからして、そんなあなたがいいというワンコがやっぱりいるわけで。どんなに拒絶されても、絶対に諦めず果敢にアタックする青年（攻）の熱血さ加減がまたまぶしくて。ああ青春。一方、こんな不遇な受にも唯一友達だと思っている人間はいて、こいつがまた手は出さないけど（妖精だから禁忌なの）、ずっと恋情は抱いていて、突如現れたワンコを牽制しまくる。自分がだまされやすい性格のせいか、どうもこういう、人の心を試すようなやつは大嫌いなんだが、妖精という天然記念物を保護する目的があるから、基本、受を大事にする。自己主張という言葉を知らない受がなんかいとしくて切なくなってくる。母性本能に火が付くというか（笑）。で、年下ワンコがこれまた、懇切丁寧に妖精から人間になる方法を手ほどきしていくんだよね。あら～なんかファンタジー作品の感想みたいになってしまったが、なんつうか、まったく同じ設定とキャラで、木原さんに小説を書かせたら、真逆のダークで救いようのない悲劇にしそうだよ。そんな境界線上にある話だった。満足。あ、そうそう。依田さん、ちょっと絵が変わった？　ギャグ絵のバリエーションが豊富になった。いい方向に変わっているからそれもまたよし。

2010.11.01

コメント(2)

全21件 (21件中 1-21件目)

1

ジャンル別一覧

人気のクチコミテーマ

イラスト付で日記を書こう！

一日一枚絵（４月１５日分）

(2024-04-25 07:29:13)
この秋読んだイチオシ本・漫画

「翔泳社」「神々の指紋」検索結果

(2024-04-24 07:30:15)
アニメ！！

魔法科高校の劣等生3期

(2024-04-07 19:49:40)

© Rakuten Group, Inc.