「誰寝」が終わってしまった~(涙)
さてと。今日は漫画について。楽しみにしていたシリーズものが次々終わってしまい、悲しい気分を書き残しておこう。なにが悲しいって、今日、手元に届いた『誰も寝てはならぬ』が最終巻だった。いったい、どれだけ読者がいるのか不明な、このゆる~いお気楽漫画を、永久に存在させておく懐の深さが「モーニング」にはないのか! とか編集部に文句を言ってもはじまらないんだけど、「大阪豆ごはん」が10巻で終わったので、最初はこれも10巻は続いてほしいと思っていたら、あれよという間に12巻、15巻と巻を重ね、ついに17巻で最終となった。でも、全員の恋の行方をなんとなく示唆して終わったのでよしとするか。あ~残念だなあ。サラ・イネスさんの描く、ゆるく生きてる中年たちのやさしげな大阪弁がもう見られないのか。そして、心のオアシスだったこの漫画の最終話、オカちゃんが会社を辞めるとオカちゃんに言われたハルキちゃんが、勇気を振り絞って次に会う約束をするところで、図らずも落涙してしまった。こんな軽いコメディの1エピソードで涙するぐらい、キャラクターたちが血肉の一部になっていたみたい。あとはヤーマダくんと亜美さんとか、暗~いマキオちゃんと巴ちゃんとか、カワイイ魚屋さんとネネちゃんとか(笑)。ゴロちゃんだけが永遠のハンターとしてステディはつくらないポリシーを貫いて終わるのね。でもさ、ゴロちゃんって何度相手を変えてもいつも同じようなシュミの子になるというのは、すでに様式美の域だよね。きっと誰でもいいのかもしれない。意外だったのは、ヤーマダくんで、高嶺の花だったはずの亜美さんが石拾いに出かけることを聞いて、自分も同じ楽しみを共有しようと(一人で)行ってみたところ。もしかして亜美さんはずっと待っていたのかもしれないし、ヤーマダくんも同じ銀座生まれ・銀座育ちのよしみで俺も圏内かもと思い始めたところがよかったわ。恋にうとい大人の行動は計り知れない(笑)。 それにしても。あ~もう。「プライド」が終わって「MOON」が終わって、「Real Clothes」も終わって、「誰寝」も終わってしまった。楽しみがないよう。一応「とりぱん」と「死が二人を分かつまで」は続いているけど、全社はわくわくしながら発行を待つ種類の内容じゃないし、後者はとっくにサイバーアクションものになって当初のトキメキは失われてしまった。あとなんだろ。続きが出たら絶対買うのは。あ、伸さん(今は違うペンネームだが)の「PALM」シリーズがあるな。こないだやっと「蜘蛛の文様」が終わって、残すところあと1シリーズ。どうやら寿命が尽きる前に最後まで読めそうな気配。「やじきた」もあるけど、続きって感じじゃないし、何年も間が空いたりするからなあ。漫画といえば、雲田はるこさんの「昭和元禄落語心中」の2がおもしろい。1巻から読み返して2巻を読んだら、いっそうおもしろい。そして現在進行形がどうにも昭和っぽいと思ったら、やっぱりそうで、2巻の途中から始まった師匠の青春編を読んだら(この構造も剛さんの「座布団」「花扇」に似てるけど)、戦中が青春時代で、談志世代よりさらに上という設定だったよ。なるほど。雲田さん、ますますいくつなのか気になる。書き文字にしても絵のタッチや書き方にしても、古いセンスだとずっと思っていて、それがこの作品にはピタッと嵌っているけど、それが「過去を学んで手に入れた」ものだったら、ちょっとすごいかなと。 あーっと、あとは西原理恵子さんの「人生画力対決」が秋から冬にかけて立て続けに2冊でて、相変わらず大笑いしながら読ませてもらった。東村アキ子さんの美人っぷりがすごい。そして手が早いことも。東村さんも、絵の描き方は古いと思っていたら、尊敬するのは美内すずえだったりするわけね。なるほど。あと三田紀房氏がうまかったのにもびっくり。作品でのあのへたっぷりはブラフですか?ヤマザキマリ氏(初の海外編)は、10代からイタリアに絵を学びに行ってたにしては、実はあんまりうまくなかったり(日本のはやり漫画を知らないのを差し引いても、芸術性もないし、どうよというレベルだわ)、いろいろおもしろいよ相変わらず。ヤマザキマリで思い出したけど、アニメ版「テルマエロマエ」のあの稚拙っぷりは意図的なのかな。絵も動かないし、学生がつくった作品みたいだった。なのに割とおもしろかったりして。このおもしろさは、タモリ倶楽部をおもしろいと思う中年の感性だろうなあと自分でつっこんでみたり。