1465051 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

日々是徒然

日々是徒然

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

思緒里

思緒里

Recent Posts

Calendar

Category

Comments

aki@ Re:生きてます(11/23) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
ヌテラ親父@ Re:ロシェチョコ≒ヌテラの謎(02/28) 10年以上前の記事にコメントするのもナニ…
ぱるるもん@ Re:『プライド(12)』一条ゆかり(02/20) 漫画はお嬢様と貧民育ちの対決構図だと思…
グリーン@ Re:『プライド(12)』一条ゆかり(02/20)  本当に最悪な結末。萌の留学が面白かっ…
とうりすがり@ Re:ダウナ(11/23) >楽天なんかで見ると、かさ高180以上のポ…
ダウナ@ Re:長い長い羽毛布団の話(11/23) ダウナはやはり特別ですね。 布団側も特殊…
ダウン@ Re:長い長い羽毛布団の話(11/23) ダウナはやはり特別良いと思いますよ。 側…
思緒里@ Re[1]:総決算(12/27) gooddesignさん わああご無沙汰です! も…
gooddesign@ Re:総決算(12/27) あけましておめでとうございます&お久し…
マイコ3703@ コメント失礼します(* >ω<) 最近読んだブログで1番気にかかってしま…

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

Keyword Search

▼キーワード検索

Headline News

2007.01.13
XML
カテゴリ:BLマンガ

浪漫豪奢北沢きょう

「コミックリンクス」という比較的地味~な雑誌に描いていた漫画家さんのデビューコミックス。
連作の最終回だけを雑誌で読んで、妙にノスタルジックな雰囲気がちょっと気になっていた。

維新以降~昭和初期(戦前まで)が好きな層って、確実に存在するんだな。それが人物萌えなのか、歴史へのストーリー萌えなのか、文士の醜聞とか文化に対するそれなのかは、いろいろだろうけど。
江戸時代ほど今と隔絶していなくて、でも手の届かない過去への憧れ。
大正時代だったらさらに、モダニズム、アールデコ、モボ・モガとか、乙女のツボは満載だな。まるごと弥生美術館だもんな。自分も一時森茉莉にはずいぶんはまったし。夢二の乙女路線とか芥川、乱歩のピカレスクも関東大震災も、すべてネタになりうるだろう。自分だったら白州次郎・正子夫妻も入れたい。

で、浪漫豪奢。
森鴎外の小説みたいな漢文調のタイトルがいい。

時代もの・主従関係(ほぼ1対1)の漫画は、最近新刊でもよく目にするけど、昔から人気あった設定なのかな?
この作品の時代設定は大正8年。小説だったら資料読み込んで、なんとなく設定つくれるけど、描くほうはどこまで舞台が広がるかでかなり苦労しそうだ。民主主義の台頭、興行国家への道、勝戦国としての繁栄に酔いしれる一方で、地方では飢饉が続き、間引きやら心中やら悲惨な状況だった頃か。大震災3年前で、まあ、雰囲気を出すことは成功していると思う。

でも、ちょっとでも社会史をかじれば、この設定は無理。お百姓が東京あたりに出稼ぎに来られるのは、せいぜい生産ラインの職工どまり。トップとの面会などできるわけがない。面接にいちいちお屋敷に行くというのも不思議だし、お百姓ふぜいがお屋敷の奥向きの仕事をするというのもありえない。そういう差別はまだ普通にあった時代のはずだ。

地方出身者が東京で功成り得て、郷里の親戚筋などから器量のよい娘を下働きに呼び寄せる(まあ、たまには妾候補もあったと思うが)という構図はよくあって、「○○さまのお屋敷にあがる」ことは、その村なり家の非常な名誉だったという話を、昔祖母から聞いたことがある。
たいてい高級軍人か、伯爵・子爵など爵位を持つ家への奉公だったらしいけど。

そう考えれば、BLなんだから主人が面接にきた受けに一目ぼれして手元に置くというのはありか。でも、手先が器用たって、都会のお屋敷の内向きの仕事なんて、できるのかという。同じ屋敷内に住めるのか。まだまだ民主主義の夜明けは遠いはずだ(笑)そもそも紹介状はなさそうだ。それに受けには愛してやまない妻子がいる。これはBLでは禁忌のはずでは? でもって結局妻は病死して、攻めがお墓の前で「(受けの)家族にならせてください」って手を合わせるって、これはちょっとひいた。予定調和すぎるだろっ! 寅さんや釣りばかじゃないんだから。

まあいいや。
それでも一生懸命描いている作者の思いは伝わる。
絵は、最近の流行なのか、やはりリンクスで見かけた真生るいすさんもそうだけど、微妙なパースというかデフォルメなんだよね。下に行くにしたがって細くなっていくのが。
これは見ようによっては単なるいびつなパース狂いなんだけど、狙ってるんだよね?
でも実際には、まだ自由に描きこなすまでにはいたっていないので、非常に危ういバランスになっている。顔以外はすべて不安定。体幹も手もなっていない。着物の描き方も下手。色塗りも下手の部類。ギャグのコマははずしているので、ないほうがいい。

とまあ、荒さとたどたどしさが非常に目立つけど、それでも好感は持てる。これからどんどん上手くなってくれるといい。
絵もストーリーもほんわか暖色系・性善説の見本のような仕上がりになっているのは、この作者の持ち味なんだろうし。

後ろに収録されていた幽霊ものも、おとぼけ天然風味炸裂で笑えるよ。脱力系というか。「(思いを)知られてしまったからには、やってもいいですか?」ってセリフはツボった。
現代モノのこっちの作品では、ギャグが成功している。

それにしても絵はまだまだだなあ。それと、この人BLでなくてもいい気がするよ。

追記:言いたい放題書いた後、作者のサイトを見たら、例によって二次同人ばりばりの人で、アップされている絵は上手かった。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.01.13 12:57:27
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.