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2007.01.18
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カテゴリ:BL小説
めっぽう面白いなあ、このシリーズ。極道ものとか、絶対苦手なはずだったのになあ。あっさり萌えツボ押されてしまいましたよ。
1巻に続き、征鷹(攻)と遥(受)の大人カップルの2冊目だけれど。短編が3本とショートストーリー1本で、3本目の短編以外は同人誌からの収録。
商業誌として出せないとわかっていても、書きたい衝動があるって、すごいな。いいなあ創作者は。自分も長いこと文章書いて身を立てていたけれど、根本が違うからなあ。BLだろうとなんだろうと、一生超えられない一線だ。

で、今回は、社会人として、人間として征鷹に囲われることをまだ心のどこかで享受できない遥が、勝手にアメリカ留学するところから始まる。
相手の性格を知り尽くしているからこその、機上の人となる直前の、引き止められない状況での事後報告。飛行機嫌いの征鷹であるからして、さすがにアメリカまでは追ってこられまいと思ったのも束の間……。
性の代理人を寄越すんですな。これがまた。無論、相手は征鷹の懐刀の狩屋なんだが。
この発想はぶっ飛んでいると思った。ホンバン付きのテレホンセックス?
声は征鷹、愛撫は狩屋、入ってくるのは攻めの張り型! これも愛ゆえなんですか、組長!
男女の間ではこういうの、成立しないような気がする。
てか、組長以外、こんなこと考える奴はいないような気がするよ(笑)。
どんなにツンデレでも、遥は俺しか受け入れないとわかっているからこその自信。
強いよ、組長さん。

2作目はやっと陽の目をみた、狩屋のささやかなラブアフェア。ところが終わってみればたんなる愛のキューピッドですか? 同じ境遇のニューヨークマフィアの子息という設定が笑える。

3作目は帰国後から日常への通過点。でも遥には大きな転換点。
テンプレだけど、離れてみて、死なれそうになってみて初めて知る思いってやつですね。
もうね。二人のセリフの応酬がかっこいいのなんの。水壬さんは本当に気障で心に響くセリフをつむぎだすのがうまい。
「死ぬときは、お前も一緒に連れて行ってやる」というセリフを言われたのは、カナーレだけではなかったんだな。遥もしっかり言われていた。いいなあ。
で、遥は本家に引き取られ、姐さんになるわけですね。めでたしめでたし。

全体に、笑える設定が随所に仕掛けられているので、自分にとってこのシリーズはラブコメだ。最初の出会いも、極道という設定も、自分の禁忌だったのに、読み終わってみれば、楽しく笑って、じんわり心に染みて。ま、極道といっても、抗争シーンがあるわけでも、らしい儀式のシーンがあるわけでもないから、すんなり読めたのかもしれない。

普通、コンプリートしたくなる作家さんって、同一傾向のものをたくさん出していて、ハズレがないから買えるんだけど、水壬さんは守備範囲が広い。もちろん自分的にダメな作品もあったけど、「あ、これ合わないな」と思った後に、こういう作品に出会えると、また目からぼろぼろウロコが落ちる。3巻にも大いに期待!







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Last updated  2007.01.18 21:20:18
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