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カテゴリ:BLマンガ
『かみなりソーダ』依田沙江美 これで入手済みの依田作品はすべて読了。この本は昨夏の発行で、とりあえず現時点での最新刊らしい。さて最後まで期待を裏切らないでくれるかどうか……。 最初、受けがツンデレと思いきや、そのうちゆるい天然くんになって(「ブリリアント・ブルー」の七海と脳内設定は同じなんだが)、代わりに攻めが結構キチクなツンデレになって、下級生を露骨な当て馬にして受けに見せ付けちゃったりする。 あーこの攻めのキャラ設定はどこかで知っている……と読んでいる最中からデジャビュ。この腹黒さ、計算高さ、大人受けの良さは、まぎれもない忍先輩! ああお懐かしや、こんなところにリーインカーネーションしていたのね~!(爆) こういうキャラを活躍させるのはさぞ骨の折れることだと思う。使い方へただと性格設定が破綻するし、うまく使わないとせっかくの設定が生きない。 グリーンウッド……何年萌えたことか。リアルタイムで関さんと兄貴のラジオ番組を聴いたり、ドラマCDを買ったりしていたな。一体何年前になるのかな? カウントしたくもない……。あれはキャラがみんな立っていた。そういや当然の帰結というべきか、この作者もBL来ちゃったもんなあ。 今思えば、王道少女漫画「花とゆめ」はグリーンウッド連載当時からニアフォモ臭はぷんぷんしていた。河惣さんとかそもそもバンコラン……いやパタリロも花ゆめだ。 そうか、この本も全寮制男子校だしグリーンウッドと類似点があるのは当然か。もちろん双方完全オリジナルなことは疑う余地はないが、学園祭、校則破り、クラブ活動、休日の外出、それぞれの家庭の事情……と、かぶるかぶる。舞台が限定されるとトピックスも限られるから、どうしたってエピソードは似てくるんだろう。でもキャラは忍先輩以外似ている子はいなかったな。「かみなりソーダ」は同級生同士だしね。そういえば光流先輩は養子だったがお寺の息子だった。 はっ、もしやこの作品はグリーンウッドへのオマージュなのか? そうなのか? あららまたグリーンウッドにループしちゃった。ゲホゲホ。 閑話休題。最新刊というわりに、初出は2003年、後ろのほうの短編は1999年と古い。 しかも徳間での連載なのに発行は新書館って、なにかあったのか? でもって、ギャグコマが増えていて、ちょっと無理してる感がある。如実に。 せっかく「真夜中~」みたいな大人のラブを描ける人なのになあ。要所要所にツボは張り巡らされていて、やっぱり面白くはあるんだけれど。年齢とともにあるべき進化を期待してはいけない作家さんなのかな。 なんかちょっと見えてきたのは、商業向いてないのかもということだ。シリーズなのに次作までの時間空きすぎだし、本出るまで年月ひっぱりすぎ。少なくとも読者の期待どおりには動かない作家さんなんだろう。 自分の「描きたい」オーラが降りてくるまで描かない人なのか? どんなにいいセンスをもっていても、注文された締め切りなり枚数を守れないのはプロではないだろう。いや、そんな事実があったかどうかは知らないが。 絵は相変わらずさっぱりしていて、デッサンも背景も問題ない。 1999年の絵がまったく古くないというか、今の絵柄と同じというのが驚愕だ。旧作にかなり手を入れているのか、本当に変わらないように努力しているのかわからないよママン。逆に今の線のほうが多少荒っぽいというか、慣れに任せた雑っぽさが時折覗く。 時折、顔が門地さんっぽくなって萎える。 ところで表紙と別バージョンが空きページに載っていた、プールでぬいぐるみを抱く二人ってのは、どこにも言及されていないのね……。 たまたま昨秋買ってほとんど読んでいない「ディア+」に連載が載っていたけど、タイムアップ感あふれていて読めなかった。絵もなんか雑。どうしたんだろう。学芸員とか画廊とか、設定は好みなんだけどなあ。長髪キャラは「真夜中~」以来だし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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