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カテゴリ:BLマンガ
『ラブリーシック』1~3巻 大峰ショウコ よく行く新刊書店では、最新刊までの4冊がずっと平積みだったので、気になっていた。読んだことのない作家さんだったので躊躇していたのだが、先日すし屋の帰りにのぞいたぶこふで1~3を捕獲。お風呂と昨日の移動中に読む。 医者(整形外科)×患者(中学生~高校生)だけど、多分にトラウマものだ。 若く魅力的な外科医がみな20代で実力があって発言権もあるというウソっぽさはさておき。だあってえ~大学病院だよ? 絡んでくる周辺人物が多くて結構複雑で面白い。 なんかさ、1~2巻は受けがガキンチョのわがまま王子でイライラさせられたけど、3巻で成長の兆しが見えてきて、続きが読みたい気にさせてくれる。 大学病院内の白い巨塔さながらのドロドロが、今読んでるBL小説とよく似ていて(それだけテンプレなんだろう)、途中でごっちゃになっちゃった。 漫画は整形外科、小説は心臓外科だけど。 初めて読む作家さんだけど、絵は好み。データ入稿っぽい処理があちこちにあるな。トーン処理のシャドウのつけかたがちょっとうるさいし、少年の造形とか、全体に「お金がない!」の人に似ている気がする。あ、昔の高橋由香里(今はBLで違うPNだったはず)にも似ていたり。昔からある絵柄ではあるな。もしかして結構なベテランさん? 最初の2冊がイライラしたのは、障害者をだらだらといつまでもリハビリしているのと、攻めが甘やかし放題で、まったく自立支援と逆のことをしていて、「医療従事者としてまちがっとるだろう!」と思ったんだけど、それは言わないお約束なのだろう。 機能低下させないためのリハビリはやっているわけだから、精神的に弱い受けを生活全般にわたって昼も夜も(!)サポートするのは仕方がないのか……とか。 それにしても12~13歳で出会って引き取って、自分好みに育てるという設定が、BLには本当に多いと実感。攻めは皆光源氏で、受けは全員紫の上かって。 で、安易な「好きな患者を引き取っちゃう」設定は、この間読んだ木原さんの鬼畜医師ものがそうだったけど、常識としてありえないこの設定にちゃんとおとしまえを点けようとしている気配がある。 それが4巻なんだな。きっと。明日、時間があったら早速買ってこよう。 それにしても赤の他人と身寄りのない子どもが一緒に暮らす設定って、後見人とか代理人とか戸籍とか児童福祉法とかどうなってんのかと本当に思う。行政がだまっておらんだろ、ゴルァ!とかね。この本では1巻と3巻にちゃんと代理人が登場(なんかありそうだけど)してきて、まだマシなほうだけど、BLは新聞もまともに読んでない読者が対象なのかな。ラノベ読者とかぶるとしたら、やはり中高生レベルなのか。がっくし……。あ、ちがった。要はファンタジーなのよね。 主役の二人、特に医師のほうが異様に受けに対して熱いはあとの持ち主なんだが、病院ではなんか腹黒キャラっぽいところもあるし、時々場面転換して真っ黒なサスペンスマンガになる。これは狙っているのか、それともなじませられなくてあえて浮いたままにしているのかが謎。 動物(ラブラドール)とか美形ガイジンとかオヤジとか、悪役の女性とか親身になってくれる女性とか、脇役てんこ盛りが嬉しい。そりゃ単なるラブラブベタベタだけでは、4巻以上ももたないだろう。 お話づくりも、最初読みにくいな~と思ったけど、山場の作り方とかうまくて、1年 1冊ペースでも牽引力あるお話だ。久々に好き作家さんのリストが増えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.22 12:58:07
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