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2008.03.02
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カテゴリ:評論・エッセイ

米原万里の「愛の法則」

米原さんの講演録が4本収録されている集英社新書。
後半、編集者がダレてきたのか、話言葉そのまんまでとりとめがなくなっているのが残念だけど、最初の2本が秀逸。しかも高校生相手の講演なのに、ものすごく中身が濃い。考えたら、進学校だったら高校ぐらいの頃が一番勉強しているもんな。

タイトルにもなっている「愛の法則」は特に、米原さんならではのフェミ論から繰り出すジェンダー論と、生物学的な性差の特徴を比較しながら語った名作だったよ(笑)。
なぜ男のほうが早死になのか、環境の激変時や有事には男子出生率が跳ね上がるとか、メスは量を担いながら質を追い、オスは質を担いながら量を追うという動物(無論人間にも)に普遍の法則とか、話のネタとしても秀逸なエピソードがいっぱい。

丁度生物で遺伝を学んでいるあたりの高校生なら、食いつきたくなるようなネタだな。少々下半身に刺激が強すぎるかもしれないが。

続く「国際化とグローバリゼーションのあいだ」も、高校生相手の講演とは思えないほど質が高い。言語学、国際経済、比較文化、各国近代史、日本人のおろかな脳構造、言語と文化の相関性など、あらゆるジャンルを横断しながら語られる内容は、博覧強記だった米原さんの真骨頂。

2000年に小渕さんが「英語を第2公用語に」とぶち上げたことは、「そういや……」とかすかに記憶にあるが、当時はゆとり教育のさなかで、到底バイリンガルになるような基礎教育は施せなかったんだな。「公文書はじめ刊行物はすべて和英併記」とまで提言されたらしいが、その後、そんな出版物はほとんど見たことない(笑)。

日本は国際化をあせるあまり、これまでに何度も日本語を捨てようとした。
明治時代には英語、大戦間にはエスペラント語、戦後はなんと志賀直哉らが大真面目に「フランス語を公用語に!」と言ってたらしい。最後のは初耳で、ななななぜフランス語? そして150年経ってもいまだ英語すら満足に話せないどころか、どんどん乱れまくっている日本語。いや、面白いよ。
残る日本は、同時通訳の世界を面白く語ったエピソード。これも面白かった。

ほんとうに早すぎたよ、米原さん。どうも私が心酔する優れた頭脳を持った女性は早世ばかりする。それも壮絶ながんとの闘いで。千葉敦子さん、須賀敦子さん、そして米原さん……もうこれ以上、好きな書き手を失いたくないよ。
巻末にビブリオグラフィーが載っていて、見たらまだ読んでいない本が数冊あったので、即座にぽちった。






Last updated  2008.03.02 15:57:02
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