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テーマ:今日のピアノ♪(713)
カテゴリ:ピアノ
昨日、深夜にNHK教育でアレクサンダー・ガブリリュクのリサイタルを放送していた。 なんだ年末に来日していたの、すっかり忘れていた! 彼はもう生で4回聴いている。なにしろスポーツ観戦はしない私が、唯一足を運ぶスポーツピアニストだから(笑)。 なんか、ここまで弾かれるといっそキモチイイ。突き抜けた超絶技巧。 正味45分というのは、リサイタルフルコースじゃないよね? ラフマニノフの「音の絵」。高校時代、散々聴いてさっぱり面白いとは思えなかった曲集。 今聴いても「ああ、やっぱり練習曲だ」としか思えないんだが、もう見ているだけで目眩がしそうな指の動き。なんつうか、手の小さい人が弾くと、鍵盤の上で指が暴れているように見えて、いかにも「凄い曲」って思えてしまうんだが、がブリリュクが弾くと、なんかあんまり手も指も動いているように見えない(笑)。 暴れる指を見て「すごい曲~」と驚愕したかったのに、サラ~っと弾かれると「簡単そうな曲~」と勘違いしてしまいそうだ。そのぐらいすごかった。彼の集中力も。 私は彼が17歳ぐらいから生を聴きに行っているけど、こういう、なんでも弾けちゃう神童の成長ってどんなだろうと思っていたら、もう23歳ぐらいだが、まだ神童のままだった(笑)。深さはないけど、集中力が高まっていた。こんなに集中すれば、そりゃ何でも弾けるようになるだろうって思う。そんで一般的な意味での勉強はできなさそうだ(笑)。 なんだろうな、難曲をあっさり弾ききってしまう集中力に聞き手も呑まれる感じ。テニスで言えばマッチポイントでのタイブレーク合戦が延々続いている感じ。脳の使っている部分が違うんだろうか。出ている神経伝達物質の種類が違うとか? しかもスポーツなのに聞き手に緊張を強いるとは生意気な(笑)。 次に指馴らしでモシュコフスキーのエチュードを1曲弾いて(なんか音が増えている気がする)、最後にリムスキー=コルサコフの「イスラメイ」。 去年の秋、10何年ぶりで仲道郁代さんの弾く生演奏を聴いたばかりだったのに、すごいよ。また聴けるなんて。こんな曲、生で聴く機会は一生のうちそうあるものではない。 あーでもね。彼なら当然、子供の頃からレパートリーに入っていただろうし、こうひくだろうって想定の範囲内の演奏だった。 つか、ガブリリュクにとってはこの曲は難曲ではないはずだからな、なんか役不足。 こんなにわくわくしない「イスラメイ」も珍しい。 「星条旗よ永遠なれ」とかワグナーの「結婚行進曲」とか、「トルコ行進曲」とか、誰でも知っている通俗名曲を、凡人には一生弾けないすんごい編曲で目にも耳にも鮮やかなテクニックを披露してくれるガブリリュクが好きだったよ。 これぞ金メダル!って感じでさ。 彼は熟成なんてしないでいいから、ずっとスポーツマンでいてほしい(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.03 09:04:41
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