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カテゴリ:BLマンガ
4月末に深井結己さんの新刊が2冊出ていたので、早速ゲット。 BLマンガ家さんのなかでも、とびきりドロドロした暗い話を描く作家さんという認識だったけど、この2冊は軽めだった。BL歴も長そうだけど、実は彼女はレディコミを今も描いていて、私は最初にそっちで知っていた。別段ファンではなかったけど。BLに移ったのは遅いのではないかな。 深井さん、私のなかではすでに売れっ子になってから非BLから進出したという意味で、今さん国枝さんという作画の達者なベテランさんと同じくくりだけど、絵は二人ほど巧者ではない代わりに萌えはいちばんある人かも。で、レディコミ仕込みだけあって、えろが生々しいのがなんとも(笑)。 顔の造形とかキャラづくりはむしろあっさり目なのに、なんであのシーンだけリアルなのかな。いやホンマもんのシーンはしらないけどさ、いろいろ書き込むよね。そのシーンと他の場面とのバランスの悪さにこそ萌える(笑)。 『おとうさんは罪作り』 竹の麗人掲載だからして、えろはてんこもりのはずだけど、他の作家さんが強烈ゆえにあっさり目。いや、今回本当にえろくなかった。 表題作は義父(というか養父)と息子ものだけど、はじけたかあちゃんまで出てきて、なんつうかファミリーコメディだった。普通この流れだと、余命いくばくもない母と結婚した若い父、という設定が王道なのに、へんな流れで深井さんらしい。 それより、次の妙な執事ものがギャグだった。これ雑誌掲載時にも読んでいるけど、深井さん、グリム童話シリーズとか描いているわりにはフリルものというかゴージャス貴族設定が貧乏くさく見えるのね(笑)。苦手なんだろうな。こういうシチュエーションはもっと華麗な作画でないとなあ。でもだからこそギャグになりえていて妙にはまった。 お次は元銀行マンとガテン青年。ちょっと無理やり感ありすぎ。「ぐぬぬ」っていう擬音に吹いた。最後の政治家秘書と放蕩息子の話が一番好みだな。深井さん、政治家秘書もの前にも描いていたな。忠実そうな秘書がね、なかなかノーブルな眼鏡くんなのに紋紋しょってる設定はツボだった。 『それは僕の愛じゃない』 前も感じたけど、この表紙をみる限り、深井さんて色選びがそれほどうまくないよねえ。口絵のバックなんてルドンの花みたいだけど、これは絶対意識していたと思う。いまだにきっちりそれとわかるアナログ塗りがいっそ新鮮だ。 それより、花音コミックスなのに麗人コミックスに負けず劣らずえろかった。 表題作は作家×編集者の連作で、双方ともにうじうじくんだった。しかもエディターは双子の片割れで当然のようにスイッチする。なんだこのはちゃめちゃ設定。面白いじゃないか(笑)。 他に2本の短編と書き下ろし。短編だとエピソード複雑にできないから、あっさり終わっちゃってつまんないなあ。深井さんならもっとドロドロ絡み合った話も得意そうなのに。 でもサラリーマンものの眼鏡上司は色っぽくてよかった。眼鏡萌え属性は自分にはないとおもっていたけど、ものによってはかなりストライクゾーンなことがわかった。 2冊ともあっさり楽しく読めたけど、深井さんは私のなかではやはり悲劇担当だ。というわけで、もっとドロドロを! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.09 09:28:19
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