日々是徒然

2009/11/10(火)07:53

『秋霖高校第二寮(2)』月村奎

BL小説(330)

『秋霖高校第二寮(2)』月村奎 うーんコバルト文庫だ~中学の時に読みたかったよ~と思った1巻目。なのに続きを手に取らせるとは。だから月村小説は侮れない。相変わらずにぎやか過ぎて騒々しい第二寮。主人公以外、みんな破天荒な人間ばかりで常識ってなんだっけ? と、どこまでもモラルが邪魔する自分の脳を呪う。 お子様対象すぎて微妙だったので、2巻以降はどうしようかなあと逡巡していたのに、読み出したらスルスル読めて1時間強で読了。 シリアスで重い話がスルスル読めたらなんか損した気分だけど、こういうライトなお話はマンガみたいに読めるのが身上だな。真の意味での気分転換。 お話は1巻のその後で、偏屈な高校生作家がついに主人公に手を出す(といってもキスだけ)。あらすじ終わり。 でも、自分の苦手なタイプばかり出てきて、心穏やかじゃないんだけど、もっともいやなのが常識的すぎる主人公の性格で、それは多分自分と似ているからだ。自分だったらあんな寮の連中にプライバシーを侵害されるなら、嫌われても無視するか寮を出る! とかとっくに物語の中に入り込んでいるのに(その時点ですでに月村マジックに囚われている)、尚も、ああいやこんな無防備な魔性の双子! どうしてこんなに口が悪いんだこの俺様作家は! 教育委員会に提訴しちゃうぞこのえろ教師! とかいちいち突っ込みながら読んじゃうのは、結局それだけキャラクターが立っているからなんだよなあ。 あーなんか、寮のヘンテコな住人たちはファンタジーなんだなって思えてきた。そうなら異次元からやってきた常識の通用しない連中、として自分のなかで納得できる。そんな高校はイヤだ(笑)。 2本目に登場した主人公の兄というのも、同じ血が流れているとは思えないほど傍若無人なのに、それを本当の悪人には思わせないように書ける力量というものもあるんだよね。そして俺様作家(攻)が実は照れから主人公を邪険に扱うんだけど、なんかメロメロで(攻のツンデレ?)、おかあさんみたいな世話焼きの「僕」はまっとうに成長しながら結局男が初体験になるんだろうねえ。 さ、続き手に入れよう。

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