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2010.02.22
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カテゴリ:BL小説

『好きで好きで好きで』高遠琉加

2004年にビブロスから出ていたものがなぜか角川ルビー文庫から再刊。連続発行といってもたった2作で、新刊+旧作の組み合わせも妙。なんか常に全サとか全プレで釣ろうという狙いが透けて見えていやらしいぞ角川! でも高遠さん、寡作だし過去作品を掘り出しても限りがあるから、各社必死っぽい。きっとこの再刊は印税率他社より高いに違いない(一般に再刊モノは率が下がる)。そして刷部数も少なかったとみえて、楽天や中央書店ではもうずっと売り切れ状態だ。早く増刷しなさいよ角川!(昔仕事もらっていたのに今は全然愛がない)。

スタイリッシュを狙った1月刊の准教授ものより、こういう純愛もののほうが高遠さんの本領が発揮できて、とても読み応えがあった。属性なんかどうでもよくて、ひたすら恋愛感情の発露の表現がすごく練られていて、属性無関係に面白い作品書けるにはさすが。

高校で好きになった相手に告白、手痛く振られ5年後に再会。しかし相手にはすでに恋人がいて、なんといつも一緒に働いている女性だった、というのがおおざっぱなあらすじ。
受・攻それぞれの視点からのほぼ同じ時間軸を描いた中篇と書き下ろしの短編で構成。

受視点からだけだとよくある片思いものなんだけど、何を考えているのかよくわからない攻視点のモノローグでいろいろスキマが埋まる感じでやっと納得。攻は、そういう生まれ育ちならこうなるわなって今時珍しく理性脳だけで動いている男子だった。情動もあるかもしれないけど、それが自分の生い立ちのせいもあって封印されている。

ほとんどフィアンセ状態っだったフラワーショップの看板娘に対する接し方もそうで、「一時も離れたくない」的な恋愛情動はなく、「一生守っていく存在が自分には必要」的な理性脳の賜物。でも受が必死に自分を好きでいてくれることになんか壁が崩壊した(笑)。情動脳を通り越して反射脳にまでいきそうな勢いだったよ。

2度も同じ相手に振られて、それでも忘れられなくてという切ない切ない思いを抱いている受は、もう相手が自分に好意的に接していても疑心暗鬼で、「こんな自分は嫌われる」「ごめん」と卑屈になっている。

台詞運びで思わずうなったのは、泣きながら「お前をすきでごめん」とかいう台詞のあとに、「……き」でいったん切って、「消えてなくなりたい」と続けたところ。呼吸したり鼻をすすったり(笑。だってボロ泣きだったもん)する時間の経過が感じられて、すごく印象的。

「好きになってごめん」という感情は、男同士の恋愛は禁忌だって前提があるからだよね。告白された攻なんてそれ以前にそうした激しい恋愛感情とは無縁できたから、相手の人となりを見るまでもなく、単純に常識と照らし合わせて、「ありえない」と考える。そういう心理状況を巧みに織り交ぜて、人の心が変化していくさまを描くのが、高遠さんは本当にうまい。なんつうか、こういう人ならこう考えるだろう、っていうのが「やっぱりね、思ったとおり」的表現じゃなくて、意外な行動や台詞で表現されていくところが爽快。

あ、でも弓道があまり生かされていなかったかな。あと攻の感情形成の背景は説明されていたけど、受の環境はなんかぼんやりしていた。こういううまい人の作品を読むと、キャラクターたちは書かれていない時間はなにをしているんだろうとか、そこまで気になる。

レーターさんは初めての人で、ちょっと線が細いというか硬い感じはするけど、初期の円陣さんみたいで好みだった。少女マンガの影響があまり見られない、いかにもBL的な表現のイラストが出始めた頃の表現かなと感じる。





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Last updated  2010.02.22 08:29:55
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